◇2024年度全日本大学対抗王座決定試合◇11月4日◇有明テニスの森◇
【男子3位決定戦】
○関大5-4近大
●D1 井戸垣・坂本組0(1-6,3-6)2新出・桃山組
●D2 堤・岩本組0(1-6,4-6)2伊藤・蔡
○D3 薦田・糸永組2(6-4,7-6(2))0大下・磯打組
○S1 岩本2(3-6,7-5,6-3)1蔡
●S2 井戸垣0(4-6,4-6)2大沼
○S3 堀川2(6(1)-7,7-6(7),7-6(5))1新出
○S4 堤2(7-6(0),6-4)0宮田
○S5 武方2(3-6,6-3,6-1)1桃山
●S6 大島1(7-6(5),2-6,3-6)2藤岡
[最終結果] 3位
【女子決勝】
●関大2-3筑波大
●D1 山口・山本組0(3-6,4-6)2毛呂・吉本組
●D2 中西・中川組1(5-7,6-4,9-11)2西尾・吉田組
○S1 山口2(3-6,6-4,1-0RET)1吉本
● S2 田中1(6-1,4-6,1-6)2櫻田
○ S3 髙山2(6-4,2-6,6-3)1毛呂
[最終結果] 準優勝
王座最終日、男子は3位決定戦、女子は5年ぶり2回目となる決勝に挑んだ。男子は近大と対戦し、5戦4勝で見事3位入賞。女子は昨年の優勝校・筑波大と対戦し健闘を見せるもあと一歩及ばず。王座初制覇を成し遂げることはできなかったが、5年ぶり2度目となる準優勝を果たした。
男子3位決定戦D2に出場したのは、堤隆貴(社3)・岩本晋之介(商3)組。第1セットは相手に流れをつかまれる。第4ゲームをブレイクされたことを皮切りに、そこから3連続でゲームを献上。ゲームカウント1-6で第1セットを奪われた。切り替えたい第2セットは、いきなりゲームを3連取する上々の立ち上がり。しかし、ゲームカウント4-1となったところから相手が再び巻き返しを見せる。堤・岩本組にもミスが増え、思うように得点を重ねられない。ゲームカウント4-6で第2セットも落とし、敗北となった。
D1を務めたのは井戸垣一志主将(人4)・坂本健英(たけひで=人1)組。第1ゲームのキープを許すと、第2ゲームをブレイクされた。そこから一気に相手が勢いに乗り、井戸垣主将・坂本組は太刀打ちできず。ゲームカウント1-6で第1セットを献上した。巻き返しを測りたい第2セットだったが、第1セットからの流れを変えられず。相手の熱量あふれる応援にも押され、ゲームカウント3-6で第2セットも落とす。ダブルス2敗目となってしまった。
D3には、薦田直哉(商2)・糸永龍矢(政策1)組が登場。序盤から、互いに譲らない拮抗(きっこう)した展開が続く。緊迫した状況の中、第1セットをつかんだのは薦田・糸永組。ゲームカウント6-4で先取した。続く第2セットも、白熱した戦況となる。ゲームカウント5-6で迎えた第12ゲームを、ストレートでキープ。ゲームカウントは6-6となり、タイブレークへと突入した。点を取っては取られての展開となるが、3点目を先取してから一気に流れを手繰り寄せる。コートチェンジ後も勢いは衰えず、ゲームポイント7-2で第2セットを死守。ダブルスでの1勝に貢献した。
S5を務めたのは武方駿哉(人1)。序盤は互いにゲームを分け合うが、ゲームカウント2-2から相手ペースに。1ゲーム返すも相手の流れを止められず、ゲームカウント3-6で第1セットを落とした。しかし第2セットでは、打って変わって武方が試合の主導権を握る。ゲーム6-3で第2セットを奪い返し、試合を振り出しに戻した。体力勝負のファイナルセットでは、武方が優勢に。相手を寄せ付けず、ゲームカウント6-1で第3セットを奪い取る。シングルス初の1勝目をもたらした。
S4には堤が登場。第1セットから、互いのキープゲームが続く。ゲームカウントは6-6となり、タイブレークへと突入した。持ち前の力強いテニスで相手を圧倒し、あっという間に7得点を先取。第1セットを奪い取った。その後も、一時リードを許す場面もあったが、見事巻き返し第2セットも奪取。チームに貴重な1勝を持ち帰った。
S5には、大島望(人3)が出場。第1セットでは中盤までリードを許すが、終盤で追いつきタイブレークへと持ち込む。ゲームポイント5-5となってから一気に畳み掛け、2連取。接戦の末、第1セットを奪った。続く第2ゲーム、先にブレイクに成功したのは大島。しかし直後をブレイクで返されると、主導権は一気に相手の手中に。ゲームカウント2-6で第2セットを落とした。ファイナルセットでは、勢いに乗った相手を止めることができず。ゲームカウント3-6でこのセットを落とし、悔しい逆転負けを喫した。
