◇2020春季関西学生リーグ第3節◇対関学大◇7月11日◇王子スタジアム◇
【第1Q】関大7-0関学大
【第2Q】関大7-3関学大
【第3Q】関大0-3関学大
【試合終了】関大14-6関学大
※雷鳴のため、第3Q残り2:21で試合は途中終了。終了時のスコアで上回った関大の勝利。
春季リーグ最終節は、甲子園ボウル最多優勝を誇る強豪ファイターズとの関関戦。秋季シーズンに向けはずみをつけるためにも、負けられない一戦となった。試合は雷鳴により第3Q途中で終了となったが、コロナ禍で制限のある中でも日本一に向け着々と練習を重ねた関大が2つのタッチダウン(TD)を奪い、勝利を収めた。

太陽の光がさんさんと降り注ぎ、ゴールドのヘルメットを照らす。昨秋はコロナ禍のためトーナメント式のリーグ戦となり、関学大との対戦がかなわなかった。立ち向かうどころか戦うことさえできない苦しさ。現在も依然として新型コロナウイルスは猛威を振るうが、緊急事態宣言下を乗り越え、今春リーグ最後の一戦、関学大戦を迎えた。昨年の悔しさは今日晴らす。関大のキックオフで熱戦が幕を開けた。
関学大の最初の攻撃を抑え込むと、関大はRB前川真司(経4)やRB柳井竜太朗(社3)のランプレーで前進。しかし、得点には至らず、立ち上がりは両者一進一退の攻防を見せた。試合が動いたのは第1Q中盤の時間帯。関学大のパントキックをLB前野貴一(経3)がブロックし、DL木下翔太(政策3)がエンドゾーンにボールを運んでTD。先制点は関大が挙げてみせた。K小川悠太(経4)がゴールを決め7点獲得。OL岩本士主将(商4)は「キッキングに力を入れていた。試合の試合のモメントを変えるのはキックだというところに僕らはフォーカスしていた」と振り返った。相手の隙を突く、集中したプレーでチームに勢いを与えた。





対する関学大もジリジリと陣地を詰めていき、第2Q開始直後にはフィールドゴールで3点を返す。その後も猛攻を浴びたが、DB須川宗真(政策2)がパスカットやタックルで進行を止め、反撃を許さない。自陣深くで攻撃権を得た関大だったが、OL岩本のリードブロックでRB前川のランプレーが生き、勢いを落とさず前進。QB濱口真行(法3)も自ら中央を突破し、次々とファーストダウンを更新していった。ランプレー以外でも、WR増南繁哉(経3)へのパスが成功。さらに、WR澁谷大地(環境3)へのロングパス成功で得点の機運も高まった。そして第2Q11分、RB柳井がQB濱口のパスを受け、関大2つ目のTDを決めた。「99㍎ドライブでタッチダウンにつなげれた、これは大きな収穫であった」とOL岩本主将。トライフォーポイントも獲得し、7点追加で関学大相手に10点以上のリードを奪った。






レシーブからの後半。相手にパスを取られ危うい場面もあったが、なんとかしのぐ。両者譲らない展開が続いたが、ジリジリと陣地を広げた関学大がフィールドゴールで3点を追加。しかし、その次の関大の攻撃では1年生QBの須田啓太(文1)のWR増南への秀逸なパスが成功し、見せ場をつくる。ホールディングで後退しながらも陣を進めたが、追加点とはならず。第3Q残り2分21秒で雷鳴により試合終了となった。




