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『カンスポを引っ張る存在へ』今年の2月、学年スローガンとして決まった言葉だ。ただ、「カンスポを引っ張る存在」とは何なのか、このコラムを書いている私はなれたのだろうか。カンスポでの2年間を振り返ると同時に考えたいと思う。

1年生:「守」

「カンスポを引っ張る存在」。これが3年生のことを表しているのだと仮定しよう。それでは、1、2年生はどのような存在なのだろうか。この段落では1年生について考えてみよう。カンスポに出会って間もないころは、先輩から教えてもらったことを覚えていく。一眼レフカメラの使い方、試合時のツイートの方法を学び、学生記者としての知識を身につけていく。何度か取材に赴き、少しずつ土台ができる8月。新入生号外を作成する時期だ。ここで「Adobe Illustrator」を扱い、新聞編集にも生きる技術をものにする段階だと私は考えている。新入生号外を作り終えると、1年も残すところ、4カ月。9、11、12月と3回の新聞制作を行い、1年生も本格的に参加する。新聞における要素(順位表や大会名など)を作ったり、先輩が編集をしている姿を見ることで、学んでいくのだ。自信をつけた1年生が、一人で取材をするなど、日に日に成長を続けていく。こうして2年生への準備を進めるのだが、1年生の1年を一字で表すなら、守破離の「守」、「師の教えを忠実に守ること、つまり基本の段階」になるのではないだろうか。

2年生:「破」

2年生になると、かわいい1年生の先輩になると同時に、3年生の後輩という中間の学年になる。2年生になって変わることはそれだけではない。役割を持つようになることだ。私はこの1年、カメラ配当という役割を担っていた。簡単に言うと、各取材に使うカメラの配当を考える。単純に思えるかもしれないが、難しい点が1つあった。それが締め切りに間に合わせるということ。最低でも取材1週間前には完成させる必要があるのだが、取材や新聞編集の時期と重なると、あっという間に日時が過ぎていく。初めは、かなりぎりぎりになることも多かったが、私の意識が変わったのが6月ごろ。昨年、同じくカメラ配当の役割を担っていた村中望乃(政策3)の「企画とかも、全体に関わることだけど、カメラの方がもっと全体に関わる。後回しにしない」という言葉だ。私の課題点として、予定を立てず、がむしゃらに物事に取り組んでしまうことがある。カンスポでの活動において、それは絶対に避けなくてはならない。これを改善するために、私は優先順位をつけるということを行った。この方法に至ったのは、中吉由奈(文2)がアドバイスをくれたからだ。半年たった今でも欠かさず続けている。その成果もあり、締め切りより遅くなるということは少しは減ったと感じている。それでも、まだまだ時間にルーズな部分があるので、これからも意識して成長していきたい。こうして上半期が終わり、下半期も第323号の編集をもって終わったのだが、2年生としての1年を表すなら、「破」ではないだろうか。2年生になって1人3競技ほど班長競技を持つことになる。その競技の号外や選手の背中を後押しする試合告知、企画など、自分の熱量によって工夫の幅が一気に広がる。取材1つをとっても、一人で取材へ赴くことが増える。その中でより良い記事を書くことができるように試行錯誤したり、選手の魅力を引き出せるようなインタビューを考える。1年時と比べて、工夫して考えることが増えるという点で、守破離の「破」を体現する1年なのだろう。

3年生:「離」

ここからは3年生の1年について考えていこう。3年生で引退となるカンスポ。3年生が最高学年となるのは言うまでもない。すなわち、目標とする先輩がいなくなるということに近い。これを守破離の「離」と表現しているのだが、3年生の背中を見てきて感じたことがある。それはカンスポのため、班長競技のために熱量を注いでいるということだ。企画1つを取っても、班長競技への愛が伝わってくる。新聞製作時には、自分のことをこなしながらも、周りを見て考えて動く姿。今年の3年生の学年スローガンが『集大成』なのだが、まさに一人一人が集大成を見せていた1年だったと思う。

S__383401987-200x133 「カンスポを引っ張る存在」とは?
△[合気道部]第63回全国学生演武大会の開会式

結論、カンスポを引っ張る存在とは?

