◇第99回関西学生リーグ前期第1節◇対関学大◇4月11日◇三木総合防災公園第2陸上競技場◇
【前半】関大3―0関学大
【後半】関大5―0関学大
【試合終了】関大8―0関学大
創部100周年、節目の年の関西学生リーグがついに開幕。さらには相手が関学大となり、伝統の関関戦となった。強敵を相手に厳しい戦いが予想されたが、FW百田真登(経2)の先制点から関大のペースに持ち込む。ゲームの流れを完全に支配し、8―0の大勝を収めた。

前半2分、試合はいきなり動き出す。DF吉田伸弘主将(法4)のロングフィードを受けたMF堤奏一朗(社2)がクロスを上げ、それにFW百田が合わせ先制。理想の立ち上がりを見せた。さらに28分、FW沼田駿也(政策4)が相手コートでボールを奪い、MF古賀楓真(文2)につなぐ。そして、MF古賀が上げたクロスにはまたもFW百田が反応。そのまま相手ゴールにボールを突き刺し、リードを2点に広げた。






33分にはFW百田が抜け出しの動きを見せるが、相手DFに倒され、そのまま相手選手が一発退場となる。その後のフリーキックは相手GKにキャッチされるも、関大に追い風が吹く展開となった。
そして41分、まだまだ関大の勢いは止まらない。DF浅羽悠成(安全4)のスローインを受けたFW沼田が足を振り抜く。放たれたボールはゴール隅に吸い込まれ、見事追加点を挙げた。


ゲームの流れは関大のものだが、相手は強豪・関学大。前半の終盤には、攻め込まれピンチになる場面も訪れる。だが、DF高橋直也(商2)の相手クロスの処理や、MF梅津克貴(社4)の体を張ったプレー、GK光藤諒也(文4)がミドルシュートをセーブしたりと、強固な守りでゴールネットを揺らさせない。無失点のまま前半を終えた。



交代なしで迎えた後半、ゲームの流れは依然として関大が握る。攻め込まれる場面でもDF次木優斗(商4)が空中戦を制する。また、3分の場面では、MF古賀とDF高橋のパス交換に相手はたまらずファールで止める。ゴール前で相手守備を脅かした。

その後も関大の攻撃で得点を重ねる。18分にはFW百田がこぼれ球を押し込みハットトリックを達成。続く20分にはルーキーのMF川島功奨(社1)が相手DFをかわしながらのシュートを決める。22分にはFW百田がMF草刈龍星(法4)のアシストから4点目を獲得。試合終盤のこの場面で6点差となった。



前線の選手たちの活躍に関大DF陣も奮起する。DF吉田伸を中心とした守りでピンチを未然に防ぎきる。守備面でも相手にペースを渡すことはなかった。
6点差となったこの状況でも「自分たちの中で強度を落とさずにもっと点を取りに行こうといった、相手に合わせずにやっていくことができた」と吉田伸。29分にはFW西村真祈(法2)とMF草刈のパスからMF川島が豪快なシュートを放つ。関大として初出場の舞台で2得点の活躍を見せた。また、40分には相手のオウンゴールもあり8点差となる。最後に一矢報いろうとする関学大のカウンターにも人数をかけた守備でしのぎ切る。大量得点で完封を達成したリーグ初戦となった。


