◇令和6年度関西学生野球春季リーグ戦第3節◇対立命大1回戦◇4月20日◇ほっともっとフィールド神戸◇
関 大 000 100 000=1
立命大 000 000 000=0
(関)金丸ー越川
(立)有馬ー加藤
1(中)渡邊
2(二)佐藤
3(右)藤原太
4(左)富山
5(遊)山田
6(一)小谷
7(三)森内
8(捕)越川
9(投)金丸
開幕節、2連敗で思うようなスタートとならなかった関大。立て直しが求められた中、立命大と相まみえた。試合は序盤、両投手の好投が光り速いテンポで試合が進む。均衡が破れたのは4回だ。関大が富山雄正(情4)の今季第1号で先制に成功する。投げては先発・金丸夢斗(文4)がその1点を守り切り完封勝利。逆転優勝に向け、新たな一歩を踏み出した。
先攻の関大は初回、リーグ戦初スタメンの渡邊貫太(経2)が四球で出塁。好機を見出すが、得点圏まで走者を進めることができない。2、3回にも四球、安打でそれぞれ出塁するものの、相手の好守にも阻まれ、無得点が続いた。
我慢の展開が続く中、関大のマウンドにはエース・金丸。初回を危なげなく3人で切り抜けると、3回には三者連続三振。圧巻の投球が続く。
開幕節から投手陣の踏ん張りが続くだけに、なんとか援護したい打線は4回。先頭の4番・富山が打席に入ると、初球を捉えた打球は高々と舞う。風にも押され白球はそのまま右翼スタンドへ。関大の頼れる主砲は右手を突き上げ、はにかんだ。
1点のリードをもらった金丸は、その後もテンポの良い投球を続ける。4回裏には中堅手・渡邊の好守もあるなど、バックにも助けられ、スコアボールに0を並べた。
膠着(こうちゃく)状態が続く中、援護したい打線は7回。1死から森内大奈(情2)が安打で出塁し、得点圏まで進むがあと一本が出ない。
気の抜けない展開が続く中、金丸は淡々と投げ抜く。6回以降、一人も出塁を許すことなく完璧な投球を見せた。
1点リードで迎えた最終回、マウンドには未だ2塁すら踏ませていない金丸。先頭の代打に対し、フルカウントまで粘られると、最後は左前に運ばれる。犠打でこの試合初めて得点圏に走者を背負うと、ここからもう一段ギアを上げた。2番打者を遊ゴロに仕留め、2死までこじつけると、最後はアウトコースへの速球が決まり見逃し三振。リードを守り切り、今季初白星をもたらした。
ロースコアに持ち込み、粘り抜いて勝利を積み重ねる。チーム結成時から追い求めてきた形で今季初白星をつかんだことは、選手たちに大きな自信を与えた。開幕から奮わなかった打線も徐々に捉えた打球が増えるなど調子は上がっている。まだまだ発展途上のチームだが、優勝への逆襲は歩みを始めた。まずはあすの2回戦で勝利し、ストレートで勝ち点を奪いにいく。【文:稲垣寛太/写真:島田采奈、稲垣寛太】
▼藤原太郎主将(法4)
「(連敗を喫した中でも、試合前からチームには明るい雰囲気が流れていた)前の試合から時間も空いて、うまくいく時は明るい雰囲気でできているんですけど、京大戦の時はそうではなかったので、どんな時もポジティブに声を掛け合っていい流れを持ってこれるようにという話はしました。(初回から相手の速球に振り負けない場面が見られた)迷わずに打席に立とうという話はしていてそれが実際にできたので、安打が出る出ない別にして相手が嫌がるような攻撃ができたかなと思います。(金丸の好投だけでなく、バックも好守で盛り立て全員で無得点に抑えた)金丸がすごく頼もしい投球をしてくれているので、野手も楽に一つ一つアウトを取れば、点を与えることはないという思いで守れるので、そういう思いで守っているからこそいいプレーが出るのかなと思います。(富山の本塁打をどう見ていた)打った瞬間は分からなかったですけど、風もあったので、徐々に入るんじゃないかなという期待を胸に、気を送りました。(次戦に向けて)あした勝たないと意味がないので、また気を引き締め直して。相手投手も変わって本気で勝ちに来ると思うので、そこに負けないように正々堂々と戦って勝ち点を取りたいと思います」
▼金丸
「(投球を振り返って)試合前から上位打線が特にいいというのは分かっていたので、しっかりと球数も使ってコースに投げ切るというところを意識していました。(前回登板から2週間の調整について)京大戦もそこまで調子は悪くなかったので、その調子をキープしようと思ってきょうに合わせました。(前回よりも失投も少なく、低めに球が集まっていた)低めにも集まっていましたし、わざと高めに投げて空振りをとる球も良かったので、それが無失点につながったかなと思います。(同期の富山の本塁打をベンチで見ていた)さすがって感じです。うれしかったです。(最終回には初めて得点圏に走者を背負ったが、雰囲気について)そんなに気負うことなく、自分の投球ができれば抑えられると思っていたので、もう一度集中し直して最後投げ切りました。(あしたの試合に向けて)あしたは先発予定の投手がいい投球をしてくれると思うので、それに野手陣も応えて点を取って、勝ち点を取れたらなと思います」
▼富山
「(本塁打の場面、どんな思いで打席に入った)1打席目も悪くなかったので、狙い球を絞って強く振ろうと、その思いだけでした。(打った瞬間の感覚と球種について)感覚は良かったです。球種はスライダーかなと思います。(全4打席、タイミングも合っていた印象)打ち損じがファールにならないのがもったいないなとは思いますけど、自分が狙った球に対してしっかりとスイングをかけれているので、調子は上がってきたなと思います。(今季初安打が貴重な一打となった)打率も上げたいなと思いますけど、短期決戦の中で走者がいない場面で単打を打つよりも、今自分に求められている打撃、長打を打てているのでいいことかなと思います。(ベンチでは人一倍声を上げて存在感を発揮)きょうは特に最終回はベンチに下がったので、全員で守り切ろうという声も掛けましたし、ベンチスタートの選手も声を出してくれているので、チーム全体としてもいい雰囲気になっているのかなと思います。(あすに向けて)本塁打にはあまりこだわらず、狙う場面では狙いたいですけど、その時その時で自分の打撃ができれば勝利につながると思うので、あした勝ち点取れるように頑張りたいです」
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