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◇第28回西日本学生選手権大会◇4月29日◇大阪市立中央体育館

『全日優勝』を掲げ、新たな関大拳法が始動した。1年生を加え、新チーム初の公式戦となる今大会。強豪が集う西日本の頂点を取るため、総力戦で挑んだ。男子は宿敵・龍大に敗れ、惜しくも準優勝。女子は強豪・立命大に代表戦の延長まで持ち込まれたが、エース・岩木美朱(みあか=法3)が女王の意地を見せ、連覇に導く。また、岩木が最優秀選手賞、小浜守哉(商1)が技能賞に選ばれた。

IMG_0262-200x133 【拳法】互角の戦い勝ち切り女子団体優勝!男子は惜しくも準優勝
△小浜(左)と岩木

男子は1チーム7人の勝ち抜き戦で行われ、予選リーグを突破した4ブロックの各1校ずつが決勝トーナメントへと進む。1人でどれだけ相手を倒すかが、勝敗の鍵だ。初戦の相手は京産大。先鋒・竹川敬治(法4)が敗れるも、次鋒・神田アレクサンダー蒼輔(法3)が2勝を挙げる。さらにこの試合は三鋒・山田航(環都4)が躍動。重い一撃でけん制し、押え込み面突きや胴突きを決め、4勝を挙げた。最後は中堅・小浜がキレの良い動きを見せ、互角の戦いに。残り14秒で大将を取り、初戦を危なげなく突破した。

IMG_9758-200x133 【拳法】互角の戦い勝ち切り女子団体優勝!男子は惜しくも準優勝
△山田

2試合目は大公大と対戦。先鋒・竹川、次鋒・神田と、ストレートで敗れてしまう。しかし、ここからこの試合の三鋒に入った内畑谷将(法3)劇場が幕を開けた。相手の攻撃を受け流し、距離感を詰め威圧していく。怒涛(どとう)の7人抜きで、決勝トーナメントに駒を進めた。

IMG_9457-200x133 【拳法】互角の戦い勝ち切り女子団体優勝!男子は惜しくも準優勝
△内畑谷

準決勝の相手は同大。先鋒が取られ、次鋒・岡田英努主将(文4)に回る。この日初仕事の緊張からか、序盤は本調子が出ず。残り30秒となったところで、組みの体勢に。押え込み面突きで1本を決め、そのままブザーが鳴った。続く次鋒対決も白星を挙げ、本来の調子が戻ってくる。しかし相手もなかなか簡単にはいかない。ギリギリの戦いの中3勝を挙げ、岡田主将の体力も限界に近づいてくる。相手中堅との対決、残り1分半を過ぎ、相手が先に1本。それでも、小さな好機をつかもうとする岡田主将らしい姿勢が見えていた。「あと30秒!」と声が飛ぶ。組みの体勢に入ると、押え込み膝蹴りで1本。さらに残り17秒で面突きを決めた。主将の意地を見せ魂の4勝で、三鋒・山田にたすきをつなぐ。山田は俊敏な動きからカウンターでけん制し、2勝。最後は、中堅・後藤琉碧(るきあ=文3)が余裕さえも伺えるストレート勝ちで決勝進出を決めた。

IMG_9671-200x133 【拳法】互角の戦い勝ち切り女子団体優勝!男子は惜しくも準優勝
△岡田主将

決勝の相手はやはり龍大。予選リーグで1戦を落とし、決勝トーナメント進出が危ぶまれたが、ポイント制によりブロック1位で上がってきた。決勝戦独特の緊張感が会場に漂う。先鋒は神田。距離を図りながら前に詰めるも、ストレートで敗れる。次鋒はこの日初試合となる三好舜(法2)。得意の胴突きを繰り出し攻める。体格差のある相手にも動じず、2本回しで1勝を挙げた。三鋒・山田は1本を先取されるも、その後は粘り、試合時間は残り30秒を過ぎる。ここで沈黙を破る面突きで1本が決まった。しかしブザーが鳴り、引き分けで中堅・小浜に託す。アグレッシブな新星が2勝を挙げ、三将・内畑谷につないだ。ここで勝利し流れを持っていきたかったが、俊敏な相手三将に決定打が決めきれず、1-1で引き分けてしまう。副将となった後藤は、同じスピードタイプの相手にもテンポ良くストレート勝ち。ついに大将との対戦を迎えた。開始直後に面突きで1本を先取。しかし、その後2本を取られ、勝敗は大将対決に委ねられた。岡田主将は出会い際1秒で、相手に飛び込み面突きで1本。会場が大きく湧いた。優勝に大手をかける。だが相手も決して甘くはなかった。胴横蹴りで振り出しに戻され、最後は押え込み面突きで宿敵・龍大に敗戦。惜しくも準優勝となった。

