◇令和7年度関西学生春季リーグ戦第4節◇対関学大1回戦◇5月5日◇ほっともっとフィールド神戸
関学大 011 101 031=8
関 大 100 100 011=4
(学)飯田、坂本-畠山
(関)荒谷、曽我部、羽藤、山下陣、百合澤-小村、大橋、高垣
1(中)渡邊
2(右)余河
3(左)中村莞
4(二)下井田
5(三)森内
6(遊)山田
7(一)小谷
8(捕)小村
9(投)荒谷
伝統の一戦は、大応援の後押しもあり、両チーム計26安打を放つ打撃戦となった。関大は先制に成功するも、3回に逆転を許す。その後は随所で得点を奪うも、点差を縮めることはできず、1回戦は敗戦となった。
たくさんの観客が訪れた関関戦。試合前には、両校のチアリーダーによるショーが行われた。HELIOSがきらめく笑顔で球場を彩り、始球式も行われ、いよいよ試合が始まる。関大の先発マウンドに上がったのは、前節の同大戦で3連投の荒谷紘匡(法4)。初回は安打を浴びながらも無失点に抑える。その裏、先頭の渡邊貫太(経3)が左翼線二塁打を放ち、好機を演出。続く余河航太(法3)が初球で犠打を決めると、3番・中村莞爾(安全3)の内野ゴロの間に先制に成功する。しかし、2回に2死から三塁打を打たれ、次打者に左適時打を浴びて同点に。3回には、絶対的なコントロールが武器の荒谷らしくないストレートの四球で先頭に出塁を許す。犠打と進塁打で三塁まで進められると、相手4番に左適時打を浴び、逆転されてしまった。早くも曽我部僚太郎(政策4)と山下陣平(人4)がブルペンに向かい、ベンチも慌ただしくなる。


4回も荒谷は先頭に出塁を許し、相手先発投手に適時打を浴びて2点差に。苦しいエースを援護したい打線はその裏、2死からこの日4番に座った下井田悠人(はると=経4)が右中間二塁打で出塁。続く森内大奈(情3)が持ち前の勝負強さを発揮し、右方向へ適時二塁打を放つ。1点差とし、5回からは曽我部がマウンドへ。不運な形で安打を許しピンチを招くも、最後は三振に斬って取った。しかし6回に3連打を浴びて1点を奪われる。なおもピンチは続いたが、複数失点は許さず、2点差に留めた。その裏、先頭の余河が意表を突くバントヒットで出塁し、中村莞が送って得点圏に走者を置く。この好機を4、5番で返したかったが、快音は響かず、無得点で終えた。

2点差で迎えた終盤。曽我部は4イニング目となる8回の先頭に安打を許すと3番手・羽藤翼(商2)にマウンドを譲る。しかし、四球と安打で満塁とし無念の降板。無死満塁で4番手・山下陣がマウンドへ。捕手も大橋岳斗(文2)代え、命運を委ねる。しかし適時打と2個の押し出し四球で3点を失った。その裏、先頭打者のところで代打・鹿熊大誠(情4)を起用。見事に左前へはじき返し、反撃の口火を切る。続く渡邊、余河も連打で続き、無死満塁でクリーンアップへ。中村莞は一飛に倒れたものの、下井田が右適時打を放ち、1点を返す。しかし、続く森内、山田悠平(商4)は凡退し、複数得点とはならなかった。

9回は百合澤飛(たか=人4)がボークで1点を失い、再び点差を離される。一矢報いたい最終回の攻撃は、1死から代打・金森洸喜(法2)が死球で出塁。続く代打・笠井康生(法3)も四球で1死一、二塁に。ここでリードオフマン・渡邊に打席が回る。1本出したいところだったが、相手の鋭い変化球にバットが止まらず、三振となった。続く余河も、初球から低めの変化球に手が出てしまう。それでも、「(打席の)前に立って、浮いてきたスライダーをたたこう」と、打席の立ち位置を変え、左適時打を放った。しかし、この1点止まりでゲームセット。関関戦第1ラウンドは敗戦となってしまった。

大応援の中行われた伝統の一戦。声援を受け、2桁安打と打線が機能したものの、失点が重なってしまった。このままでは終われない関大ナイン。宿敵・関学大に一矢報いて、まずは3回戦まで望みをつなげたい。そして今季初の勝ち点奪取へ。野球部、応援団が一丸となって勝利を目指す。【文:櫻田真宙/写真:水井陽菜、櫻田真宙】
▼下井田
「(きょうは4番に打順が変わったが、心境の変化は)大学に入ってからは初めての4番にはなるんですけど、高校時代から4番の経験はあったので。あまり考えていないタイプなので、『あ、4番になったな』くらいの感じでした。(4回に二塁打を打ってチャンスメーク)前の節でいい打球が飛んでも取られることが多くて、今回も打った瞬間の感覚は良かったんですけど、取られるかなとかいろいろ考えながら走っていて。でも落ちて長打になるなと思った時は久しぶりの長打だったので、うれしかったです。(8回は代打・鹿熊から連打で回ってきた)僕の前に莞爾(=中村)が打席に立っていて、あいつも多分3番を打つのが初めてで。無死満塁で、連打の流れ時にあいつが打席に立って。『別にミスをしてもいいから、凡打にしてもいいから思い切り打ってこいよ』みたいな感じで話していて。さすがにあいつが凡退になった時は打たなあかんなと思いました。どんな形でもいいから抜けてくれたらいいなと思って、ヒットになったので良かったです。(手応えは)あまり良くはなかったんですけど、飛んだコースがちょうどセカンドとファーストの間だったので、抜けたかなと思って。抜けた瞬間はうれしかったです。(あすへの意気込み)もうさすがにこれ以上負けられないので。自分が活躍できたらそれが一番いいですけど。とりあえずチームの勝ちを一番の目標にして泥くさく、なんとか勝てるように頑張ります」
▼余河
「(スタメン起用だったが試合前の心境は)2日前くらいにスタメンと言われたので、心の準備と体の準備をしっかりとできたと思います。試合の前の準備からしっかりと精神統一ができたので良かったです。(3安打の活躍)球種を絞っていこうとチーム内で共有していました。いい感じにアプローチができていた中で出た安打だったので良かったと思います。(最終回は空振り後に打席の立ち位置を変えて、適時打を放った) 打席に入る前に、監督からスライダーを見逃してゾーンを上げろと言われてたんですけど、それでも振ってしまって。それやったら前に立って、浮いてきたスライダーを前でたたこうというイメージで意識しました。(大応援を受けて)関学大も関大もすごい応援でテンションが上がりました。(あすに向けて)しっかりとみんなで準備をして勝てるように頑張っていきたいと思います」
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