◇令和2年度関西学生秋季リーグ戦第2節◇対京大2回戦◇9月13日◇皇子山球場◇
京大 000 100 000=1
関大 010 420 30X=10
(京)池田、徳田、岩本、手塚、牧野―長野
(関)定本、桃尾、古西―久保田拓、有馬
1(中)安藤
2(三)久保田有
3(一)上神
4(遊)野口
5(捕)久保田拓
6(二)坂之下
7(右)吉川
8(左)小河
9(投)定本
完璧に投打がかみ合った。前日に行われた京大との開幕戦を制し迎えた2回戦、4回裏にビッグイニングを作り主導権を握ると、その後も追加点で突き放し、2連勝を飾った。

主将の一打から試合は動きだした。2回裏、先頭の久保田拓真(社3)が痛烈な左前打で出塁すると、続く坂之下晴人(人3)の犠打で得点圏に進む。この日最初のチャンスで、打席に立ったのは吉川周佑主将(経4)。「序盤に先制点がほしかったので、自分の力で取りたかった」と、外角のストレートを捉えた打球は左翼線への二塁適時打となり、先制に成功する。




4回表、先発・定本拓真(文2)がソロ本塁打を打たれ、試合は振り出しに。だが、奮闘する若手右腕に、野手陣はホームラン返しで答えた。1死走者なしから、坂之下が中前打で塁に出ると、続く吉川、小河が連続で死球を受け1死満塁の好機を迎える。9番定本が内野ゴロとなり2死満塁となった中、打席が回ってきたのは安藤大一郎(経3)。カウント2-0から捉えた打球は、ぐんぐん伸び、皇子山のライトスタンドに吸い込まれた。「ストレート一本に絞って、力を抜いて強い打球を意識。それがホームランにつながった。入るとは思わなかったが、全力でダッシュして結果入ったのですごく嬉しかった」と、初のグランドスラムの味をかみ締めた。







切り込み隊長の勝ち越し満塁本塁打で4点を獲得したが、それで満足する打線ではない。5回、4番・野口智哉(人3)の中前二塁打から、久保田拓、坂之下、小河がつなぎ2点を追加。さらに7回には、ルーキーからベテランまで様々な選手が存在感を発揮。2死2塁から小河が2打席連続となる適時打を放ち、2塁走者の濵田大輔(経4)が帰還。さらに代打・中井颯良(そら=政策1)が冷静に四球を選ぶと、安藤がこの日5打点目を挙げる右越適時打で、代走・奥村起力士(きおひと=情3)をホームへと返す。そして、久保田有哉(情3)が猛打賞となる一打でダメ押しの1点を獲得し、京大を大きく突き放した。








先発の定本は、7回を投げて4安打7奪三振と、失点はホームランの1点のみ。自身大学初勝利を挙げた。「勝率制で絶対に負けられないので、少しでもチームの勢いになるよう自分のできることを精一杯しようと思って投げた。立ち上がりからあまり調子が良くなかったが、その中でも修正して抑えられたのはとてもいい収穫になった」と、コメント。さらに、「追い付かれた後にすぐ勝ち越してくれたことは、ピッチングの励みにとてもなった。そこから開き直って、自信を持って投げれるようになったので、野手陣には感謝しきれない」と、猛打の野手陣に対し脱帽した。 定本が降板後の8,9回は桃尾岳宜(情3)、古西祥真(文1)と、有馬諒(商1)のリーグ初出場バッテリーが0で締め、 投手陣も最少失点でチームの勝利に貢献した。




初グランドスラム、初勝利、初出場と、初物づくしで快勝を収めた関大。開幕2戦で層の厚さを存分に見せつける好スタートを切った。「いい形でこの節連勝できたので、この勢いのまま同大でも攻めの気持ちで相手を倒したい」と吉川主将。悲願の全国制覇へ、大きく1歩を踏み出した。【文/写真:中西愛】

