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「音」と「スポーツ」

「音」と「スポーツ」

新型コロナウイルスの流行で、この世界は一変した。当たり前にできていたことが当たり前ではなくなった。スポーツに関して言えば、多くの試合が中止や延期となっている。私がテレビで観戦することを楽しみにしていた世界フィギュアスケート選手権大会も、見ることがかなわなかった。選抜高校野球大会の中止については、前回大会、母校の応援で吹奏楽部OGとして甲子園まで行っただけに衝撃は大きい。そして何より、大学スポーツの大会すべてが中止や延期となったことで、カンスポとしての活動がほとんどできない状況が続いている。

緊急事態宣言が解除され、最近では無観客で試合を行う競技も出てきた。各競技のファンが直接会場で観戦できない今、メディアが伝える情報の重要度がますます高まっている。そして、伝え方に関しても変化がある。

あるプロ野球リーグ戦の実況解説の最中には、打球音やミットにボールが収まる音だけを聴かせ、アナウンサーは声を発しない場面があった。いつものように会場に多くの観客がいれば、歓声によってあまり聴こえることのなかった「音」。あえてそれに注目することで、無観客試合ならではの試合実況をしたのだ。

その様子を見てはっとした。私は高校まで、多くの楽器に触れ、音楽と共に生きてきた。しかし、いつの間にか「音」に気を使うことが少なくなっている。今自分が担当している競技の中には、アイススケートや、弓道などの弓を使う競技、馬術もある。少し耳を傾ければ、スケート靴のブレードで氷を削る「音」、矢を射る「音」、馬の息づかいや駆ける「音」など、多くの「音」に気付く。それらに注目することで、直接会場で試合を見るときの楽しみになり、またさまざまな視点で試合を見ることで、よりよい記事が書ける。この発見をしてから、取材に行くことが楽しみになった。

目に映る景色だけを信じていると気付かないものがある。一度、目を閉じて耳をすましてみたらどうだろうか。そうすることで、見慣れた空間からも、新しい発見がもたらされるかもしれない。【森本明日香】

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1 件のコメント

comments user
ほまべつかや

感動しました。
自分も一度立ち止まって、目を閉じて新たな発見を探してみようと思いました。
ありがとう。

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