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◇令和2年度関西学生秋季リーグ戦第7節◇対関学大2回戦◇10月25日◇阪神甲子園球場◇

関学大 000 000 000=0

関 大 000 020 00Ⅹ=2

(学)黒原、鈴木翔、加藤―佐藤海

(関)定本―久保田拓

1(右)中井颯

2(中)安藤

3(三)久保田有

4(遊)野口

5(一)西川将

6(二)坂之下

7(左)柳本

8(捕)有馬

9(投)定本

[最終結果] 3位 関大

[ベストナイン] 
捕手 久保田拓
三塁手 久保田有
遊撃手 野口

[打率順位]
2位 野口.353
5位 久保田有.316
7位 小河.292

最終戦を有終の美で飾った。関関戦の2戦目、投げては先発・定本拓真(2年)が5安打無四球7奪三振で完封。打っては、西川将也(4年)、柳本直輝(1年)、有馬諒(1年)の初スタメンの3人がつないで決勝点を獲得。伝統の一戦、そして4年生ラストゲームを白星で締めくくった。

1723547C-58B4-4320-9954-676A748BE332-300x200 関学大にリベンジ果たし、最終戦完封勝利。有終の美飾る

公式戦で初めてとなった定本・有馬バッテリー。定本は、前半では各イニング出塁を許しながらも、ストライク率66%の抜群のコントロールで本塁は死守する。5回には2死一、三塁を遊ゴロで守り切り、甲子園出場校の主将バッテリーがチームに流れを呼び込む。

D8B29CB1-CA42-4509-8FD8-9DFDB08D05AA-300x200 関学大にリベンジ果たし、最終戦完封勝利。有終の美飾る
△定本
65898FAC-84AE-4484-862F-3C24965DBBFA-300x200 関学大にリベンジ果たし、最終戦完封勝利。有終の美飾る
△定本(左)と有馬

スコアが動いたのはその裏のことだった。1死から突破口を開いたのは、最上級生の西川。大学人生最後の試合にして初めてスタメン出場を果たした代打の切り札は、左前打を放ち出塁する。続く坂之下晴人(3年)が中飛に倒れ2死に。追い込まれた関大だったが、柳本が初球を仕留め、チャンスを拡大する。ここで、開幕節でもヒットを放った有馬が打席に立つ。「あわよくば自分のところで点数を挙げることができればと思っていた」と、左中間へ走者一掃の適時二塁打を放ち、二塁ベース上でガッツポーズ。ベテランとルーキーがつなぎ、まさに「共創」でつかんだ大きな2点がスコアボードに刻まれた。

1ACC9616-136A-4220-AC57-A910DA5B015D-300x200 関学大にリベンジ果たし、最終戦完封勝利。有終の美飾る
△西川
30DDA036-BDCA-42A1-91DC-6F0ED8057DFC-300x200 関学大にリベンジ果たし、最終戦完封勝利。有終の美飾る
△柳本
08CBF5BC-0549-408C-B1C6-28ECCD42D225-300x200 関学大にリベンジ果たし、最終戦完封勝利。有終の美飾る
D4295231-8CBC-4036-9FA0-594DD2553B4B-300x200 関学大にリベンジ果たし、最終戦完封勝利。有終の美飾る
△有馬

前半で2点の援護を受けた定本は、6回以降、打者を1人も出さない好投を見せる。そして迎えた最終回。右飛と三振で2アウトを奪い、最後の打者を三ゴロに打ち取ると、大きな拍手が甲子園に響き渡る。心地良い浜風が吹く中、現チーム最後の瞬間を迎えた。

343A8CDF-F168-4A93-B892-A905DD2AC6A6-300x200 関学大にリベンジ果たし、最終戦完封勝利。有終の美飾る

試合後、吉川周佑主将(4年)は同期に向けて、「4年間ありがとう」と、感謝の意を述べた。吉川主将やエース・高野脩汰(4年)ら結果でチームをけん引した選手はもちろん、その姿勢で支え続けた選手たちも多かった4年生たち。最後は後輩たちに囲まれながら、笑顔でユニフォームを脱いだ。【文:中西愛/写真:中西愛、坂井瑠那、石井紗羽】

▼吉川主将

「守備からいいリズムがきていて、前半のうちに点が取れたことが良かった。定本はとても良かった。(5回に関して)下位に打順が巡っていたがつないで、有馬がものにしてくれたことが良かった。今日、1年生が3人試合に出たが、試合前に3人とも緊張していた。だが、試合が始まったら『ワクワク感がある』と言っていて、それなりに彼らも良い緊張ができていたのかなと思う。(今年1年間を振り返って)正直、とてもあっという間だった。コロナで今シーズン限りだったが、コロナ渦でまとまりずらい中、いざリーグ戦が始まると良い形にまとまり、4年生も後輩も助けてくれて、ありがたく助かった。だが、リーグ戦の後半は1勝3敗と悔しい結果になってしまった。そこは反省点として次の代に生かしてくれたらなと思う。個人としては、最初は何本か打てたが、打順も下がり、最終戦は出れずに終わった。悔しいし、心残りではある。高校も合わせて、甲子園でヒットを1本も打てなかった。それはそれで仕方がない。その分、後輩がプレーで引っ張ってくれたので、結果的には良かった。(大学4年間を終えて)試合に出る機会が少なく、紅白戦やシートバッティングなど、そういうところでしかチャンスがなかった。その中でものにできたからこそこうして試合に出られたし、キャプテンをすることもできた。4年間を振り返ると、結果的にはすごい良かった。自分の精神的にも成長できた。高校のときとは違って、考えて行動に移して、あっという間な4年間だった。1年間、キャプテンをしてとても苦しかったが、いい経験になった。(同期に向けて)4年間ありがとう、と。自分たちの学年は入ってきてからすごく怒られて、罰走させられてばかりだった。『この学年、大丈夫か?』と言われていた中、4年間で成長が大きかった学年だと思う。共にがんばれた。4年間一緒に続けられて本当に良かった。(後輩に向けて)4年生に対してどういう印象を持っていたかわからないが、付いてきてくれてありがとうという気持ち。まだ次があるから、個人としても、チームとしてもさらに成長して、僕らの年よりもレベルアップして、来年以降また全国に出場できるように、そういうチームをつくってほしい」

