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◇Substitute match of Kansai handball league 最終節◇対同大◇10月11日◇関西福祉科学大学◇

【前半】関大 13―10 同大

【後半】関大 15―10 同大

【試合終了】関大 28―21 同大

最終戦を笑顔と涙で締めくくった。リーグ戦と全国大会の代替試合であるSubstitute match of Kansai handball leagueが最終日を迎え、現チームのラストゲームに挑んだ。最後に対戦したのは同大。毎年相性の悪い相手だったが接戦をものにし、有終の美を飾った。

EQ4A9648-300x200 難敵・同大に勝利。栗栖主将率いる関大男ハンに幕
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今季絶好調の奥川魁仁(経3)の連続ゴールで開始直後から主導権をにぎる。その後、2点リードのまま試合は進み、均衡を破ったのが前半20分。途中出場のセンター・金津亜門(社2)が持ち味の俊敏さを生かし相手ディフェンスを崩す。栗栖昇己主将(文4)と金津がパスを回すと、そこからボールを受け取った池原大貴(社1)が10点目を獲得。GK廣上永遠(文2)やディフェンス陣の好守もあり波に乗ると、福原佑哉(人3)の2連続得点で点差を開くことに成功する。その後は両GKの固守が光る展開となり、3点差で前半を終えた。

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△奥川
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△金津
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△池原
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△廣上
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△福原

予断を許さない後半戦。序盤は栗栖主将や小島魁人(人4)ら4年生が点を奪う。ここで点差をつけたい関大に、福原が負傷するハプニングが起こる。まさかの事態となったが、代わりに出場した川人龍之介(経2)が躍動。交代直後から5点差となるゴールを決めると、続いてもう1点を奪いベンチを沸かせる。その後復帰した福原も難なくシュートを決め、流れを確固たるものにした。

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△栗栖
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△小島
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△川人
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△福原
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残り時間10分でリードは4点。相手も逆転を狙い必死になる中、関大は落ち着いていた。相手のパスをカットし、速攻から福原がゴールへと押し込む。松園翔太(商4)や小島、池原らのディフェンスも衰えない。2年生の高橋知也(経2)や金津が追加点を奪い、最後は主将・栗栖が最後の得点を挙げる。その足で向かった先はコート横の応援席。共に戦い、見守り続けていたベンチ外の選手とハイタッチを交わした。その後相手に1点を許したものの、点差は7点と勝利には十分だった。ブザーが鳴り響き、様々な感情が交差する。栗栖主将ら4年生率いる関大男ハンの戦いが、幕を閉じた瞬間だった。

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△左から、福原、小島、松園
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△高橋
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△金津
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△栗栖

思うような1年間ではなかった。入学時から主力として活躍し続けた栗栖主将がトップに立ち、昨年のリーグ優勝校ということも相まってその期待は高まった。だが、春季リーグ戦、西日本インカレと中止が相次ぎ、練習さえできない日々が続いた。この代替試合も、本来のリーグ戦から規模を縮小しての開催。それでも、コート上には変わらぬ関大男ハンの姿があった。「同期にも後輩にも本当に恵まれた1年だった。悔しいのはもちろんだが、それよりも終わったときに後輩が泣いてくれたり、『楽しかった』と言ってくれたりしたことが、僕の中では理想の形で満足。その後悔がなくなるぐらいうれしかった」と、栗栖主将は涙ながらに語った。1年前には誰も予想していなかったラスト。しかし、今日を迎えた4年生のその表情は、達成感と感謝に満ち溢れていた。【文:中西愛/写真:中西愛、牧野文音】

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▽中川監督

「よく頑張ったと思う。ディフェンスが機能して速攻で点を取れたことが大きい。遅攻でミスもあったが、それもカバーできるぐらい昨日からディフェンスが良かった。後半も継続してできた。何よりも相手が同志社で、どちらも全力で戦っているゲームを最後にできたということが良かった。4年生が泣いているのはさておき、下級生が試合に出てない部員も含めて泣いていた。もっと4年生とやりたかった、もっとこのチームでやりたかった、と。試合に勝つことよりも、そういう風に思われることが人間ずっと大事だと思う。それが、4年生がしっかりやってきた証拠。(4年生について)腐りもせずによく頑張ってくれた。栗栖が主将だったから、最後にこういう風なゲームができて、最後に下級生が泣けるようなチームになれたのではないか。こんな状況の中でチームをしっかりまとめてやってくれた4回生のおかげ。これからもどんどん部は続いていくが、この代はよく頑張ったと胸を張って言える。(次の代に向けて)今、下級生で試合に出ている選手はたくさんいる。その選手たちが、全国大会が開催されずに引退した4年生の思いも引き継いでやってほしい」

