「来年も全力を尽くす」。1年前、私はコラムでそう宣言して、1年生としての活動を締めくくった。今読み返すと、ちょっと恥ずかしい。当時の私にとって「全力を尽くす」とは、ただ単に取材や編集など、目の前の仕事をこなすことだった。
しかし、2年生になり、昨年よりは責任のある立場を任される中で、私は「全力を尽くす」という言葉を考え直すことにした。そこでわかったことが1つある。「全力を尽くす」ことに必要なことは、単に努力の量を増やすことだけではない。今の自分が、居心地がいいなと思っている場所から1歩踏み出すことだ。つまり、自分がこれまで無意識に守ってきたコンフォートゾーンを、自らの足で超えること。それこそが、今の私にとっての「全力を尽くす」ことだ。今年の私は、そのコンフォートゾーンから、なかば強制的に(?)引きずり出されるような1年を過ごした。
今年、私は漕艇とヨットの班長を引き継ぐことに。前任は、望乃さん(村中望乃=政策4)と寛太さん(稲垣寛太編集局長=商4)。2人は、各競技への知識や熱量を持って取材活動をしており、私にとってはとっても偉大な先輩たちだ。私は、漕艇もヨットも、競技自体には興味を持っていたものの、ルールすら怪しい状態からのスタート。最初は期待よりも不安が大きい。私にとって、強制的にコンフォートゾーンから追い出されるようなものだった。
ある日の遠征、私は1人で、見知らぬ地の電車を乗り継いでいた。乗換案内を何度も確認し、聞き慣れない駅名のアナウンスに耳を澄ませる時間には、言いようのない孤独感が襲ってくる。しかし、試合会場に着くと、そんな孤独感は一瞬で吹き飛んだ。そこには、同じKAISERSを背負って戦う仲間たち。勇気を出して声をかけると、選手らは当たり前のように私をその場の一部として受け入れてくれた。孤独だと思っていたのは、自分勝手な思い込みに過ぎなかったのだ。1人で移動したあの不安な時間があったからこそ、選手らの温かさが余計に身に染みたに違いない。


そんな激動の2年生も終盤に差し掛かり、さらに新しい挑戦が待っている。来年、私は会計という役職に就くことが決まった。取材活動とはまったく違う仕事。みんなの部費を預かるため、ミスが許されない責任重大なポジションだ。これもまた、私にとっては新しいコンフォートゾーンの外側だと考えている。しかし、あの遠征で学んだことが1つ。不安で自信がなくても、1歩踏み出してみれば、そこには新しい楽しさや出会いがあるということだ。漕艇部やヨット部の選手が全力で進んでいる、あの瞬間。その熱を支えるためには、関大スポーツ編集局という組織がしっかり回っていなければいけない。私が会計として取り組むことも巡り巡って、あの素晴らしい瞬間を伝えることにつながっている。そう思えば、大変な仕事とも向き合える気がするかもしれない。
昨年の私と今の私が思う「全力を尽くす」は、少しだけ中身が異なっている。今の私にとっての「全力を尽くす」とは、怖いけど、やってみるの積み重ねだ。先輩から受け継いだバトンを大切にしながら、会計という新しい壁にもぶつかっていこうと思う。来年の今頃、またこのコラムを書く時には、「会計、大変だったけどやってよかった!」と笑っていられるように。さらに、これからも自分なりの「コンフォートゾーン」をはみ出し続けていく。そして、来年も全力を尽くす。【桝井来夢】
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