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◇2023秋季関西学生リーグDiv.1第7節◇対関学大◇11月26日◇於・万博記念競技場◇

【第1Q】関大0-3関学大
【第2Q】関大0-3関学大
【第3Q】関大13-0関学大
【第4Q】関大3-7関学大
【試合終了】関大16-13関学大

関大が絶対王者の牙城を打ち破った。関学大との直接対決、秋季リーグで前に勝利を収めたのは2010年。ここまで立ちはだかり続けてきた宿敵から13年ぶりに白星をあげた。これで今季のリーグ成績を6勝1敗とし、関学大、立命大と同率優勝。7度目の優勝を飾り、新たな歴史の1ページを切り拓いた。

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△勝利した瞬間、多くの選手がうれし涙を流した

勝てば3校同率優勝、負ければ3位で引退。まさに大一番となった一戦で、最初に流れをつかんだのは関大。DL宮本堯(たかし=政策3)のタックル、LB曽山天斗(経4)のQBサックが決まり、相手のオフェンスを封じる。直後のオフェンス、FG圏内まで進めるが、ここは枠をとらえることはできず、先制の好機を逃してしまう。先制点を挙げたのは関学大。3度立て続けにファーストダウンを奪われると、最後はフィールドゴール(FG)を決められ、3点の先行を許し第1(クオーター)Qを終える。

第2Q、まずはディフェンスチームが躍動する。前節でも大活躍のLB鈴木怜央(経4)が激しいタックルを見せ、簡単にゲインは許さない。反撃したい関大だったが、強力DL陣を擁する関学大の前に糸口を見出せず。ロースコアで試合が進む中、次にスコアを動かしたのは関学大。パスプレーを中心にゲインを許し、最後は再びFGを決められ0-6。じわりと差を突き放され前半を終える。

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△粘り強いディフェンスで流れを手繰り寄せた

関大のオフェンスから始まった後半戦。ファーストドライブ、QB須田啓太(文3)からWR横山智明主将(商4)へのパスが通るが、ファーストダウン獲得とはならない。P金森陽太朗(経3)が好パントキックを見せ、陣地を回復する。
 試合が動いたのは第3Q開始4分、関大のオフェンス。相手陣36㍎まで攻め込む。ここで関大がとった作戦はスペシャルプレー。QB武野公太郎(安全2)、WR横山からQB須田へとボールをピッチし、最後はフリーのWR岡本圭介(文3)へのパスが通りTD。逆転に成功する。
 こうなると流れは関大へ。直後のディフェンスでも関学大のギャンブルプレーに対して、LB鈴木がQBサック。ビックプレーが飛び出し、会場にも関大の勝利を期待する雰囲気が漂う。その思いに応えるかのように、再び関大に好機。QB須田からWR井川直紀(商4)へのパスで相手陣内に侵入すると、最後はQB須田からのパスをWR吉識立海 (社2)がつかみTDを奪った。

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△QB須田

第4Q、このまま逃げ切りたい関大。しかし絶対王者・関学大はこのままでは終わらせてくれない。続けざまにゲインを許すと、最後はランプレーでTD。同点に追いつかれてしまう。
 残り時間は7分少々。関大はパスを中心に攻撃を展開していく。QB須田からWR北川皓太(社4)へのパスが通るなど相手陣内47㍎付近まで侵入した。関大の選択はFG。キッカーは今シーズン、関西を代表する選手に成長を遂げたK中井慎之祐(法2)だ。「本当に緊張した」と振り返ったエースキッカー。緊張に打ち勝ち、決勝の47㍎FGを沈めた。
 残る時間は3分40秒。DB河村龍(法2)がプレッシャーをかけ、QBファンブルを誘う。ランプレーに対しても一丸となって守り、ゲインは許さない。関学大のフォースダウン、ギャンブルを仕掛けたが、DB吉田優太(文1)がパスカット。勝利を確定させた。最後はオフェンス陣が時間を使い、ウィニングフォーメーション。試合終了の笛が鳴ると同時に、多くの選手からうれし涙が流れた。

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△K中井

優勝カップを手にし、最高の瞬間を味わった選手たち。ただ、現実は無情だった。歓喜の瞬間からわずか14分。全日本選手権進出の切符をかけた抽選の結果、関大は3位相当に。甲子園ボウルへの道が閉ざされたと同時に、4年生の引退が決まった。ひたむきにアメフトと向かい合ってきた日々。その努力は間違っていなかったと勝利が証明してくれた。それでも悲願の日本一にはあと一歩足りなかった。届きそうで届かなかった夢舞台。物語の続きはまた次の世代に引き継がれた。【文:稲垣寛太/写真:稲垣寛太、早川莉央】

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△甲子園ボウルへの道が閉ざされ涙を流す選手たち

▼K中井
「複雑な気持ちです。関学大に勝てたのは一つ大きな収穫だと思うんですけど、甲子園ボウルへの道が途絶えてしまったというところがどうしても納得しきれない気持ちがあります。(関学大に秋リーグで勝つのは2010年以来)ディフェンスがすごく頑張ってくれて、オフェンスもTD取ってくれて、僕は最初流れをつかめていたのに1本外してしまいました。それでも周りが『お前ならいける』と言ってくれたので、そこで最後の47㍎のFGを決めることができました。周りのチームメイトのおかげだと思います。(決勝FGは春の関関戦を再現するかのような場面だった)周りから『お前ならいける』とずっと言われていたので、いつも通りいくだけと思っていて、周りのスペシャリストを信じて蹴りました。春経験していたんですけど、それ以上に緊張していて慣れていないなと思ったんですけど、入った瞬間ほっとしました。本当に緊張しました。(4年生に向けての思い)やっぱり一番感謝したいのは曽山さん(=LB曽山)。昨年のベストキッカーです。本当に練習前でも練習後でも僕のキックに付き添ってくれて、今僕のキックがあるのは曽山さんのおかげなので、次は曽山さんがいなくても決めきれるように、頑張っていかないといけないなと思います。

▼WR岡本
「関学大に勝てて心の底から嬉しかったけど、4年生が引退という形になってしまって悔しい気持ちの方が強いです。(関学大に秋リーグ勝利するのは2010年以来、勝利した瞬間は)夢のような瞬間でした。とてもうれしかったです。(理想的な試合運びだったが、オフェンスチームとして意識していたことは)一喜一憂せずにTD取っても冷静に、反則せずにというところを言い続けてプレーしていました。(逆転TDの場面を振り返って)ここでスペシャルプレー来るかと思ったんですけど、決めれて本当に良かったです。これまでのTDの中で一番気持ちいいTDでした。(抽選の結果、次のステージに駒を進めることはできなかった)今年引退する4年生の気持ちも先ほど引き継いだので、来年絶対甲子園行きます。(同じWRの横山、井川は関大一高時代からの先輩)6年間お世話になって、大学入ってからも細かいところまで全部教えてくださっていたので、正直とても寂しいです。(来年は同じく関大一高出身のQB須田とホットラインを築いていく)来年は甲子園に行くために、もっとコミュニケーションとって、練習もして頑張っていくので応援よろしくお願いします」

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