予想以上の結果に喜びを見せる選手たち。宿敵の関学大を相手に勝利を収められたことは今後の自信につながる。だが吉田伸は「喜ぶところは喜ぶけど、それをいい意味で忘れていく」と語る。リーグ戦はまだ始まったばかり。続く試合も勝利で飾り、リーグ優勝への道を駆け上がる。【文:宮本晃希/写真:遠藤菜美香】
▼DF吉田伸主将
「100周年ということをいつもみんなで口にしていて、そのリーグ開幕戦。さらには関関戦というところ。2年間、関学には勝てていなかったので、本当に今日勝ちたいという気持ちをみんな持っていた。そういった中で、相手が退場するというハプニングもあったんですけど、全員が最後まで戦う気持ちであったりとか、ハードワークしていく関大らしい部分を出せたのはよかった。早い時間に先制点を取れて、チームとしては落ち着くことができて、自分たちにとってやりやすい展開になった。でもそういう中で2点目3点目が取れたりだとか、自分たちの中で強度を落とさずもっと点を取りに行こうといった、相手に合わせずにやっていくことができた。関学に勝てていなかったことで本当に悔しい思いをしていて、OBの方も、関関戦のときには特に期待もしてくださったり、関学だけには絶対負けられないということはみんなと言っていた。それが良い結果に結びついたのでよかった。(次節へ向けて)2節目まで2週間ある中で、喜ぶのは喜ぶけど、いい意味でそれを忘れていく。やっぱりリーグ戦で勝ち点を積み重ねていかないと、自分たちの目標である、インカレや日本一には届かないと思うんで、しっかりチームで競争しながら、2節目以降も強い関大を見せられたらと思う」
▼DF浅羽
「開幕戦ということと、関関戦ということで、チーム一丸となってとりあえず結果ということをこれまでの練習や、試合前のミーティングでも言ってきた。それで無失点と大量得点で勝てたことは大きかったと思う。次戦にいい形で臨めるようにつなげていきたい。僕らが1年生の時以来、関学には勝てていなくて、昨年も僕自身は出場してあまりよくなかった。だからこそ個人としても強い気持ちを持って、結果で表せた。見に来れていない人たちにも勝利を届けられたことは大きいと思う。監督とコーチを含め、練習から対策をしてきたので、それを実際の試合で出せた。セットプレーも自分たちで調整して、臨めたので、よかったと思う。(次戦に向けて)1戦目を勝てたことは大きいけど、しっかり切り替えて、次の試合も無失点で、大量得点できるようないい雰囲気で準備していきたい」
▼FW沼田
「100周年目の開幕戦が関関戦ということで、しっかりチーム全員で勝とうと言っていた試合。その中で、うまく先制点が取れて、相手が退場するといったことはあったんですけど、とにかく勝てたことは良かった。(この結果について)想像はしていなかった。手ごわい相手で、伝統の関西学院大学ということで、難しい試合になるとは思っていた。いろいろな条件であったり、自分たちもうまく試合に入れたのが8―0の結果につながったと思う。想像以上に点が取れたのが印象。FWとして絶対に点を取らないといけないと思っていたので、1点取れたことは良かったというよりかはほっとしている感じ。昨年得点王ということで見られていると思うので、満足せずに次節以降も点を取れたらと思う。(次節に向けて)連勝していくことがリーグ優勝に向けて必要なことだと思うし、今日の8―0という結果は今日で満足して次に切り替えていく」
▼FW百田
「絶対に負けられない関関戦というところと、チームが100周年というところで、個人としては、久乘くん(=聖亜・政策3)が直前でけがしてしまって、久乘くんのためにも戦おうと決めていた。その中で、8―0という結果で勝てたのはよかった。(TOPチーム初スタメンについて)けがのところで回ってきた形ではあったんですけど、そのチャンスを狙う時に、サブ組の試合でも結果にこだわってアピールすることができていたと思う。それが直前になってチャンスが回ってきて、開幕戦で緊張したんですけど、しっかり4得点できたのはよかった。関大一高出身ということもあって、そのときから関関戦を見させてもらっていて、学生リーグは憧れの舞台だった。その舞台の開幕戦で得点できたことは自信になるし、うれしいことだなと思う。自分はプロになりたいので、そこに対してアピールしていくために、個人の目標としては得点王になること。その中で、4点はちょっとできすぎたんですけど、いいスタートが切れたと思うので、満足することなく、得点を積み重ねていきたい。(次節に向けて)いいスタートは切れたと思うので、チームでいい雰囲気を継続する。謙虚に調子に乗ることなく、足元を見て、目の前の相手に全力で勝てるように準備していく」
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