9年ぶりの関学大撃破にもかかわらず、岩本主将はじめ、関大の選手たちは喜ぶ姿を見せない。「(途中終了は)勝ちとして捉えられない」と主将。しかしながら、オフェンス、ディフェンス、キッキングどの場面においても、今試合で得た収穫がある。夏にさらなる力を蓄え、コロナ禍にも負けず、ジャイアントキリングの続きは今秋成し遂げる。【文:勝部真穂/写真:遠藤菜美香】
▼磯和雅敏監督
「今日は本当にチーム一丸となって、結果云々よりも勝ちにこだわっていこうと話していた。途中で終わったが、結果的に勝てたのは非常に良かったと思ってます。ただ、選手も我々もフラストレーションが溜まるというか、やはり心の底から喜べる勝利ではない。この勝利は秋に持ち越されたというふうに考えている。本当に今日勝った負けたかというのは、秋再度、勝負をして決着をつけたいと考えている。(2012年の春以来の関関戦勝利だが)回数で言えば我々の方が勝っている回数が少ないと思うが、ただやっぱり選手がかわっていますし、毎年毎年勝利を目指して、その中で今年勝てたということは希望の持てるシーズンになるのではないかと思う。ただ、この先この夏もどういう風な練習ができるかというのもわからないですし、ライバルとなるような京都や滋賀や兵庫の大学というのはこの夏もきちんと合宿ができると思うが、我々(大阪の大学)この先合宿等できるかどうかもまだわからない状況。一人一人が高いモラルを持って差を広げられないように頑張って練習しないといけないなというふうに考えている。(1つ目のTDに関して)去年は誰が見ても関大はディフェンスのチーム。今年に関してはディフェンス、オフェンス、キッキングのチームというわけではなくて、それぞれが3分の1ずつ活躍できるような試合をしたいというふうに考えていた。今日はたまたまディフェンス、キッキングからのビッグプレーが生まれたので、それはそれで非常に良かったかなと思っている。(2つ目のTDに関して)あれはもう我々もそうですし、選手にとって、春とはいえ関西学院さんから99㍎ドライブでTD取れたというのは非常に自信になったと思う。今後はその自信にあぐらをかくことなく、これからも頑張って秋にも再度同じことをできればうれしい。(1年生のQB須田選手について)本当は当初から前半はQB濱口くん、後半は須田くんでという予定で話をしていた。後半2Q分を須田くんでいって経験を積ませたかったが、それが予定より半分になってしまった。また、今日が最終戦なので秋まで試合ができない。ちょっとそこは残念。ただ、須田くん自体は1年生だが、1年生らしからぬ能力とプレーをするのでこの秋にも非常に期待している選手ではある。ロングパスも決めてくれたので、この秋もどんどん決めてくれればというふうに考えている。(今年のチームについて)ディフェンスの選手はディフェンスのチームをつくるぞというモチベーションでやっているし、オフェンスの選手はオフェンスのチームをつくるんだ、キッキングの選手はキッキングで勝利をつかみとるんだという気持ちでやっているので、それぞれが切磋琢磨しながら、結果的に3分の1くらい試合で勝利に貢献できるというようなチームになるのが一番いいのかなと。オフェンス、ディフェンスどちらに偏るのでもなく、それぞれのカテゴリーが3分の1ずつ頑張るのがいいかとは思っている。(春の総括)実際、春のシーズンが始まってまだ全員で練習ができていない。緊急事態宣言の自粛で練習ができないか、練習が再開されても30人という制限付き、そのあと30人から50人になって、マックス50人でしか練習をしたことがないので、本当に思ったことの練習はできていない。ただ、選手にはどういう状況であっても秋試合があるし、我々がそのような状態で、他の大学がそういう条件でなくても試合の勝敗に一切関係がないので、どういう状況でどういう練習環境であろうが、一切言い訳をせずに秋戦って日本一を取りたいというふうに、口が酸っぱくなるくらい選手に話をしている。(今後の展開について)夏に関しては、まん延防止等で合宿ができる場合とできない場合で練習の方法が変わってくるので現時点ではなんとも言えないが、やはり去年も合宿ができていないし、秋の試合も3試合だけということで、下級生の試合経験や、例年と比べてのミーティング量が不足している。下級生を上げながら3年生4年生も伸ばしていかないといけない。非常に難しいシーズンになると思うが、いろいろなコーチと話し合いながら、それぞれが高いモラルを持って練習できるように頑張っていきたいと思っている」

▼OL岩本主将
「オフェンスに関しては99㍎ドライブでタッチダウンに繋げれた、これは大きな収穫であったと考えているが、さすがにこの結果(途中終了)では勝ちとしてとらえられない、素直に喜べない気持ちが大半を占めている。この夏、秋に向けての取り組みで、今回反省も多かったので、その反省を徹底的につぶして、秋には関学大をもっと圧倒できるようにチーム作りをしていきたい。(9年ぶりの勝利だが)素直に喜べないというところが大半を占めていて、ただ、オフェンスとしては関学さんのディフェンスを圧倒できた点は収穫だったと思う。喜ぶべき点は喜んで、反省すべき点は反省してさらにいいチームにしたい。(はじめの得点はディフェンスからつなげたTDであったが)長年関大は、キックの関大と呼ばれていて、キッキングに力を入れていた。試合の試合のモメントを変えるのはキックだというところに僕らはフォーカスしていた。今年のキックリーダーも、キックの関大という伝統を取り戻すために取り組んできた部分でもあったので、そう言った面ではキックで結果を出せたということは、僕らにとって大きな収穫だった。(RB柳井選手のTDを振り返って)やはり99㍎ドライブというのはなかなかできない経験だったので、実際にオフェンスの選手たちも喜びでいっぱいだった。(コロナ禍で思うような練習がで気なかったと思うが、実際に関学大と対戦してみて)当たり負けしてるという感じは全くなくて、逆に圧倒できた部分、押し勝てた部分が多かったので自粛期間の(トレーニングの)おかげだったのかなと思っている。(秋に向けて夏どうしていくか)今回でも分かったが、やはりキックで流れを変えることができるのが、チームとしても一番大きいので、キックの関大というところをもっと高めて行くために、キックに磨きをかけていくととともに、オフェンスディフェンスでそれぞれ反省点もあったと思うので、関学さんを秋にはゼロ点で完封できて、僕たちの目標としている5TDを取って、35点以上の大差をつけて圧勝する、そして日本一になる、これを達成するためにODK全てを磨いていきたい」
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