◇2023近畿フィギュアスケート選手権大会◇9月30日◇木下カンセーアイスアリーナ
[男子SP結果]
4位 片伊勢 72.76
7位 木科 64.12
[女子SP結果]
5位 白岩 50.92
6位 鈴木な 49.80
7位 木下 43.99
12位 久保 36.95
14位 滝野莉 35.15
年末の全日本選手権まで約2カ月。日本の頂点を争うチャンスをつかむため、近畿選手権が幕を開けた。滝野莉子(人4)、白岩優奈(文3)も復帰し、白岩は関大勢女子の中でトップとなるショートプログラム(SP)5位に。また男子では、今シーズンからシニアに転向したばかりの片伊勢武アミン(法2)が4位につけた。
トップバッターは木科雄登(安全4)だ。披露した曲は『Diablo Rojo』。冒頭のトリプルアクセルをはじめ、序盤のジャンプは回転不足となったが着氷させた。終盤はフラメンコ調の曲に合わせ、観客も手拍子で盛り上げる。7位となったが、スピンはレベル4を2つ獲得し、順位は全体の2位だった。
8月に行われたげんさんサマーカップで2位に輝くなど好調な片伊勢。「今シーズンからシニアに上がるので、今までとは違った大人っぽい魅力を出せるように」と『Adios Nonino』を選曲した。ピアノの音色に合わせ、ゆったりだが大胆に滑り出す。最初のトリプルアクセルはGOE(出来栄え点)で2.13点を加点。転倒もあったが、その後は大きなミスなく演技を終える。きれいさだけを意識するのではなく、悪い部分、強さ、荒さという違った一面も見せ、観客を魅了。ステップは、全体の首位になった。
関大から、女子は5人が出場。最初に登場したのは、久保智聖(人3)だ。ジャンプは回転不足が目立ったが、滑らかで繊細なスケーティングを披露。『The Rose』に合わせ、しっとりと指先まで美しく氷上を舞った。
多くのファンも駆けつけた白岩は、Aviciiの『Feeling Good』を選曲。リンクを大きく使い、Y字バランスなどの技も織り交ぜながら滑っていく。ジャンプは全て着氷させ、フライングキャメルスピンではレベル4を獲得。最後まで笑顔で演技を続け、スタンディングオベーションを受けた。
昨年の近畿選手権では、3位で表彰台に上った鈴木なつ(人2)。『River Flows in You』の優しいメロディーに合わせ、冒頭の3回転ループを美しく決めた。最後のジャンプは回転が抜け、シングルアクセルになったものの、難易度の高いスピンを次々と披露。ラストは、胸の前で腕を組むポーズで演技を締めくくった。
『Love In The Dark』を選曲した木下咲良(人2)は全身を使って曲の世界観を表現。着氷が乱れることもあったが、全てのジャンプを成功させた。高い演技力と、大胆で速さもあるスケーティングを見せた。
関大勢ラストを飾ったのは、滝野莉子(人4)。頭の上で手を合わせるポーズが印象的な『シェヘラザード』を選んだ。ダンスも取り入れながら滑っていく。冒頭の3回転サルコーは転倒。それでも、力強く、勢いのある滑りで情熱を表現した。
翌日はフリースケーティング(FS)が行われる。全日本選手権出場のため、まずは今大会を勝ち抜き、西日本選手権への切符をつかむ。【文:貴道ふみ/写真:中吉由奈】
▼片伊勢
「(演技を振り返って)最初の2本のジャンプまでは、強い気持ちで流れ良くできたので良かったですが、最後のジャンプは普段しないようなミスをしてしまったので、悔しい気持ちでいっぱいです。(プログラムについて)この曲にした理由は、今シーズンからシニアに上がるので、今までとはまた違ったイメージにしたくて、大人っぽい魅力を出せるようにしました。今までなんでもきれいにやることだけを意識していたのですが、悪い部分だったり、強さ、荒さも違った一面として見せられたら、うれしいです。(FSに向けて)試合だということをあまり意識せず、自分にプレッシャーを与えないように、平常心で挑めるように意識したいです。今日は悔しさが残る結果となってしまったので、明日は悔しさを払拭して、スッキリした気持ちで終われたら今回はうれしいです」
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