▼早瀬万豊監督
「オープン戦のときから後半勝負、後半を取った点をものにできるか、それを課題にしていた。昨日に引き続き今日も後半いい形で点が取れたので、次の同志社戦につなげたい。(安藤の満塁本塁打について)足を痛めて出遅れていて、少し練習不足が気になっていた。オープン戦で打席を見て、まだ上がってきていない感じはしていたが、意外性があって、今日みたいなホームランを打ってくれた。これまではアウトになる内容があまり良くなかったが、これからさらにアウトになる内容が上がってくると思う。足があって、意外性もある、難しい球を上手に打つことができる選手。使い続けたい。(上神について)オープン戦での状態が非常に良かっただけに、焦りもあるかもしれない。ただ、そんなに心配はしていない。他の選手がよくやってくれているので、上神の状態、野口の状態がもっと良くなれば、つながりができるという期待感が募っている。(有馬について)非常に存在感を見せてくれている。もし久保田にけがなど何かあれば、有馬でいく腹積もりをしているので、1回ここで試合に出したかった。バッティングが入ってきたときから非常に良くなった。これから期待したい選手。久保田の状態がいいので、まず、ゲームの中で視野を広く持って見れているところが彼のキャッチャーらしいいいところ。実戦の中で存在感が出せるキャッチャー。すでに選手からの信頼感も出てきている。今後が楽しみ。久保田の刺激に間違いなくなっていて、成長につながっている」
▼吉川主将
「今日もアップのときから雰囲気が良くて、試合でも相手に流れを与えず攻めることができたので良かった。序盤に先制点がほしかったので、自分の力で取りたかった。打ったのは外角のストレート。自分の前に拓真(久保田拓真)と晴人(坂之下晴人)がつないでくれたので、点を取れたことは本当にうれしかった。打線がつながったことといろんな人が出ることができたことは良かった。その人たちにとっていい経験ができたと思う。反省点は、試合途中、守備での間のフライの声掛け。いい形でこの節連勝できたので、この勢いのまま同大でも攻めの気持ちで相手を倒したい」
▼安藤
「2ボールだったので、ストレート一本に絞って力を抜いて強い打球を意識した。それがホームランにつながったので良かった。入るとは思わなかったが、打った瞬間、全力でダッシュして結果入ったのですごく嬉しかった。あまり満塁は意識していなかった。リーグ戦で初めてホームランを打ったので、気持ち良かった。高校の時も合わせて、ホームランを公式戦で打ったのは初で、満塁ホームランは人生初。(どのような選手を目指しているか?)僕は1番バッターなので、塁に出ることを1番に意識して、ヒットを重ねて打ちたい」
▼定本
「今秋は今までとは違って勝率制で絶対に負けられないので、少しでもチームの勢いになるように自分のできることを精一杯しようと思って投げた。立ち上がりからあまり調子が良くなかったので、次は立ち上がりから万全にして挑みたい。その中でも修正して抑えられたのはとてもいい収穫になった。次は投げ急がないことを意識して頑張りたい。(野手陣について)先制点を取ってくれて少しは楽になったけど、すぐ追いつかれて自分の中では結構焦った。それでも自分は粘ることしかできないし、打ってくれることを祈っていた。追い付かれた後にすぐ勝ち越してくれたことは、ピッチングの励みにとてもなった。そこから開き直って、自信を持って投げれるようになったので、野手陣には感謝しきれない。(初勝利投手について)昨秋はなかなか勝ちを挙げられず、悔しい思いをした。その分、今年は絶対に2戦目先発を勝ち取るということを目標にやってきたので、まずはそれを達成できた。プラスでやっと初勝利も挙げることができたのでとても嬉しかった。現状に満足せずに、一試合一試合を大切にして、価値を積み重ねていきたい」
▼有馬
「点差もかなり開いていて、先輩たちも、『楽しんでいけ』と送り出してくださったので、楽しんでゲームに入ることはできた。(皇子山球場について)昨日久しぶりに入ってみて、いい球場だなと改めて感じた。自分の力も存分に発揮できたと思うので、ここは思い出深い場所。(木製バットについて)最初は打球が飛ばず、試合に出てもヒットは中々打てなかったが、自粛期間の間に筋力トレーニングや木製バットで練習したりした結果、自粛が明けてから対応できるようになった。ヒットが打てるようになり、最近のオープン戦では長打も打てるようになった。(久保田拓について)体の大きさや強さ、バッティングでの打球の速さは、プレーを見ていてもすごく差を感じる。まだリーグ戦の途中だが、この先さらにレベルアップしていかないといけない。久保田さんとの差を埋めるためには、まずは体づくり。体重を増加させるところから始めていきたい」
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