◇第90回全日本選手権大会◇12月15日◇対タダノ◇長野市若里多目的スポーツアリーナ ビッグハット◇
[第1P]関大0-0タダノ
[第2P]関大0-2タダノ
[第3P]関大3-2タダノ
[試合終了]関大3-4タダノ
関西リーグでは第3ピリオド(P)でカバーすればつかめた勝利。しかし、全国はそんなに甘くなった。序盤からアタッキングゾーンで試合を進め、何度も好機が訪れる。そのチャンスを生かすことができず、気づけば最終Pに。シュートの精度を高め3ゴールを手にするも遅かった。1点差で勝利を逸す。無念の初戦敗退となった。
会場ところどころに施されているオリンピックシンボル。この記念すべきリンクに、両者のスティックが当たり合う甲高い音が響いた。取り合いの末パックは関大が手にすると、36秒にDF鈴木郁也(情3)が左からファーストシュート。さらに2分後、FW山根早加(社2)、FW神山太一(人2)がフォアチェックで相手を威圧し、その間にFW嶋野瑛心(文3)が高速ショットを放つ。早々から関大が支配する展開となった。8分には敵陣でのフェースオフを3回繰り返すことに。この好機を生かし先制したいところだ。だが、決定打は繰り出せず第1Pを折り返す。
折り返しすぐにパワープレー(数的有利な状態)となる。さらに、相手はもう1人ペナルティーを生み関大が2人多い状態に。このビッグチャンスをものにしようと選手は奮闘した。右サイドでDF熊谷天祐希(情4)とFW泉大我(人4)、センターでFW根本慎太郎(情3)が立ち3人で好機をうかがう。FW佐々木隆弥(情4)も相手GKの前に立ち視界に割り込むも、FW根本の鋭いショットは相手のグローブに収められゴールとはならなかった。残り4分を切ると再びパワープレーに。FW黒須誠眞(情2)が壁で相手にプレッシャーをかけFW泉がパックを持つと一気にゴール前へ走った。しかし、ここは相手の堅守で得点には至らず。互いにノーゴールのまま第1Pは終了する。
第2Pになると、相手プレーヤーの足も徐々に動き始めパックの保持率は同等に。1分には左からシュートを受けこの日初めての緊張高まる瞬間となった。ここはGK加藤陸主将(社4)が手で止め失点を阻止するも、3分のシュートは止めきれず得点を許してしまう。さらに、8分にも左からネットを突き刺すショットを放たれ失点。左からのパックで苦しむ前半となった。
しかし、後半は安全にプレーを進める。14分にはキルプレー(数的不利の状態)となってしまうも、FW小笠原慶太(人4)を中心に4セット目が相手FWに食らいつき無失点に抑える。その後も危ない場面を生むことはなく第2P終了のブザーが鳴る。失点は食い止めたが、得点は生むことができず第3Pを迎える。
「相手は社会人。疲れてくるから、僕たちは体力を生かして最後まで攻撃を続けようとプラン立てていました」。GK加藤主将が言うように、第3Pは関大がパックを支配する。4分、ついに待ちわびていた瞬間が訪れた。FW泉のパスにDF熊谷天祐希が合わせ押し込むとネットが揺れる。関西の舞台では見れなかったDF熊谷天祐希のゴールと、ついにやってきたこの日初得点に喜びが爆発した。しかし、直後に失点を喫し得点差は変わらぬまま再びのゴールを待つこととなった。
猛攻を続けていると、残り2分にルーキー・FW久田晴貴(社1)が右からゴール。直後もディフェンディングゾーンのブルーラインから手にしたFW嶋野が相手DFを3人抜きスイープシュートを放つ。相手GKに触れる余地も与えずゴールラインを割り、あと1点で同点に追いつけるところまで持っていった。だが、先に響いたのは選手の雄叫びではなく試合終了のブザー。1回戦突破がすぐそこまで見えていただけに悔しさがこみ上げた。
ただ、悲しんでいる時間はない。21日からはインカレが幕を開けるのだ。インカレでの目標は18年度以来の「ベスト4」。今大会の収穫を生かして4年ぶりの4強を決める。【文:木原綺音/写真:上田紫央里】
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