令和5年度関西六大学連盟春季リーグ第3節◇対神大1回戦◇3月24日◇わかさスタジアム京都◇
関 大 300 101 001=6
神 大 000 104 000=5
(関)山下、田治―福永
(神)村上、内田―前田
1(右)藤澤
2(中)加藤
3(遊)福留
4(左)日高
5(一)中野
6(補)福永
7(三)橋本
8(指)山本遼
9(二)濱田
先発 山下
第2節終了時点で1勝3敗と苦しい戦いの続く加藤準硬。今まで加藤体制で挑んだ全ての公式戦で4番として出場していた山本遼太郎(文3)が8番になり、代わりに前の試合で猛打賞を記録した日高涼汰(経2)が4番に抜擢された。
1回表、先頭の藤澤駿平(政策2)がいきなり三塁手の頭を越える安打で出塁する。この安打を皮切りに1死満塁のチャンスを作ると、5番・中野寛都(人1)が放った遊ゴロの間に1点を先制した。続く6番・福永翔太(社2)と7番・橋本昴来(安全1)にも適時打が生まれ、一気に3点を先取した。
3点の援護を貰った先発の山下皓司(化生3)。1回は1死二塁のピンチを招くも、後続は落ち着いて打ち取り反撃を許さない。2、3回は三者凡退に抑えるなど上々の立ち上がりを見せた。
山下を更に援護したい打線は4回、2死二塁から藤澤からこの日3本目となる安打が生まれ1点を奪うと、6回にも2死二、三塁から福留涼平(商2)の適時打で5点目をあげた。
先発の山下は5回まで1失点に抑えていたが、6回に相手打線に捕まる。いきなり3連打を浴び2点差に詰め寄られると、1死満塁と一打逆転のピンチを背負った。ここで対した相手打者に長打を浴び、走者2人が生還し同点。生還すれば逆転となる一塁走者も本塁を狙ったが、返球が間に合い本塁でタッチアウトにした。同点に追いつかれ2死三塁という場面で、田治健太郎(経3) がマウンドに上がる。変わった田治は制球が定まらず2者連続で死球を出し2死満塁とピンチを拡大するも、最後は投ゴロに抑え、勝ち越しを許さなかった。
勝ち越したい打線だったが7、8回は得点を奪うことができなかった。9回表の開始時点で試合開始から所定時間が経過していたため、同点でも延長戦は行われず引き分け試合となる。そのため、関大が勝利するためには9回表に得点する他に道はない。どうしても得点しなければならない打線は、先頭の日高が相手の失策で出塁する。守備交代から出場していた今村優真(経1)は2球でしっかり犠打を決め、日高の代走で出ていた川北収史(政策3)を得点圏に送った。続く福永も相手の失策で出塁し、1死一、三塁とチャンスを拡大。ここで打席に立つ橋本はスクイズを試みるも、球は捕手の正面に転がり、三塁走者の川北は動けず。結果一塁走者を送っただけの形になり、2死二、三塁となる。ここで代打に水島拓務(シス理2)が告げられた。水島はボール球を2球しっかりと見極め、3球目を振り抜いた。勢いのない打球だったものの、中堅手の前に打球は落ち、三塁から川北が生還。後が無い中でついに勝ち越しに成功した。
この1点を守り切りたい9回裏の守備。マウンドには6回から投げ続けている田治が上がる。難なく先頭打者を打ち取るも、続く打者の打球は二塁を守っていた濱田凌平(経3)の横をしぶとく破った。また、次の打者の打球も濱田のすぐ後ろに落ち、1死一、二塁とピンチを背負った。この状況でも田治は落ち着いて続く打者を浅い中飛に抑えると、最後の打者は投ゴロに仕留めゲームセット。最後の打者へアウトが宣告された瞬間、田治は一塁付近で喜びをあらわにした。
実に4試合ぶりに味わう勝利の味。二塁手を務めていた濱田は、試合後思わずその目に涙を浮かべていた。3試合連続で大敗を喫した中挑んだこの試合、濱田のみならず選手たち全員に相当の圧がかかっていた。そのような中で、スタメン野手が先制し、先発投手が試合を組み立て、負け越しのピンチには中継ぎが抑え、勝ち越しのチャンスには代打が適時打を放ち白星を掴んだ。この勝利は、まさにチーム全員で掴んだ勝利と言えるだろう。【文:𠮷村虎太郎/写真:稲垣寛太】
▼加藤主将
「(今日の試合を振り返って)序盤に良い形で3点を取れて、自分たち優位で試合を進められるかと思っていました。しかし、中盤追いつかれ終盤勝負になったところで、スタメンだけではなくベンチも総動員で勝利を掴み取ることができたと思います。(藤澤の猛打賞について)これまでリーグ戦で結果が出てなかったのですが、しっかり練習通してバットを振れていたので、結果が伴ったと思います。(田治の投球について)立ち上がりから死球を出して不安なところはありましたが、これまで投げてきた田治のことを信頼していたので、しっかり投げきってくれて良かったです。(水島の適時打について)水島はこれまで勝負所で代打として起用していて、今回も勝負所で水島に任せてしっかり結果を残してくれるのは非常に心強いです。(後半にさしかかるリーグ戦について)ここから阪大と試合をすることになっているのですが、春リーグ油断にならない相手だというのは変わりないので、気持ちを変えずに戦って行ければと思います」
▼水島
「(適時打について)事前の情報で相手投手は直球に自信があるというのは分かっていたので、直球のみを狙い走者を帰そうと思っていました。(打球が超えた瞬間について)バットの先で打ったので内野を越えるかが不安でしたが、超えてくれて本当に嬉しかったです。(これからについて)僕の役割は打つことなので、ここからもひたすら打ち続けて行きたいと思います」
コメントを送信