◇第93回全日本フィギュアスケート選手権大会3日目◇12月22日◇東和薬品RACTABドーム
[女子FS結果]
18位 白岩 119.72
[女子総合結果]
19位 白岩 178.72
全日本フィギュアスケート選手権大会(全日本)最終日。女子のフリースケーティング(FS)が行われ、今季で引退となる白岩優奈(文4)が最後の全日本に臨んだ。笑顔で滑り切ると、最後は目を潤ませながら、スケートリンクを後に。観客の温かい拍手で見送られた。

ショートプログラム(SP)を18位で通過した白岩。FSのプログラムは鈴木明子さん振付の『The Mission』だ。「スケートの楽しさ、滑れることのうれしさ、前を進んでいくという気持ちを表現する」と意気込んだ。冒頭の3回転ルッツ+3回転トーループのコンビネーションを美しく着氷させる。練習でほとんどミスをすることがないという3回転サルコーで転倒してしまったものの、その他のジャンプは次々と着氷させた。コレオシークエンスではGOE(出来栄え点)1.21の高い加点。さらに終盤のスピン2つでは、レベル4を獲得した。一つ一つかみしめるように、丁寧な演技を披露。演技が終わると、スタンディングオベーションが沸き起こる。白岩のバナータオルを掲げる観客も多く、会場は拍手で包み込まれた。スケートリンクを出る際も、拍手は鳴り止まず。おととしの休養前は、スケートを楽しめなかった時期もあったという。「スケートが楽しいという気持ちを大切にして滑ってきましたし、この全日本でも楽しく終えられたので、次の人生に向けて、悔いなく一歩前に進んでいけそうだなと思います」とコメントを残した。

最後の全日本を笑顔で締めくくった白岩。1つの節目を迎え、来春からは社会人として新たな道を歩む。たとえ場所は違っても、次のステージでも、楽しみ、笑顔があふれることを祈る。【文:貴道ふみ/写真:中吉由奈】

▼白岩
「(演技を終えて)SPに比べたら、いい演技をしたいと緊張していたのですが、最後まで強気でいけたかなと思いますし、何よりスケートが楽しいという気持ちが表現できたと思います。(本田武史コーチは)うるっと(笑)『もうちょっと泣かせてほしかった』と言われてしまいました。サルコーがまさかの失敗で、曲をかけた練習でサルコーは失敗しないので。自分でもびっくりでした。そこで引っ込んだかもしれないです。(滑っている時の気持ち)演技前は大きな声援やバナーがたくさん見えたので、ついにこの景色も最後かと少し感慨深いというかぐっときてしまいましたけど、演技中は気持ちを切り替えられて落ち着いて演技を、一つ一つ丁寧に、サルコー以外はできたかなと思います。(元コーチである濱田美栄さんに声をかけられていた点について)濱田先生には、お疲れ様と言っていただきました。(最後の全日本について)あまり最後最後と考えずに、意識することはなかったのですが、やはり自分がこの全日本でいい演技をするためだけに1年間続けてきたので、笑顔で終えられるようにというのは目標に、自分自身と向き合って、追い込んで練習してきました。(スケートが一番楽しいと実感する時)試合でたくさんの応援をいただいた時は、本当にスケートをやっていて良かったと感じますし、練習中もわりと私は楽しんでいて、失敗もたくさんするのですが、こけるのもスケートやしみたいな感じで、全てのエレメンツの練習は楽しんでやってきたかなと感じます。(大阪主催について)友人たち、後輩、リンクメートの方であったり、兄も来てくれています。(今の心境)笑顔で終えることができたので、1年間自分と向き合って、追い込んできて、良かったかなと思います。休養前はスケートすることがしんどいというか、楽しめないこともあって。それからは、スケートが楽しいという気持ちを大切にして滑ってきましたし、この全日本でも楽しく終えられたので、次の人生に向けて、悔いなく一歩前に進んでいけそうだなと思います。(これからのことについて)社会人として、会社に勤めて、パソコンをかたかたします。スケート界に残ることは今考えていなくて、とにかくスケートはやり切った、楽しめたと思っているので、しばらくは自分が楽しいと思える範囲で、卒業まではちょっとずつ氷には乗っておこうかなと思います。(スケートで学んだことを社会にどう生かすか)準備することの大切さを感じできたので、今後社会人として社会に貢献していく上で、発表であったりプレゼンテーションであったり、準備をして、そこに向けて逆算してスケジュールを組むことは生かしていけたらなと思います。(ファンの方々に向けて)私がなかなかうまくいかなかった時、良い時ももちろんですが、私がスケートを楽しめなかった時も、変わらず応援してくださったファンの方々には、本当にたくさん勇気をもらいましたし、本当に心からの感謝をお伝えしたいと思っています」
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