◇2025年度関西学生女子春季リーグ第7節◇対姫獨大◇6月22日◇関西大学高槻キャンパス第1グラウンド
【前半】関大4-1姫獨大
【後半】関大2-0姫獨大
【試合終了】関大6-1姫獨大
スターティングメンバー
GK 勢古
DF 岡村、風間、徳弘、瀧沢
MF 塩見、藤田祐、岩川、吉田遙、山本ノ
FW 宮本美
まさに『宮本劇場』だった。負ければ2部降格となる大一番で、FW宮本美優羽(経1)が5ゴール1アシストと大暴れ。最終節にして、待望のリーグ戦初勝利をつかんだ。FW宮本美は春季リーグで7得点を奪い得点王に。名実ともに、エースの称号を得た。
勝ち点1で迎えた春季リーグ最終節は、勝ち点0で互いに残留を争う姫獨大と相まみえた。高槻キャンパス第1グラウンドには多くの部員が駆けつけ、大声援が響く中でキックオフ。試合は序盤から関大が相手ゴールを脅かす展開に。前半6分、左サイド高い位置でパスを受けたFW宮本美が相手を振り切り、ペナルティーエリア外から右足を振り抜く。シュートは弧を描き、ゴールへ吸い込まれた。これでFW宮本美は公式戦3試合連続ゴール。勢いに乗るルーキーの得点で、いきなり先制する。

しかし、勝利が残留への絶対条件である姫獨大の反撃に合う。同9分、ロングボールをゴール前に供給されると、混戦から押し込まれ同点に。すぐさま追いつかれたが、「しっかり切り替えて、相手コートでプレーをしようと話をしていた」とDF徳弘海羽主将(人4)。押し込まれる展開が続くも、ピンチでは大きくクリアし決定機を作らせず。中盤でMF藤田祐穂(法2)やMF吉田遙(情3)がボールをコントロールし、カウンターからゴールを狙い続けた。
同29分、決定機が訪れる。MF藤田祐のパスから右サイドに押し込み、高い位置でスローインを獲得。DF岡村まどか(政策1)が右足でクロスを供給すると、ニアでFW宮本美が頭で合わせる。シュートはポストをたたいたが、ゴール前に詰めていたMF山本ノア(人1)がボールへ飛び込み、執念の追加点を奪った。MF山本ノは待望の公式戦初ゴール。ルーキーの活躍で再びリードした。

勢いに乗った関大。ここからFW宮本美が怒涛(どとう)のゴールラッシュを見せる。同33分、相手のミスを逃さず、ボールを奪い独走。GKとの1対1を制し2点リードに。4分後には、背後へ抜け出したMF藤田祐のクロスからFW宮本美に決定機が訪れるも、力みからかシュートは枠外へ飛ぶ。しかし直後、MF山本ノが競り合りを制しボールはFW宮本美の足元へ。飛び出したGKの頭を超える鮮やかなループシュートで、あっという間にハットトリックを達成。3点リードで試合を折り返した。
関大は後半も序盤からチャンスを作る。同11分、DF岡村からボールを受けたMF塩見尚子(人1)がクロス。MF山本ノがヘディングシュートを放つが、GKのセーブに阻まれ追加点とはならず。前半と同様、同15分以降は相手のペースに。同16分、左サイドを崩されネットを揺らされるも、ここはオフサイドの判定に救われた。同20分、中央を崩され抜け出される。しかし、ここはGK勢古亜実(つぐみ=人4)が好セーブ。リードを守りながら、時計の針を進めた。

苦しい時間の中、関大はFW木田陽花(経2)などを投入し、追加点を狙いに行く。同32分、同じく途中出場のMF植田真央(情2)が鋭いクロスを供給。FW木田がフリーで飛び込むも、惜しくもオフサイドの判定となり得点とはならず。2分後には、MF前田柊(政策2)のスルーパスに抜け出したFW木田。GKと1対1になる。決め切りたいところだったが、シュートはGKに阻まれた。しかし、逆サイドに詰めていたFW宮本美が、冷静にゴールへ流し込み追加点を獲得。同36分にも、MF藤田祐のスルーパスを受けたFW宮本美が、左サイドから中央へカットインしロングシュートを狙う。強烈なシュートに相手GKは一歩も動けず、相手の心をへし折る6点目を挙げた。会場の熱気は最高潮となる中、試合はこのまま終了。1部リーグのスピードに苦しんだ今春だが、最終節は大量得点で勝利し、3年ぶりの1部リーグ勝利をつかんだ。