▽栗栖主将

「最後だから、しっかり楽しみながら勝ちを目指そうという話をした。それが、昨日今日と体現できた。昨日のいい流れを今日も持ってこれて、序盤から点が取れたので良かった。同志社のディフェンスは昔からあたってくるイメージだったので、それを4年間みんなより経験した中で意識していた。(ハーフタイムではどんな話を?)最後なので細かい話はせずに、全員で切り替えて、という気持ち的な話をした。それがいい方向に向いて、最後しっかり点差を離すことにつながった。(金津について)ああいう立体的なディフェンスのときに、俊敏性に長けている亜門とかはプラスワンの要素になる。前日に健さん(植中健登コーチ)とかと話して、出番があるだろうと。去年もそれがはまっていた。(今年1年を振り返って)1年間とは言っても、数カ月しか練習できないような環境だった。でも他の部活の中には、公式戦をせずに引退を迎えた人もいた。それを考えれば、練習をさせてくれた宇惠先生(宇惠勝也顧問)や中川監督、健さんに感謝しているし、こうやって最後をいい形で終われたのも、同期はもちろん後輩がしっかり支えてくれたことがうれしかった。同期にも後輩にも本当に恵まれた1年だった。悔しいのはもちろんだが、それよりも終わったときに後輩が泣いてくれたり、『楽しかった』と言ってくれたりしたことが、僕の中では理想の形で満足。その後悔がなくなるぐらいうれしかった。(後輩に向けて)後輩が大好きで。支えられたし、この後輩じゃなかったらこんな終わり方はできなかった」

▽谷雄太副主将(経4)

「勝利で終わることができて本当に良かった。大阪経済大学戦での負けを引きずることだけは、避けたかった。あと、最後の試合が終わったときに、後輩たちが想像以上に泣いてくれてびっくりした。別に自分のことを想って泣いてくれたとは言わないが、それでもここまで頑張ってきて良かったと思えた。正直、引退した実感が湧かない。それぐらいハンドボールをすることが当たり前だった。でも、思い出してみると、ハンドボールのおかげでいろいろな人と出会えたことは本当に嬉しい。(後輩について)1、2回生に関しては、真面目で努力できる人が多くて何も心配することがないし、3回生に関しては個人的に独特な雰囲気があって魅力的な代だと感じている。きっと最上級生としての自覚を持ったときには、いい先輩としてチームを引っ張ってくれると信じている。同じポジションの永遠(廣上永遠)に関しては、技術的な面では本当に頼りになった。あいつは、自分が止めるべきシーンとディフェンスに任せるべきシーンをはっきりと区別できるようになると日本一のキーパーになれると思っている。チームの要という自覚を持って活躍してほしいし、その活躍ぶりをなんらかの形でこれからも見ていきたい。(同期について)自分たちの代は本当に個性的で我が強いやつの集まりだと思う。でも、どの代よりも自分たちの代が一番大好きだし、同期を誇りに思う」

▽荒木渉太郎主務(経4)

「終始関大のペースで関大らしい試合展開をできたと思う。最後勝って終われてよかった。あとは、自分のシュートが入ってたらなお良かったかなと思う。大経大に負けてモチベーションが下がった中でも、最後の2日間は最高の試合ができたと思う。(マネージャーから選手に転向してみてどうだったか)2年間のブランクがあり、納得のいくプレーができなかった。でも、やはりハンドボールは楽しいということを改めて感じた。4回生になり、栗栖に選手に戻りたいと相談したら快く受け入れてくれて、感謝しかない。(4年間を振り返って)マネージャーとして過ごした日々の方が多かったが、人に何かをして感謝されること、人助けの楽しみを学んだと思う。マネージャーをやれたことは自分の経験にすごくプラスなことだったと思う。(後輩たちに向けて)すごく期待をしている。良いメンバーが揃っているし、また優勝を狙えると僕は思っている。引退しても後輩の活躍は確認したいと思う。澪椰がんばれ!(同期に向けて)ありがとう。この言葉しかない。特に栗栖とは、主将・主務としてやってきて、最後の1年頑張ろうと意気込んでいた矢先、こういうことになってしまったが、気持ちを切らすことなくチームを引っ張ってくれたことにすごく感謝している。この代の主務をやれたこと誇りに思う」

