◇2020年度関西学生女子秋季リーグ第6節◇対追大◇11月1日
【前半】関大1-0追大
【後半】関大0-1追大
【試合終了】関大1-1追大
5節終了時点で勝ち点0の関大なでしこ。2部に自動降格もあり得る状況でこれ以上負けは許されない。まずはなんとしてでも得点を。すると、前半20分にFW塚原碧衣(2年)がゴールを決める。そのままの流れで行きたかったが、後半に追いつかれてしまう。連敗を脱するも、リーグ初勝利とはならなかった。
前半4分、いきなり関大にチャンスが訪れる。MF笹部麻衣(3年)が一気にボールを前線へ進めると、FW田中光紀(1年)がつなぎ、MF笹部がシュート。惜しくも相手GKに止められるが、コーナーキック(CK)を獲得した。キッカー・DF中尾純菜(1年)のボールは相手にはじかれるも、こぼれ球をMF笹部が拾う。これも得点とはならなかったが、攻めの姿勢で相手守備を脅かした。
そして21分、待望の瞬間が訪れる。FW田中光がサイドを上がりMF笹部にパス。そこからMF笹部がクロスを入れるとFW塚原がそこに反応する。左足で放ったシュートはゴールに吸い込まれ見事先制点を獲得。長らく遠のいていた得点に選手たちは喜びを爆発させた。
その後も関大は気を緩めることなくゲームを進める。MF成迫実咲(3年)とDF真木悠花(2年)の守備でサイドを抜かさせず、DF南中優衣(1年)のパスコースを読んだ守備でも相手に付け入る隙を与えない。相手フリーキックにも今季初出場のGK寺村夏実(3年)が危なげない対応を見せゴールを守り、リードを保ったまま前半を終えた。
交代なしで迎えた後半。攻め込まれる時間が多くなるが、関大の堅い守備で決定機を作らせない。ゴール前ではDF林祐里(2年)が守備で存在感を見せ、MF和田温菜(3年)とMF田中杏実(2年)は中盤で体を張り、ボールを奪う。だが19分、相手のセットプレーが多くなっている状況を耐え忍んでいた関大に限界が訪れる。CKから相手のヘディングで失点。試合を振り出しに戻された。
流れを取り戻したい関大はここでFW大田萌女子主将(4年)を投入。すると、FW大田がドリブルで一気に攻め込む。相手DFをもろともしないプレーでチャンスを演出した。その後も35分にはMF鳥本みずほ(4年)がピッチに立ち、なんとか相手守備を崩そうと画策するがうまくはいかず。得点が動かないまま試合終了を告げるホイッスルがピッチに響き渡った。
リーグ初勝利とはならなかったが、先制点を決めたことや、守備面での成長が垣間見える試合となった。次の試合は最終節となる立命大戦だ。「このチームで戦うのは来週で最後になるし、自分たち4回生にとっては最後のリーグになる。絶対に勝ちに行く」とFW大田女子主将。今まで味わってきた悔しさを力に変え、最終節を笑顔で飾るのは関大なでしこだ。【文:宮本晃希/写真:牧野文音】
▼FW大田女子主将
「先制点を取れたことは前節までとは違ってよかったところだけど、セットプレーのところで失点してしまって、自分たちが取りたかった勝ち点3に届かなかったのはすごく悔しい。今までの積み重ねで今日も戦ってきているし、このチームだからこういう戦い方をしようというのはない。リーグが進むにつれて自分たちが積み重ねたことや、自分たちはうまいわけではないので、助け合って勝ちに行かなければならないからそういうところは意識している。1節目に比べたら、ボールを回して自分たちの時間を作って得点を取りに行ったりというところはできている。このチームで戦うのは来週で最後になるし、自分たち4回生にとっては最後のリーグになる。絶対に勝ちに行くというところと、このリーグで1回も勝てていないというのは自分たちにとっても悔しいものになるから、最後の1週間で準備していく」
▼GK寺村
「初めてのスタメンで最初は緊張していたけど、アップで調子が良かったから今日は止められるなって思っていた。前日にスタメンの子がけがしてしまって、その子の思いもあるし、まだ勝ちがなかったから、絶対に勝ちたいという思いがあった。セットプレーでキャッチすることが苦手だったけど、今日はチャレンジしてみて成功したことは収穫。あとラスト1節なので、絶対に勝って残留したい」
▼FW塚原
「今日の試合は残り2試合で絶対に負けられない試合で、連敗が続いていたし、勝ちたいという気持ちは試合を重ねるごとに強くなっていた。練習でもやってきたことの成果が見られたシーンがあって、それを今日出して何とか結果という形につなげたかった。でも勝ち切ることができなくてすごく悔しい試合だった。先制できたことは今までできなかったことで良かったけど、追加点を取ることができなくて、相手の時間帯になった時も、こっちが守り切れずに最後までこっちの流れに戻すことができなかったので、そこは次の課題。(得点シーンについて)サイドでいい感じにボールを持ってこれて、そこから麻衣さん(笹部)がディフェンスとキーパーの間の良いところにボールをくれたので、なんとか触って、入れって感じだった。前半は割と自分たちの時間が多くて、この1週間は前線での崩しを練習してきて、その崩しを意識してコンビネーションも合っていたのが良かった。(次節に向けて)このチームでできる最後の試合だし、まだ勝っていないというところで、絶対に負けられないし、負けたら自動降格というのもかかってくる。また1週間全員で準備して絶対勝ち点3を取る」
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