ここまで読んでいただいた皆さん本当にありがとうございました。ここまで長々とつづってきたが、私なりの考えを示して、コラムを締めようと思う。私が考える「カンスポを引っ張る存在」とは、カンスポを後輩へとつなぐ存在という意味だと結論づけた。1958年に創部し、今年で66年目を迎えるカンスポ。代々受け継がれてきて、ここまで続いているのだろう。先日、関大スポーツ第323号が発行されたが、カンスポが続く限り、新聞制作も続いていく。2137年の11月ごろには関大スポーツ第1000号が発行されているだろう。これからもカンスポの歴史を積み重ねていくには、次の2つが欠かせないと考える。1つ目にKAISERSになくてはならない存在であり続けること。カンスポでの成果は、競技のように結果に表れるわけではない。しかし、目に見えるものを考えるなら、選手の背中をどれだけ後押しできたかになるのではないだろうか。取材をする度に作成するWEB記事、プレイバック。選手を後押しできているかどうかは分からない。だが、継続することで選手の気持ちが0から0.1と少しでも後押しすることができれば、KAISERSになくてはならない存在になれるのではないだろうか。2つ目に、カンスポを築いていく後輩に残していくということだ。入部当初は、右も左も分からなかった。2年目が終わろうとしている中、個人として鍛えないといけないことが多いが、ここまで成長できたのは先輩たちの教えがあってこそだ。1年生よりも2年生よりも学生記者としての経験値がある最高学年。だからこそ、自分のことだけではなく、後輩たちに何か一つでも残して、これから先の時代へタスキをつなぐ。これこそが「カンスポを引っ張る存在」の本当の意味ではないだろうか。今年、1年を簡単に振り返るなら、1年生から学ぶことも多かったし、私にとっては師匠でもある、同期や先輩に支えてもらって成長できた年だと思う。「カンスポ」として活動できる時間は、あと1年。時間は限られているが、使い方次第でもっと成長できる可能性はある。班長競技は今年、持たせていただいたアーチェリー、合気道に加えて、射撃も持つことに。学生記者としてまだまだ未熟な部分もあるが、カンスポは一人では活動できない。頼れる後輩、尊敬できる同期たち、いつも感動を届けてくれるKAISERS。周りに支えてもらっているからこそ、今がある。これから3年目に突入するが、支えてもらっている感謝を忘れず、KAISERSを愛する学生記者として、一人でも多くの選手の背中を押せるようになりたい。そして、来年、カンスポを引退する時には自信をもってこう言えるように。「私はカンスポを引っ張る存在になれた」と。【木村遥太】

2024年、私のマイベストショット3

S__382787589_0-200x133 「カンスポを引っ張る存在」とは?
△[アーチェリー部女子]矢取り後、笑顔で写る。左から波部日葵(政策4)、仲田聖(社1)、山田梨乃(環都3)、佐竹稚奈(人4)
S__382787591_0-200x128 「カンスポを引っ張る存在」とは?
△[陸上競技部]有田茉合香(人3=左)から、タスキを受け取った伐栗夢七(法4)
S__380321797_0-200x133 「カンスポを引っ張る存在」とは?
△[合気道部]太田果那(法3=左)、上垣内裕介(環都3)ペア

1 件のコメント

comments user
カンスポ楽しみ人

カンスポ毎回楽しみにしています。
が、今年は、見落としの未発送、中身無し封筒など、重ねて発送不備が見受けられました。
応援している分残念な気持ちでなりません。
来年は、不備が減ることを願う気持ちで一杯です。取材の中身は楽しく読ませていただいていますが、手元に来ないとさみしいです。
来年からもがんばってください。

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