▽松園

「終始リードしてゲームを進めることができたのは、展開的にも気持ち的にも良かったし、盛り上がるところは盛り上がって最後まで全員が良い雰囲気で戦うことができていたところは、関大らしさが光っていたと思う。ただ、ミスをした後に失点をしてしまうところは、今大会を通して最後まで課題が残り、悔やまれるところだったので、後輩たちには徹底してほしいと思った。(昨年けがをして、これまでやってきて大変だったことやどう過ごしたか)早期復帰のためにリハビリ、ウエイトトレーニングに多くの時間を割いてきたが、競技レベルをけが前の状態に戻すことはこの1年では難しく、かなわなかった。それでも、今の状態でできる最高のパフォーマンスをするために、自分なりに頭を使って取り組むことができたことは、大変ながらにも楽しかった。(ハンドボール人生を振り返って)僕はラッキーだと思う。無名の高校で大した成績も残せなかった僕を拾ってくれた先生たちには感謝でしかない。本当にこの4年間はどの場面を振り返っても思い出しかないし、とても時間が去るのは早いなと思いました。僕たちが下回生の時に上回生に感じた『尊敬』『勇士』『カッコ良さ』を、今の後輩たちがどの様に受け止めて感じてくれたかは分からないが、同じ気持ちになってくれていたらうれしいし、きっと良いチームになってくれると信じている。先輩にも後輩にも恵まれて、自分がコート上で引退を迎えることができたことは一生の思い出だし、関大で良かったと思える最高の瞬間だった。(後輩に向けて)能力は間違いなく高いし、優勝も狙えるメンバーが揃っていると思う。ただ、能力だけでは戦えないのも事実で、チームとしてのまとまりも大事だし、ハンドボール以外の面でも頑張らないといけないと思う。新チームは試合経験が浅いのではじめのうちは緊張もするし、ミスが多く起こるのは当たり前だと思う。でも、そういう経験をはじめのうちから経験しているのといないのでは雲泥の差がある。だから、ミスをたくさんしてそこから学んでいけばいい。大切なことは思い切りのよさだと思う。引退しても後輩達の活躍を気にしつつ、どういう成長をしてくれるのかを楽しみにしたい。(同期に向けて)この10人で本当に良かった。この4年間頑張ってこれたのは同期といる時間が楽しかったからだと思う。個人的には、競技面では互いに高め合える良いパートナーだと思って取り組んできた。そのおかげで、4年間で大きく成長できたと実感している。プライベートでも同期と過ごす時間が大半で、辛い時は支えてもらい、楽しむ時はとことん楽しめたことは部活とプライベートを区別するための良い切り替えにもなった。言いたいことはたくさんあるし、思い出もたくさんあるので間接的に伝えることは難しいが、一言で表すとしたら『大好き』です」

▽小島

「今日の試合は個人的に調子が上がらない状況の中、下級生を中心に僕たち最上級生を助けてくれるような試合展開で、関大らしい全員ハンドで勝利することができたと思う。振り返ってみれば辛いことや苦しいこと、難しい出来事など様々な経験があったけれど、総じてハンドボールを続けてきて良かった。また、素晴らしい同期、先輩、後輩のいる関大でハンドボールができたことを誇りに思う。(後輩に向けて)どんなことがあっても自分の意見をしっかり持って取り組んでほしい。何よりも自分で考えていく力は必要。それは関大のハンド部で多く養える場面がある。僕が得意じゃなかった、人の意見を多く取り入れる姿勢も、素直な後輩たちならできるはず!(同期に向けて)今まで本当にありがとう。いろいろ迷惑かけてごめんなさい。同期は最高におもしろい!これからは別々の道となるけれど、お互い頑張りましょう!」

▽小橋

「試合開始で泣いてしまった。さみしい気持ちが1番。でも、いろいろやってくれたので、お疲れ様ですと言いたい。(今後について)不安ばかり。試合の経験があまりできていない。試合もすぐあってチームを作れるのかという心配もあるが、試合ができること自体に感謝して、先輩が作ってくれたものを無駄にせず積み上げ、精進していきたい。まずは雰囲気からチームを作りたい。負けていても逆転できる雰囲気を出せるチームを。そこに加えて、先輩がつくってくれたものを無駄にせずに、先輩を超えていけるようなチームを作っていけたら」

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