▼定本

「(有馬のリードについて)試合前に、『真っ直ぐの配球で』、ということを伝えたら、今までとは配球が変わっていた。良い配球だった。完封は大学に入ってから初めて。後半スタミナが無くなることが課題だったが、持ちこたえることができた。収穫だと思う。真っ直ぐ多めと伝えたのは、今までカットボールが下になっていて、カットボールを投げると体が横ぶりになってしまうので、縦ぶりを意識したかったから。今までの中でも一番良いリードだったと思う。インコースを使うので、久保田さん(久保田拓)とはまた違うリードだった。久保田さんは外重視で、たまにインコースを見せる配球だが、有馬はインコース主体にして、外を見せ球にしていた。インコースは気を使うが、びびると良くないので割り切って投げた。

(来年以降に関して)来年は、1戦目にメインとして投げられるように頑張りたい。ストレートの球質だったりスピードだったり。一冬で最低でもあと2キロを更新してMAX150キロにしたい。スピードガンの球速はプロのスカウトもそれなりに見ていると思う。スピードがなくて抑えるということも大事だと思うが、左ピッチャーではないので、右はやっぱりストレートかなと。今までとは同じ練習内容では何も変わらないので、今までに取り組んだことがないようなことに取り組んで、スピードアップにつなげたい。フィジカルトレーニングと、肩周りの柔らかさがまだまだ足りない。まだまだ身体も大きくと思うので頑張りたい。本当は高卒でプロに行きたかったが、それがかなわなかった。関大は指導者に恵まれているので、ドラフト1位でプロに行けたらなと思う」

▼有馬

「(スタメンについて)メンバー発表の時まで分からなかったが、いつもとは違うメンツが名前を呼ばれていたので、ひょっとしたらとは思っていた。やれることはやろうと思った。試合出場は3試合目の出場だった。定本さんは速球派のピッチャーで、相手バッターも速い真っ直ぐが頭にある中でのリードだった。真っ直ぐに威力がある分、高低、左右で、真っ直ぐだけでも抑えられるリードをしようということを考えていた。そこに、カーブやカットボールなど、タイミングをずらす変化球を跳ねていければと思っていた。結果完封されたが、元々僕も1試合全部リードしようという気持ちだったので、うまくハマって良かった。今日、自分が受けていても高めの真っ直ぐに威力があって、低めに構えると低めに集まっていたので、全体的にミット周辺に来るボールが多かった。高めも迷いなく、失投もあまり心配していなかった。定本さんの一番の持ち味を生かしきれてよかった。どの学年の先輩も、後輩だからといって気を使うのではなく、気軽に話してくださったり自分からも話すことができたりする。そこは関大ならでは。喋りやすい雰囲気を作ってくださる先輩たちのおかげ。(タイムリーについて)抜けたカットボールだと思う。特に張っていたとかではなく、体がうまく動いてくれたという感じ。真っ直ぐでも変化球でも、どちらでも対応できるようなタイミングで待っていた。とりあえず1本出せればいいかなと思った。次のバッターが定本さんだったので、あわよくば自分のところで点数を挙げることができれば、より良いと思っていた。(攻守で大活躍だったが?)守備の方でも良い球場でできているとずっと思っていたので、自分も能力もそうだが、先輩たちがやりやすい雰囲気を作ってくださっていたことも自分のプレーができた要因の1つだと思う。やりやすく、楽しく試合をすることができた。甲子園は、自分が思ったよりも良いプレーができる場所。(去年の夏から)帰ってきたな、という感じ。周りからは負けたイメージが強かったと思うが、甲子園を目標に3年間やっていて、3回その舞台に立たせていただいているので、自分の中では悪いイメージというよりも、いい球場でプレーができることに感謝を持っている。甲子園の会場は砂がいい。硬い砂が好き。柔らかいと、ストップの時に股の下へ抜けてしまったり、バッターが立つとすぐにボコボコしてしまったりするが、硬いと手でならせば平らになるところがやりやすい。(久保田拓について)自分なんかまだまだだと思う。身体の大きさから全然違うので、そこにチャレンジするためにもこの冬は大事だと思う。今日でシーズンは終わったので、身体づくりや基礎を固めていければ、来年は久保田さんにも張り合えるキャッチャーになれると思うので、頑張りたい」

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