◇令和7年度関西地区大学一次予選トーナメント大会◇1回戦◇対京大◇5月3日◇関西大学高槻キャンパス第3グラウンド
関 大 000 100 000 3=4
京 大 100 000 000 0=1
(関)山﨑-中野
(京)川北-近藤
1(指)山﨑
2(中)佐竹
3(三)橋本
4(右)木下
5(一)今村
6(遊)福榮
7(捕)中野
8(左)松田
9(二)永村
先発 山﨑
春季リーグを4位で終え、全国大会出場を懸けた関西地区大学一次予選トーナメント大会に進んだ関大準硬。初戦は京滋六大学連盟に所属する京大と相まみえた。初回に1点を失うも4回に中野寛都(人4)の適時二塁打で同点に追いつく。その後は両投手の好投が光り、膠着(こうちゃく)した展開に。延長10回のタイブレークに突入し、山﨑大輔(商3)が中越適時三塁打を放つ。裏は山﨑が0点で抑え、激戦に終止符。見事トーナメント初戦を突破した。

勢いをつけたい初回の攻撃。山﨑が四球で出塁するが、後続が併殺打に倒れ得点とはならず。その裏マウンドを任されたのは、先発の柱として活躍する山﨑。先頭打者を三振に抑えるも、続く打者に左前安打で出塁を許す。「地に足がついていないような感じだった」。力みから球も浮き、2者連続の四球で1死満塁のピンチに。5番打者に左適時打を打たれ、先制点を献上。後続を斬り最少失点で抑えたものの、悔しさが残る立ち上がりとなった。

走者を出しながらも得点が動かないまま迎えた4回表。先頭の4番・木下立清(りゅうせい=人4)が左二塁打で好機を演出する。今村優真主将(経4)の犠打などで2死三塁となり、打席に入るのは1打席目で安打を放った中野寛都(人4)だ。4球目を振り抜くと、打球は右翼方向へ。右適時二塁打で同点に追いつき、ベンチや観客席からは大きな歓声が響いた。

5回にも再びチャンスが訪れる。1死から山﨑が左安打を打ち、佐竹俊哉(情3)も四球を見極めて出塁。さらに相手の暴投で1死二、三塁の絶好機を迎える。勢いのままに追加点を挙げたいところだったが、橋本昂来(安全4)は遊ゴロに。この間に2人の走者が走塁死し、好機を生かすことはできなかった。
やや重苦しい空気が流れる5回裏。これまで三者凡退の好投を見せていた山﨑だが、2死から四球を与えてしまう。さらに中安打で走者は得点圏に。しかし相手3番打者を空三振に斬り、無失点で切り抜けた。
両チーム先発投手の好投が光り、膠着(こうちゃく)状態のまま試合は延長戦に突入。10回からは無死一、二塁に走者を置いた状態で始まるタイブレークが行われる。なんとしても点がほしい表の攻撃は1番・山﨑から。2ストライクと追い込まれた5球目、打球は中堅手の頭を越える。「めちゃくちゃうれしかった」と山﨑。勝ち越しとなる2点適時三塁打にベンチ、観客席からも大きな歓声が。さらに橋本の犠飛で山﨑が生還。3点を追加し、一気に差を突き放した。裏は9イニングを投げてきた山﨑がそのまま登板。最初から2人の走者を背負う中、威力のある球で2者連続で三振に斬る。最後は二遊間を抜けかけた打球に福榮陸(経2)が飛びつき、二塁タッチアウト。153球完投、魂の投球で初戦突破を決めた。


3時間を超える激戦を制し、2回戦へと進んだ関大。中盤には暗雲も立ち込めたが、ベンチからのポジティブな声も飛び交い、流れを引き寄せた。しかし、関西地区トーナメントはまだ始まったばかり。再び全日の舞台へたどり着くべく、一戦必勝であすも戦う。【文:中吉由奈/写真:水井陽菜】
▼今村主将
「(勝った今の率直な心境)ほっとしたというか、とりあえず良かったなというのが今の感想です。(試合前の声かけ)ここから3連戦で続くんですけど、今まで通り一試合一試合1歩ずつ進んでいこうと試合の前には言っていました。(試合を振り返って)初回に先制点を取られて、4回にやっと追いついたんですけど、そこからも相手のピッチャーにのらりくらりと抑えられて、自分たちのやりたかった攻撃は何1つできなかった試合なのかなと思います。(あすに向けて)ここからは本当に負けたら引退なので、後悔しない1打席だったり、後悔しない1球というのを特に4年がチームに浸透させたいです。チーム全体の雰囲気として、応援してくれるメンバーも含めて全員で1勝ずつ取っていきたいなと思います」
▼山﨑
「(勝った今の率直な心境)まだ明日以降も4年生たちと野球ができるというのが純粋にうれしいです。(自身の投球を振り返って)初回に一番だめな形で点を取られてしまって。自分の中で焦っていた部分もあったんですけど、2回以降は修正できたので、その部分では良かったかなと思います。(勝ち越し打の打席を振り返って)タイブレークということもあって、今村さんから『バントで行く』と言われていました。正直『バントしたことないって』とずっと思っていて、2球連続でミスってしまって。正直焦っていたし、やばいと思っていましたけど、切り替えて併殺打だけはないように。最悪三振してもいいやというくらいの気持ちで打ったら、あの結果になって良かったです。(打った時の心境)最初は(中堅手を)越えると思っていなくて、そうしたらスリーベースだったのでめっちゃうれしかったです。(あすに向けて)トーナメントなので一戦必勝で残りの試合も全力で立ち向かっていって、絶対に全日に出場したいので頑張ります」
▼中野
「(勝った今の率直な心境)チームにも結構緊張感があって、接戦の中で1勝を取れたというのは、これからの試合にもつながる形で良かったかなと思います。(リーグ最終戦から1カ月経って、チームでどんな準備をして臨んだか)勝負強さというところと、流れを持ってくるというのはすごく意識してきて、練習の中でもプレッシャーをかけたり、その中で結果を出せるような練習をしてきました。(3安打の活躍を振り返って)結構大事なところでちゃんと打てたので、自分のスイングをして自分らしい打球が打てたというのはすごく収穫かなと思います。(捕手としても山﨑をリード。10回に3点リードで守備に入った際にかけた言葉は)山﨑はきょう調子が悪かったんですけど、『自分に自信を持って僕を信じて投げろ』みたいな感じで言いました。2人でちゃんと試合を抑えれたのは良かったなと思います。(あすに向けて)あすも(安打を)3本以上打ってチームに流れを持っていきたいと思います」
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