◇第96回日本学生氷上選手権大会フィギュア競技2日目◇1月6日◇ALSOKぐんまアイスアリーナ◇
[男子7、8級SP]
7位 木科 68.00
棄権 片伊勢
[女子7、8級SP]
11位 白岩 55.37
16位 鈴木な 48.29
25位 久保 38.65
インカレ2日目は男女7、8級のショートプログラム(SP)が行われた。男子は木科雄登(安全4)が出場し、7位で明日のフリースケーティング(FS)へ進出。女子は白岩優奈(文3)、鈴木なつ(人2)の2名がFS進出を決めた。
2日目のトップバッターは最後のインカレとなる木科。曲が流れると凛々しい眼差しで太鼓の音に合わせて滑り出す。冒頭のトリプルアクセルは転倒してしまったが、続く3回転フリップはきれいに着氷。「思い切って跳びに行った」という3回転ループ+3回転トーループは高さが出て、GOE(出来栄え点)の加点も。終盤はフラメンコ調の曲に合わせ、全身を使ったスピード感のある滑りを見せる。スピンも全てレベル4を獲得し、入賞圏内の7位につけた。
女子7、8級で最初に登場したのは久保智聖(人3)。「緊張していてジャンプを締め切れなかった」と3回転ループ、そして3回転サルコーは転倒してしまう。それでも集中を切らさずに滑り、最後のダブルアクセルはきれいに決めた。惜しくもFS進出はかなわなかったが、今季最後の試合でしっとりと美しいスケーティングを披露し、観客を惹きつけた。
第2グループには鈴木なが登場した。「全日本より緊張していた」という中でリンクイン。『River Flows in You』の優しいメロディーに合わせてたおやかに滑り出す。3回転ループやダブルアクセルをきれいに決め、軸の安定した美しいスピンを披露。3回転サルコー+2回転トーループのコンビネーションジャンプは回転が抜けてしまう。それでもスピードを落とさずに滑り切り、まとまった演技を見せた。
2日目のラストを飾った白岩は、全日本と同様に『Concertino Bianco』を披露。軽やかなピアノの音色とともに滑り出し、最初の3回転トーループ+2回転トーループをきれいに決めた。続くダブルアクセルも着氷させ、回転の速いスピンを見せる。最後の3回転ループを美しく降り立つと、会場中から大きな拍手が。最初で最後となるインカレのSPを、弾けるような笑顔で滑り切った。
明日はいよいよインカレ最終日。それぞれが持てる力を全て出し切り、ベストな演技を披露する。【文/写真:中吉由奈】
▼木科
「(全日本後の状態)やっぱり全日本が終わってほっとした部分もあって。全日本後から風邪をひいてしまって、年末は1回しか練習できていなくて年明けからの練習だったんですけど、あまり体力やジャンプの感覚も鈍らずにこの試合に合わせることができました。ひとまずSPが終わってほっとしたので、FSも最後まで滑り切りたいです。(演技を振り返って)最初のトリプルアクセルが6分間練習では1本決まっていたので跳びたかったんですけど、転倒という形になってしまって、悔しい結果にはなりました。でも、その後のジャンプは慎重になりすぎずに思い切って全力で跳びに行ったら結構いいのが跳べたので、そこのジャンプの出来には満足しています。(最後のインカレ)大学での4年間はあっという間でしたし、1年生の時のインカレがコロナで中止になってしまったので3回目の出場なんですけど、あまり実感が湧かないというか。笑顔で終われたらいい大学生活の締めくくりになるんじゃないかなと思います。(片伊勢武アミン(法2)が棄権)全日本が終わった後ぐらいに、ちょっと身体のけががあるので棄権させてほしいというのを聞きました。団体の順位も2人で出られたらもう少し上に行けたと思うのでちょっと悔しい部分ではあるんですけど、彼の身体が一番優先なので、しっかり治してまた来年頑張ってねというふうに声を掛けました。(明日への意気込み)明日は今季最後の試合でFSを滑るのも最後だと思うので、自分が今シーズンやってきた全てを出し切って笑顔で終わりたいなと思います」
▼久保
「(初めてのインカレ)初めてだけどみんなで団体部門で表彰してもらえるように頑張ろうと言っていたので、それしか考えていなかったです。リンクサイドでもみんなからいつも通り頑張れと言ってもらって(演技に)行きました。(演技を振り返って)ちょっと緊張してしまって最後まで(ジャンプを)締め切れなかったのが悔しいんですけど、実力不足ということかなと思います。(明日以降への意気込み)もしFSに進めたら今日の分もしっかりやり切って、みんなで表彰台を目指せるように頑張りたいと思います」
▼鈴木な
「(全日本後の状態)全日本が終わってから1週間は軽い調整ぐらいで滑って、年末年始2日ぐらいはしっかり休んで、インカレ直前からちょっとずつ上げて今回臨んでいます。(演技を振り返って)すごく緊張していたんですけど、でも最初のジャンプはしっかり決められました。3回転サルコーも練習ではしっかりはまってきてはいたので、失敗してしまったのがすごく悔しいし、もったいないなと思ったんですけど、全体を通してスピードを落とさずに滑れたので良かったかなと思います。(全日本とインカレどちらの方が緊張していたか)正直に言ったら今回の方が緊張しています。やっぱり大学の対抗で団体意識もあってメンバー3人で表彰も目指していたので、独特の緊張感というか、久しぶりな感じだったので緊張したかなと思います。(去年と今年では団体メンバーが大きく変わった)私以外2人とも違うメンバーで、優奈ちゃん(=白岩)は最初で最後のインカレで。去年は悔しい結果に終わってしまったので、今年はこのメンバーで団体での結果が出たらいいなと思って練習してきました。(明日への意気込み)今日失敗してしまったことを引きずらずに切り替えて、明日は滑り慣れているFSなので最後まで思い切って、悔いのないように滑れたらいいなと思います」
▼白岩
「(全日本後の状態)全日本まで負荷がきつめに練習していてその分休憩をしたいという思いが強かったので、3、4日休んでそこからスピンやステップを中心に練習してきました。(初めてのインカレ)これが最初で最後のインカレになると思うんですけど、大学生の中の一番大きな大会で大学代表として出るので、大学として良い成績を残したいなというのもあります。でも、リンクサイドで同じ大学の選手の方が応援してくださる特別な大会だと思うので、まずはその状況を楽しみたいなと思っています。(最後のインカレになる理由)仕組みがちょっと特殊で、出られるのが学連に登録するのが4回目までの選手で、私は今回で4回目なのでその関係で出られないです。(演技を振り返って)大きなミスなくまとめることができたので、とりあえずはいいかなと思っています。(全日本に続いてSPは『Concertino Bianco』だった)もうこのプログラムで滑るのも残りインカレと国体しかないというか。全日本までで『Concertino Bianco』を滑り込んだので、そのまま今シーズンを終えようかなと思って滑ることにしました。(今大会の目標と明日への意気込み)同じ大学の方が応援してくださるという特別な会場を楽しんで、大きなミスやけがなく滑り終えることが今大会の目標です。明日はとにかく滑り終えることを目標にして、難しいことはまだできないんですけど、今できる精一杯のことを出し切りたいなと思っています」
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