この試合で5得点を挙げたFW宮本美。前節までに6得点を挙げ、得点ランキングトップを走っていた鈴木(帝院大)が最終節を欠場し、計7得点を奪ったFW宮本美の得点王が確定した。「練習からの調子の良さを試合でも発揮できたことが、きょうの得点量産につながった」とFW宮本美。きょうの勝利で関大は7位に。1部残留をかけ、入れ替え戦に挑むこととなった。相手は、土曜日に皇后杯大阪府大会でも相まみえる阪南大が濃厚。「同じ相手とやる難しさはある。ただ、1部で戦ってきたプライドと、今まで自分は先輩たちから1部で戦うことにこだわる気持ちは受け継いできた。絶対に入れ替え戦に勝って、秋も1部で挑戦できるように頑張る」とDF徳弘主将は意気込んだ。大一番を勝利した関大なでしこ。この流れで、皇后杯関西大会出場と1部リーグ残留を決めてみせる。【文:上田峻輔/写真:上田峻輔、岩口奎心、石川玲奈】
▼DF徳弘主将
「早い段階で先制点を決めることができた。しかし、そこからすぐに失点をしてしまい、追いつかれてしまったが、落ちることなくしっかりと点数を重ねられたのがよかった。(失点こそあったが、守りは堅かった)自分たちは、失点の後に連続して追加点を取られてしまうことが課題だった。しっかり切り替えて、相手コートでプレーをしようと話をしていた。守備を堅くして、前線にボールを送れたかなと思う。(FW宮本美の活躍は)前節の武庫女戦で2点を取ってから勢いづいていた。宮本が点を取ると、やはりチームにも勢いが生まれる。試合前に宮本自身も言っていたが、4点以上取ると得点王ということで。1位の鈴木(帝院大)を抜かすという意気込みで、宮本自身も試合に入っていた。それが本当に現実になり、チームとしてもありがたいし、これからもっともっとチームを引っ張っていく存在になってほしいなと思う。(チームを総括して)後半で強度が落ちてしまう課題があったが、ベンチを含めてしっかりと話した。交代枠を使いながら、交代した選手が勢いをつけて、強度が落ちることがなく、逆に後半にしっかりと追加点を重ねれたところが良かった。ただ課題は、失点の場面であったり、試合全体を見ても押し込まれる時間が結構あった。ゴール前で粘り強く守ることや、無失点で試合を終える所は課題かなと思う。(大声援が響いた)『応援に行く』とみんなが言ってくれて。本当にありがたいなと感じた。応援も含めて、関大の良さがすごく出た試合だと思う。男子も含めて、日本一を取れるようにこれからも頑張っていきたい。(28日に行われる準々決勝に勝てば、関西大会への出場が決まる)自分が1年の時以来、チームは関西大会に出ていない。しっかり28日は勝ち、関西出場をまずは決めたい。(入れ替え戦では、同じく阪南大との対戦が濃厚)同じ相手というのは、やはり難しいところはある。この半年を1部で戦ってきたプライドであったり、今まで自分は先輩たちから1部で戦うことにこだわる気持ちは受け継いできた。絶対に入れ替え戦に勝って、秋も1部で挑戦できるように頑張る」
▼FW宮本美
「今日は1部に残れるかどうかをかけた大事な一戦だった。結果的にも勝つことができ、次につなげることができた。(ここ3試合で得点量産の要因は)とにかく調子が良かった。最近、練習のミニゲームの時からコンディションが良く、今回の試合でも調子の良さを発揮できたことが得点量産につながった。(自身の得意なプレーは)スピードを生かした裏の抜け出しや、フィジカルを生かしたプレー。(10点満点で、今日の点数は)100点!6得点のうち、5得点1アシストで勝つことができたから。(28日に行われる準々決勝に勝てば、関西大会への出場が決まる)絶対に勝ち、関西大会につなげる。(入れ替え戦への意気込みは)残留しないと秋につながらない。皇后杯も入れ替え戦も全部勝てるように自分が得点し、チームを勝たせて次につなげたい」
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