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涙もろくなった。この1年で一段と。自分自身の最後の大会、大好きな先輩の引退式でも、寂しい思いとは裏腹に涙が流れることはなかった。ふと引いてしまい、俯瞰で見てしまう自分が少し嫌いだった。こんな私を、大きく変えた出来事がある。今年初夏に行われた、関西学生賞典障害馬術競技大会(夏学)。競技開始から終了まではたったの1時間。この1時間が、私を大きく変えた。取材で初めて涙を流し、関大スポーツ編集局(カンスポ)、『学生記者』という立場について改めて考えさせられるきっかけとなったこの大会。向き合うことが怖くて、ずっと逃げてきた。だけど、心残りがあるまま年を越すのは嫌。あの日の私に、向き合おうと思う。

「朝早くから来てくれたのにごめんな」。夏学終了直後に、大粒の涙を流しながら漆原竜吉選手(情4)がかけてくれた言葉。まさかの結果に終わった自分のことを言うでもなく、私のためにかけてくれた言葉に、胸が詰まった。「まさか」の理由である、最終障害で馬が止まった瞬間の記憶は残っていない。あの瞬間、私の頭が真っ白になった。ただこの言葉だけが、今でも私の心に深く残っている。かける言葉が思いつかず、気づけば涙が頬を伝った。取材先で涙を流すことはこの時が初めて。自分自身に少し驚いた。それと同時に、「選手でもない、マネージャーでもない。言ってしまえば部外者の私にできることってなんだろう」。『学生記者』という立場の無力さを痛感した。

練習の様子なんて知らなくて、試合だけを取材し記事を書くことに、ずっと引け目を感じていた。「本当に選手たちの力になれているのだろうか」。何度も頭をよぎった。「本当に届いているのかな」。いつのまにか、もらい泣きが不安の涙に変わっていた。大号泣しながら書いた夏学の記事は、お世辞にもきれいな記事とは言えない。何度も涙で視界がにじんだ。

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△夏学で、集合写真を撮影する

夏学以来、少し変わったことがある。以前は、感情を入れずに淡々と情景を伝えようと意識していた。だが、この日を境に自分の感情がのることが多くなったように思う。結果に至るまでの過程や、選手たちの性格などを知れば知るほど。「ああ、またやっちゃった」。取材帰りの電車で何度思ったことか。プロの記者のように客観的な視点で淡々と情景を伝えることが、どうしてもできない。「いけ。頑張れ」。試合が進むにつれて、毎回のように感情移入してしまう。「これでいいのだろうか」と自問自答を繰り返しながら、数カ月が過ぎた。

心の片隅に抱えた2つの小さな不安が消えることはなく、11月末に今年最後の取材を終えた。その数日後。発行した号外について、仲の良い選手からある言葉をもらった。「めちゃくちゃいい号外」。後から見返して、自分の感情がこれでもかと入った号外だと苦笑いしてしまったものだった。だけど、他の誰でもない、選手本人からの真っすぐな言葉にうれしさで胸がいっぱいになった。「感情が入っていてもいいのかもしれない。プロではなく、同じ『学生』という立場だからこそ、できることがある」。ようやく、晴れた気持ちで前を向くことができた。だから、この言葉をくれた馬術部・加藤諒大選手(人2)には、感謝の気持ちでいっぱい。本当にありがとう。
また、12月頭に行われたリーダーズキャンプでも、うれしい言葉をもらった。「カンスポってどこへでも来てくれる。みんな大好きなんだよ」と漕艇部・宮前千洋主将(文3)から。ソフトボール部女子・上田陽花莉主将(文3)は、「いなかったら、今日はいないのかーって。来てくれるのが楽しみ」と教えてくれた。「思いは、確実に届いている。選手たちの力になっている」。強く感じさせてくれたと同時に、私の胸にあった不安を吹き飛ばしてくれた。

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△ほめてもらった号外。うれしすぎて少し泣きそうになった、とは言えなかった

KAISERSの活躍をより多くの人に届けたい、カンスポとして最後の1年を悔いのないものにしたい。そんな思いを胸に、来年は編集長を務めることに。今は正直、不安でいっぱい。自分に自信をなくすことなんてしょっちゅうで、ささいなことですぐに落ち込む。向いているかと言われたら、正直分からない。それでも、最後は自分で「やる」と決めたのだから。責任を持って、必ず最後までやり切る。だから、ここに記しておこう。最後の1年、やりたいこと、やれることは全部やる。KAISERSに関わる全ての人に、「2026年のカンスポの編集長が市場薫で良かった」と思っていただけるように。自分なりにもがきながら、精一杯頑張ります。

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△同期と。全員そろった写真がないから、またみんなで撮ろうね

さあ、次はどんな景色が私を待っているだろうか。喜び、感動、悔しさ、全てをこの目に焼きつけたい。起こること全てを文字に起こし、写真で記録する。『学生記者』でいることができるのは、泣いても笑ってもあと1年。やりたい事はたくさんある。残り1年、後悔のない日々を過ごして笑顔でラストを迎えるために。どこまでも、真面目で全力な私らしく駆け抜ける。その先に、素敵な未来が待っていると信じて。【市場薫】

簡単ではありますが、今年担当させていただいた3部活にお礼と感謝の言葉を送らせてもらいます。スキー競技部。取材に行くことがかないませんでしたが、春企画で熱心にスキー競技について語ってくださる姿がとても印象的でした。いつの日か、またカンスポが取材に行ける日を願っています!

なぎなた部。全国大会で、「集合写真撮ってください!」と声をかけていただいたことが本当にうれしく、とても心に残っています。新聞で2回も記事を書かせていただき、ありがとうございました。来年こそ全国制覇、心より応援しています!

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△全国大会で撮らせてもらった、なぎなた部の集合写真

馬術部。取材に行けば行くほど、みなさんのことが大好きになりました。もちろん馬たちもです!私を名前で呼んでくれることが、自分を認めてもらえた気がして本当にうれしかったです。夏学を境によく泣いてしまうようになった私を、時々つっこみながらも温かく見守って下さりありがとうございました。あんまり話すとまた泣いちゃうからここまで(笑)来年もよろしくお願いします!

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△馬術部の4年生3人(漆原選手、金折真杜主将=情4、清水奨真選手=文4)。本当にお世話になりました。3人らしい表情が撮れたこの写真は、私のお気に入りです

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