◇木下カンセープレゼンツサマーカップ2025フィギュアスケート競技会3日目◇8月11日◇木下カンセーアイスアリーナ
[シニア女子SP]
34位 木下咲良(文4) 36.32
39位 田邊理緒(人1) 32.99
[シニア男子FS]
5位 片伊勢武アミン(法4) 136.30
9位 朝賀俊太朗(文2) 120.66
16位 樋口温之(安全1) 100.41
[シニア男子総合]
5位 片伊勢 214.78
9位 朝賀 188.79
16位 樋口 153.65
真夏の氷上の戦いも3日目。午前にはシニア女子のショートプログラム(SP)、午後からはシニア男子のフリースケーティング(FS)が行われた。シニア女子には2名が出場。FS進出には届かなかったものの、美しいスケーティングを見せた。シニア男子ではSPを通過した3名が迫真の演技を披露する。片伊勢がFSでも5位に入り、総合5位入賞を果たした。

この日のトップバッターを飾ったのは、4年生の木下。柔らかい音色とともに滑り始める。序盤のジャンプは転倒や回転が抜けてしまう場面も。それでも最後には幅のあるダブルアクセルを決める。ステップシークエンスでは思いのこもった美しいスケーティングを披露。『With You』の儚い世界観を表現し、最後までしなやかに舞った。

整氷を挟み、第4グループには田邊が登場。冒頭の3回転サルコー+2回転トーループを着氷させる。続く2つのジャンプは転倒してしまったが、フライングシットスピンではレベル4を獲得。『Sparkling Diamonds』の華やかでアップテンポな曲調に合わせ、最後まで笑顔で滑り切った。

午後からはシニア男子のFSがスタート。最初に登場したのは樋口だ。『レ・ミゼラブル』の力強い音に合わせて滑り始める。最初の3回転ルッツ+2回転トーループをきれいに着氷。続く2つのジャンプではややバランスを崩してしまったが、後半のジャンプは全て降り立つ。終盤には雄大な音楽に合わせた渾身(こんしん)のステップシークエンスを見せ、観客を魅了した。

第3グループにはSP11位の朝賀が登場した。冒頭のジャンプは、今大会から組み込んだ4回転トーループ。惜しくも転倒してしまったが、会場中から大きな拍手と声援が飛び交った。全身を大きく使い、指先まで美しいスケーティングで『トゥーランドット』の音色に乗っていく。続いてトリプルアクセルに挑んだが、結果は転倒。それでも直後の3回転ルッツ+シングルオイラー+3回転サルコーを決める。体力が厳しくなる終盤には、大声援を背に力強いコレオシークエンスを披露。気迫の演技で順位を2つ上げ、総合9位に食い込んだ。

今大会の関大勢ラストを飾るのは片伊勢。優しく穏やかな音色が流れ始めると、ゆっくりと両手を広げて演技を始めた。冒頭のトリプルアクセルで転倒してしまうも、直後のトリプルアクセル+2回転トーループを着氷させる。技術点が1.1倍になる演技後半には3回転ルッツ+ダブルアクセル+ダブルアクセルのコンビネーションジャンプを美しく降りた。『Bring Him Home』の調べに乗り、伸びやかで気品あふれるスケーティングを披露。さらに全てのスピンでレベル4を獲得し、総合5位に輝いた。