女子はトーナメント戦で試合が行われる。初戦は京産大と対峙(たいじ)。西日本優勝のため、流れ良く勝ちを奪いたいところだ。先鋒・倉田音香(法2)、中堅・岩木、大将・前田望結(文2)で挑む。相手に1本も取らせることなく、ストレート勝ちで初戦を難なく突破した。

IMG_9527-200x133 【拳法】互角の戦い勝ち切り女子団体優勝!男子は惜しくも準優勝
△倉田

初戦と同じメンバーで、準決勝・大公大に挑む。先鋒・倉田が不戦勝。続く中堅・岩木は相手の隙をつき面突きで1本先取すると、直後の出合い際に胴突きで2本目を決める。大将・前田も流れそのままにストレート勝ちし、決勝に駒を進めた。

IMG_9809-200x133 【拳法】互角の戦い勝ち切り女子団体優勝!男子は惜しくも準優勝
△前田

決勝戦は、昨年の全日で敗れた宿敵・立命大。雪辱を果たす時が来た。メンバーを変え、前田、中井天鈴(てんり=法2)、岩木で挑む。先鋒・前田は、警戒しながらも相手との距離を詰め、探っていく。隅に追いつめ組みの体勢を取ると、胴膝蹴りで1本を先取。その後は警戒しながら試合を展開していく。しかし、互いに警告された直後に取り返され、そのままタイムアウト。1-1で引き分け、中堅・中井へ。カウンターを仕掛け、胴突きで1本を先取。しかし相手も反撃し、1本を取り返される。残り30秒となり、胴蹴りが決まったかと思われたが場外の判定。その後も審判の旗は上がらず、1ー1で大将・岩木に望みを懸けた。相手は互いに手の内を知る野村(立命大)。流れは立命大に傾いていたが、確実な1本は出ず。試合は代表戦に持ち込まれた。先取したのは岩木。きれいな面突きで1本を奪う。しかし、相手も負けじと押え込み面膝蹴りを決め、勝負は無制限一本勝負の延長戦に。熾烈(しれつ)な戦いが繰り広げられたが、最後は岩木が面突きを決め切り、2連覇を果たした。

アベック連覇を狙う関大拳法だったが、惜しくも男子は準優勝という結果に。試合直後には「悔しい」ただその言葉だけが響いていた。課題が多く残る大会となったが、この敗戦が、きっとこの先の糧となる。まずは6月に待つ選抜大会。挑戦者・関大が全国に名を知らしめる。【文:水井陽菜/写真:春田史帆】

▼岡田主将
「(新チームとして初の公式戦だったが)今まで練習してたことをしっかり出し切れるように、みんながけがをしないように、ということを目標に、優勝を目指して挑みました。(決勝は互角の戦いで惜しくも準優勝。率直な気持ちは)めちゃめちゃ悔しいです。自分が決めないといけないところで決められなかったのが本当に悔しくて。やっぱりみんな頑張ってくれていたのに、自分が勝ち切れなくて本当に悔しいという感じす。(惜敗したが、1年生の小浜が活躍した)技能賞に値する活躍をしてくれたなと思っています。(6月の選抜大会への意気込み)これまで通りの練習では勝てないので、これまで以上に質と量を上げて、大会当日までにしっかり調整して、いい状態で迎えられるようにしたいと思います」

▼岩木
「(優勝した率直な気持ちは)決勝のメンバーは昨年と変わらなかったんですけど、新入生が入って新チームとして初めての試合で優勝することができて良かったです。(決勝の相手は予想通り立命大)まず負けて次につながないというのを話していたので、みんなが引き分けで、後ろにつないできてくれたので良かったです。(大将戦は互いに手の内を知る野村)今回はいつもより戦いやすかったというか、いい距離感で戦えていたので、『勝てる』というのが自分の中でありました。(6月の選抜大会に向けて)昨年は選抜、全日と、団体で優勝することができなかったので、今回はこの西日本が取れたので、このまま勢いに乗って選抜でも優勝できたらなと思います」

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