令和3年度関西六大学連盟春季リーグ第5節◇対関学大2回戦◇4月16日◇わかさスタジアム京都◇
関学200 000 010=3
関大110 030 00Ⅹ=5
(関)山下、松尾、東原―谷村
(学)水、池端―岡田
1(遊)東條
2(中)加藤
3(三)今井
4(指)鈴木
5(一)西本
6(捕)谷村
7(右)吉田
8(左)諸木
9(二)小玉
昨日は白熱した戦いを繰り広げ、接戦を見事勝利で収めた。だが、依然として負けは許されない状況は続き、迎えたリーグ最終戦。連投となった山下皓司(化生2)が初回に2失点を許すが、その後は立て直し、好投を見せる。打撃陣の奮起や、続く松尾尚矢(経2)と東原大樹(環都4)の継投もうまくはまり、逆転勝ちとなった。
リーグ最終戦のこの場面で先発を任されたのは、昨日7回を投げ切った山下だ。大一番での登板にチームからの期待も高まる。だが、先頭打者を右飛に打ち取るが、続く打者に左前のヒットを許す。そして、四球を与えた後、中越えの適時三塁打から2点を失う。苦しい立ち上がりとなった。

なんとか打撃で援護したい関大。東條光希主将(安全4)が初球を捉え出塁するも、続く加藤陽也(人2)の打席で封殺となる。だが、今井怜央(人3)が中前のヒットを放つと、その間に加藤が一気に本塁へ生還。好走塁を見せ、点差を縮めた。




初回に失点を喫するが、山下は落ち着いた投球で相手にチャンスを与えない。そして2回裏、吉田凌馬(人3)が四球で出塁すると、諸木大高(社3)が豪快なスイングで適時二塁打を放つ。苦しい状況から立て直し、同点に追いつくことに成功した。



3回では、安打こそ許すものの、守備の連係でうまく守り切る。一死三塁の場面では、三ゴロからホームでタッチアウト。後続も完璧に抑え、4回からは松尾に代わる。死球で出塁させた打者に盗塁を許し、無死二塁の場面。相手打者が犠打を試みるも、キャッチャーへの飛球となる。捕球した谷村駿也(人3)がすぐさま二塁へ送球し、飛び出した走者を刺殺。谷村の好プレーが光った。


3、4回は両者無得点。だが、5回で一気にゲームは動く。関大の攻撃、二死の場面で加藤が二塁打を放つと、今井が右前への適時打を放ち勝ち越し。続く鈴木成大(安全4)と西本有希(情3)が四球で出塁すると、谷村が左前への2点適時打を放つ。谷村の攻守に渡る活躍で、リードを3点に広げた。





この調子で勝利を手にしたい関大だったが、8回に昨秋王者の意地を見せられる。好投を続けていた松尾だが、先頭打者が味方の失策で出塁すると、続く打者に安打を放たれ、無死一、二塁のピンチとなる。この場面で東原に代わるが、1人目の打者には四球を与えてしまい、無死満塁。勝利まで目前のところで窮地に立たされた。

緊張が走る正念場。ここで対峙(たいじ)する打者は昨日に本塁打を放った橋本だ。だが、初球を三ゴロに抑え、ホームで三塁走者を封殺。続く打者には中前の安打から1点を許すが、右飛と三振で後続を断つ。最少失点でリードを守り抜いた。そして、9回も危なげなく打者を打ち取る。関学大戦で大きな2連勝を飾った。