シーズン序盤ながら、渾身(こんしん)の演技を見せた5名。この先には全大阪、そして近畿ブロックが控えている。全ては追い求める演技を実現させるために。日々積み重ねた努力の結晶を、氷上で輝かせる。【文:中吉由奈、中山桜希/写真:中吉由奈】
▼木下
「(演技を振り返って)最近の練習では調子を上げられていたので、ノーミスをしたいなという気持ちがすごく強かったです。本番はあまり練習でしないミスばかりだったので、それは悔しかったんですけど、自分の得意な表現とかはしっかりできたんじゃないかなと思います。(SPのテーマ)曲自体は映画の『Ghost』のミュージカル版の曲で結構寂しい感じなんですけど、そういう悲しい気持ちばかりじゃなくて、感謝の気持ちとかスケートの思い出に対しての気持ちを乗せながら滑れたらいいなと思っています。(ラストシーズンの目標)エレメンツを安定させるのはもちろんなんですけど、やっぱり自分が得意なのが表現なので。そこを極めて、見ている人にも記憶に残るようなプログラムにしていきたいなと思います。(次に向けて)ノーミスしてみんなを泣かせます!(笑)」
▼田邊
「(演技を振り返って)いつも練習しているリンクと氷が違うと気にしてしまうタイプなので、6分間練習で調整しきれなかったかなと思います。公式戦は2、3試合目で選手権に上がってすぐなのと、公式戦慣れがまだかなという感じでした。(シニアに上がった理由)昨年上がったんですけど、雰囲気とか人数とかプログラムもジュニアと選手権はもう完全に違うなと感じていました。昨年から上がった理由もそれなんですけど、自分がこの環境に慣れるのに4年いるかなと思ったので、そのまま選手権に上がりました。(今シーズンの目標)選手権に上がって2年目であと3年あるというのは、先輩方と比べたらまだ心に余裕が持てると思うので、今は選手権の環境にいられることを楽しむことから始めたいなと思います。ずっと中四国の方にいたので、大阪の試合とか関西の選手とか初めて会う方も多いので、その環境に慣れることを頑張りたいと思います。(次に向けて)まだ今シーズンが始まってジャンプを揃えられてないので、ジャンプを揃えることを頑張りたいです。でもジャンプだけにならないように、また見たいと思ってもらえるような演技ができたらいいなと思います」
▼樋口
「(演技を振り返って)6分間練習の時からちょっと調子が良くなくて。正直どうなるのかなとは思っていたんですけど、しっかり集中して決めるべきところは決められたのかなと思います。(ステップシークエンスで意識していること)シニアに初めて上がるということで、やっぱりジュニアと違ってたくさんスケーティングはうまい選手がいると思うので、そこをやっていかないと全日本にはつながらないかなと思っています。地道なスケーティングの練習に重きを置いて、ジャンプというよりは、どちらかというとスピンとかをシーズンオフの時は重点的にやっていました。(FSのテーマ)僕自身すごくミュージカルが好きで、『レ・ミゼラブル』も本当に一番好きなくらいの作品で。見ている人にストーリーというか、感情とかを伝えられるようにしています。(収穫と課題)調子が悪い中でここまではできるんだというのを確認できたことと、スケーティングの面も少しは戦えるようになっているのかなというところはちょっと手ごたえを感じています。逆に悪いところはいっぱいありすぎてなんですけど、やっぱりジャンプが前半の3本を今日は決め切れなかったので、そこをしっかり決めたいです。スピンとかステップも多分レベルの取りこぼしがすごく多いと思うので、そこをしっかりと取り切れるようにしたいです。(次に向けて)次は全大阪なんですけど、朝賀俊太朗選手がいるので、もう朝賀俊太朗に勝つぞの勢いでやりたいです(笑)その先には近畿と西日本があると思うので、西に合わせて、どっちもノーミスで気持ちよく全日本に行けるように調整していきたいと思います」
▼朝賀
「(演技を振り返って)今大会の目標でも4回転の成功というのがあって、6分間練習で本当は決めたかったのですが、ちょっと周りの圧と緊張感と自分の中で高まりすぎた部分があったので、うまくはまらなかったです。本番もそういうものがあった中で失敗になったんですけど、それでもチャレンジしたということに変わりはないので、そこは今後の自信につながるのかなと思っています。(演技を終えた後には倒れ込んだ)不完全燃焼ではあったので、悔しい部分と、もっとできたらなという思いもあって。それプラスで一番は体力がなかったなと感じていました。それで倒れ込んだんですけど、ここから作り上げたいと思います。(今大会を振り返って)この時期の大会は数少なくて、どうやってピークを合わせるかという難しい中ではあったんですけど、そんな中で6練では4回転トーループを成功できました。本番ではうまくはまらなかったんですけど、近畿に向けては本当にいい試合にはなったと思うので、その点は良かったです。(FSの選曲について)曲は僕から提案して。トゥーランドットはこれまでいろんな選手がオリンピックシーズンで使ってきた曲で、その気持ちを受け継ぎたいというのは勝手ながらに思っていたので選びました。(収穫と課題)一番の課題は体力で、全大阪までの2週間でつくものではないので、ここから全日本に向けてそこはつけていこうと思います。今回4回転を初めて公式大会で入れたので、そこは自分の中で次につながるものにはなったのかなと思います」
▼片伊勢
「(演技を振り返って)とりあえず最後まで滑りきることができて良かったんですけど、内容は自分からしてもかなり低いものになってしまったので、もっと頑張らないとなという気持ちが一番あります。(FSについて)この曲はこの振り付け師の方に勧めていただいて作りました。ショートとは違う、同じくきれいな曲調ではあるんですけど、もっと芯の強さだったり力強さみたいなものを後半になるにつれて出していきたいとずっと思っています。ショートと違う衣装も含めて世界観を表現できたらなと思ってます。(FSの衣装について)あまり今まで着たことのない衣装だったので、すごく新鮮ですし、似合っていたらうれしいです。プログラムの世界観の1つとして衣装を見ていただけたらうれしいなと思います。(振り付けを担当した鈴木明子さんから伝えられたこと)きれいに滑ってほしいというのが一番です。曲調もすごく美しい感じの曲なので、演技も自分の技術もすべて揃って美しいプログラムができ上がったらいいなと思います。(ミュージカルや映画を見たことは)それはなくて、でも見ないといけないなとは感じているので。追い追いちゃんと見ようとは思います(笑)(最終グループでの滑走だった)大会が始まる前は最終グループになれるとは思っていなかったです。でも初戦で上手な選手たちと同じように練習をして本番を迎えられたというのはすごく貴重な経験だったと思いますし、今後も頑張っていきたいなと思いました。(収穫と課題)ショートはジャンプの安定感がすごく出てきたかなとは思っていて。でもやっぱりフリーになるとジャンプの本数も多いですし長いので、プログラムの中でジャンプを全て飛んでまとめるということが、なかなかできていないなと思いました。(次に向けて)ショートはさらに磨きをかけて、特にフリーをきちんと近畿ブロックではまとめた形で披露できるようにしたいなと思います」
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