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小学生の頃から6年続けたバレーボールの最後の試合。中学3年の私は、しゃくりあげるように泣きながらアタッカーにトスを上げていた。

そこまで強くないけれど、無駄にスパルタ。体育館工事のせいで、グラウンドの隅で練習する日々。トスを上げるたびに目に砂が入る。他校より練習環境があまりにも悪かったが、なぜか私たちの代は顧問に期待されていた。頼もしい同期がいたから、苦しくても乗り越えていけたと思う。でも、中学2年の終わり頃に流行り始めた新型コロナ。最後の大会も、上には続かない、ほぼ交流試合のようだった。1日目、1試合目を終えた後高熱が出た私は、残った試合を同期と後輩に託して早退。大事な場面で迷惑をかけてしまう自分が情けなかった。2日目、もちろん体調は優れなかったが、無事回復し試合出場。いくら頑張って試合に勝っても最後なんだという悲しみのせいで、私はメンバー全員が気づくほどのしゃくり泣きをしていた。すぐに泣いてしまう、昔からずっと変わらない私の短所。セッターとして、副キャプテンとして、最後の最後に迷惑をかけて終わってしまった。だけどそれでも、試合終了時には「部活の仲間ってかけがえのないもので、自分もその一員になれて良かった」。初めて心からそう思うことができた。

ただ、高校では競技を続けることはなかった。バレーボールは好きだったけれど、勉強への体力を残したいという理由で、マネージャーとしてバレー部に入部。ゆるい部活だったから、言ってしまうと楽だった。顧問と部員のあたたかさに包まれながらも、あまりやりがいを感じない日々。引退式では中身のないメッセージしか浮かばなかった。出会えた人たちにはもちろん感謝でいっぱい。でも、高校3年間、充実したとは言い切れなかった。

4年間の大学生活、今までで一番充実させたい。その一心で入学したものの、サークルなどの新歓に行くのははかどらず、何も決まらないまま5月も中旬にさしかかった。そんな時、すでに入部していた友達のおかげで、カンスポの存在を知る。「この機会を逃したら後悔する気がする」。そんな直感が走り、すぐに入部を決めた。同期とも早くに打ち解け、やっと居場所を見つけた感覚だった。

IMG_2572-200x133 一期一会
△初めてのヒーローインタビューをする

入部して約7カ月が経過。一生懸命に、努力するKAISERSを応援できて本当に楽しい。私の活動がなんのためになるのか、今はまだ実感できていない。でも、自分の中で消化させるためだけにやっているのではない、ということは確かだ。来年から3つの班長競技を持つ。学生記者としての生活はまだ始まったばかり。人との繋がりを大切にして、このカンスポで過ごす時間を充実させたい。【吉野日菜多】

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