ここまで同じ大学に2連勝を果たせなかった今大会。だが、負けたら終わりのこの状況で意地を見せつけた。今日の結果で関大は2位に浮上。延期となった、同大と立命大の結果次第ではあるが、次への望みをつないだ。「プレーオフになった場合は一発勝負で負けられない」と東條主将。昨秋王者を倒した自信を胸に、東條準硬はさらなる高みを目指す。【文:宮本晃希/写真:宮本晃希・荒川拓輝】
▼東條主将
「昨日勝って、今日も負けられない状況だったんですけど、いつも通りやっていこうと言っていた。最後なので、負けても仕方ないと開き直って楽しく試合をした。昨日の勝ちで勢いには乗ったけど、この春のリーグの悪い癖だった、1勝してから1敗するところが気になっていた。でも、今日は入りからいつも違う雰囲気で臨めたのでよかった。初球でヒットを出せて、自分の中でも今日はいけるかなと思った。今まで初回に点数が入ることはあまりなくて、今日の試合は早い段階で追いつくことができた。気持ち的に余裕ができて、その後の展開を進められたと思う。(5回の場面で)自分がけん制を刺されて、普通だったらあそこで途切れてしまうけど、加藤や今井といった、下級生が頑張ってくれて、ツーアウトから点が取れたのはとても大きかった。春リーグを通して2桁安打はあまりなかったので、この2試合で、バッター陣が最後の試合だからというのもあったかもしれないが、思い切りよくできていたのかなと思う。山下はたぶん投手人生初めての連投だと思うので、ちょっと心配していたけど、しっかり2失点でまとめてくれて、松尾も抑えてくれた。下級生には本当に感謝しかない。東原もこのリーグからピッチャーをやり始めたけど、度胸が据わっているというか、最少失点で抑えられるというのはいい選手だと思うので、次の試合でも頑張ってほしい。最終戦に関しては、下級生に助けられてきた分、4年生がという思いがあったので、そういう面では東原であったり、他の4年生も意地を見せてくれたと思う。(7回先頭打者の打球が三遊間に飛びましたが)相手は右バッターで引っ張り気味で三遊間を締め気味に守っていた。あの時はたまたまグローブに入って、運もついていたと思う。(次の打者には)飛び込んだ時は取れると思ったけど取れなかった。自分が飛び込んでアウトにできていたら流れも変わっていたかなと思う。次の試合では1歩目を大事にしていきたい。(9回での失策は)常々、先頭バッターが大事だと皆に話していて、ああいう所でしっかりアウトを取れるチームが強いと思うので、次の試合ではもっと意識してやっていきたいと思う。(最後の打者では難しい打球が飛んできましたが)飛んできた時は嫌な打球で焦った。グローブを出すしかなかったので前に出したら、捕った時にボールが入っていたので、勘がうまく働いてよかった。自分たちは立同戦の結果次第ではあるけど、プレーオフになった場合は一発勝負で負けられないので、今日細かいミスがあったので、そこを練習で突き詰めていきたい」
▼谷村
「負けたら4年生が引退確定というところで、なんとか勝つことができてよかったという気持ちが一番。ローゲームの中で、1点が貴重になってくるときにそこで1本打てたのは良かった。ベンチからも声をかけてもらって嬉しかった。関関戦ということもあって、いつもより盛り上がっていた。(連投の山下の調子は)良くはないという感じだったけど、変化球もきっちりカウントを取ってくれてすごく頑張って試合を作ってくれたので自分も頑張ろうと思えた。松尾はランナーを出す場面もあったけど、変化球で打たせて取る投球ができてよかった。(8回満塁の場面では)相手が橋本選手ということもあったけど、東原さんがいいボールを投げてくれたので、しっかり抑えられた。打ち気な感じが見えたので、緩いボールをひっかけさせることを意識した。(二死の場面、カウント2-2でストレートではなく、変化球を選んだのは)最初ストレートのサインを出したけど、2人前のバッターに同じ状況でスライダーを投げてライト前ヒットを打たれた。それが残っていてスライダー勝負はどうかなと思った。でも、東原さんが真っ直ぐのサインに首を振って、スライダーを投げると言ったので、僕も自信を持ってスライダーのサインに出すことができた。(今後に向けて)課題としてはキャッチャーとして盗塁をかなりされたリーグだったので、今日は2つ刺せたけど、チームをいい流れに持っていくために練習して次の試合に挑みたい」
▼諸木
「2連勝が最低条件だった中で、しっかり2連勝できたのはほっとしているし、4回生のためにと思って戦えた。プレッシャーはあったけど、やるしかなかったので、関学を倒してやるという気持ちで試合に入れていて、いい雰囲気で戦えた。山下が2連投という中で、2失点はあったけど、2回の表はいいリズムで抑えてくれたので、前の吉田が出て帰ってきてくれたから、自分だけの結果じゃないと思うし、早めに追いつくことができたのはチームとしても良い結果になったと思う。(2本目の安打は変化球にうまく合わせられたか)相手はスライダーがいいと聞いていたので、初球は空振りしてしまったんですけどうまく対応できた。(守備の時の声かけは)自分は声が通る方で、ピッチャーがしんどい場面だったので、ピッチャーに楽になって欲しいと思って声かけをしていた。(代走で交代したとき)なんとか先頭で出て、次の小玉がバントで送ってくれた。代走で出た4回生の山田さんはいつも可愛がってくれていたので思わず気持ちが出てしまった。リーグ戦を通して、チームの中で期待されているとは感じていたし、今日もその中で、タイムリーも打つことができた。先頭でも打つことができたし、そこでチームに貢献することができたと思う。下級生が頑張ってくれていて、3回生が多く出ている試合なので、後輩を助けてあげたいという気持ちは持っていたし、援護することができたとも思う。チーム状況は東條さんがキャプテンになってから今が一番よくなっていると思う。立命と同志社の結果待ちだけど、気を緩めることなく、練習に励みたい」
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