S3の堀川莞世(文4)が登場。第1セットから激しい点の取り合いとなり、両者一歩も譲らない。ゲームカウントは6-6となり、タイブレークへ突入した。第1セットを奪いたい場面だったが、一気に4連続失点。サービスエースで1点を返すが、相手の勢いは止まらず。ゲームポイント1-7で、第1セットを落とした。続く第2セットも、拮抗(きっこう)した戦況が続く。ゲームカウント6-6で、再びタイブレークへと突入した。第1セット時とは異なり、序盤から堀川がリードする。しかし中盤から追い上げられ、ゲームポイントは7-7に。大学テニス最後の試合、勝敗がかかった場面で底力を見せる。そこから連続でポイントを獲得し、第2セットを奪取。土壇場で試合を振り出しに戻した。しかし流れが変わったかと思われたファイナルセットでも、点の取り合いが続く。既に日が暮れる中、3度目のタイブレークへと突入した。互いのプライドがぶつかり合う激しい点の取り合い。ゲームポイント3-3でのコートチェンジ後、2連続で失点してしまう。しかし、ここから堀川が真骨頂を発揮。疲労が蓄積される中、途切れない集中力を力に連続得点を獲得する。マッチポイントを獲得し、最後はサービスエースがさく裂した。勝利の瞬間に思わずうずくまる堀川に、歓喜の声がテニスコートを包む。うれし涙とともに、自身の競技人生に華を添えた。
S2には井戸垣主将が登場した。中盤まで互いのキープゲームが続くが、ゲームカウント4-4で迎えた第9ゲームをブレイクされる。続く第10ゲームをブレイクで返すことができず、第1セットを先取された。第2セットも拮抗(きっこう)した展開となる。しかし、ゲームカウント3-3となった第7ゲーム。ここをブレイクされると、再び試合の流れが相手に。部員が駆けつけエールを送るも、巻き返すことはできず。チームを支え続けた主将の現役最後の試合。白星を飾ることはできなかったが、後輩からの盛大な拍手とともに、「ありがとう」の声がコートに響いた。
シングルス最後にコートに入った岩本。4勝4敗となり、3位決定戦の勝敗が委ねられた。サーブが入らない場面が多く見られ、第1セットをゲームカウント3-6で落としてしまう。追いつきたい2セットは、互いに主導権を譲らない展開に。ゲームカウントが5-5となった場面で、積極的なプレーを見せたのは岩本。第11ゲーム、第12ゲームを、キープ、ブレイクすることに成功し第2セットを奪い返した。調子を取り戻したファイナルセットは、ゲームカウント5-1と大きくリード。このまま勝負を決めるかと思われたが、相手も意地を見せてくる。2ゲームを返されゲームカウント5-3となった、岩本がサーブ権の第9ゲーム。得意のサーブで得点を重ね、最後はサービスエースが決まる。3位を決定づける勝利に、部員全員に笑顔があふれた。
女子決勝D1には山口花音(経3)・山本未来(文2)組が登場した。互いにキープでゲームを分け合い、迎えた第3ゲーム。2人の息のあったプレーでブレイクに成功した。この勢いのまま第1セットを先取したいところだったが、1枚上手に立ったのは相手。ゲームカウントが3-3と並んでから一気に畳み掛けられ、ゲームカウント3-6で第1セットを奪われた。続く第2セットは、序盤からリードを許す形に。しかし徐々に追い上げ、ゲームカウントを4-4とした。だが直後の第9ゲームをブレイクされ、第10ゲームをブレイクで返すことができず。第2セットも献上し、悔しい黒星となった。
D2には中西夢乃(経4)・中川桃(商4)組が出場した。第1セットから白熱した展開となる。拮抗(きっこう)した戦況を制したのは相手。ゲームカウント5-5から2ゲームを献上し、第1セットを奪われた。続く第2セットも、ゲームカウント1-4まで大きく差を離される。しかしここから、中西・中川組が本領を発揮。一気に3ゲームを連取し追いつくと、第9ゲームもブレイクに成功する。中西がサーブ権の第10ゲームは、何度もデュースとなる激しい展開に。それでも最後はチャンスをしっかりとものにし、キープに成功。今まで何度も逆転勝利を見せてきた2人が、土壇場で追いついた。運命の10ポイントタイブレークでも、点の取り合いが続く。一時ゲームポイント7-5までリードするが、ここで相手も黙っていはいなかった。ミスを誘う力強いプレーで、中西、中川も失点が重なる。一気に4連続ポイントを献上し、ゲームポイントは7-9に。追い込まれたが、中西のナイスリターン、そして中西の鋭いボレーで同点に追いつく。デュースとなった場面で、勝機を手繰り寄せたのは相手だった。マッチポイントを献上すると、最後は中川のリターンがアウト。2時間半超の試合の末、悔しい敗北を喫した。
S2を務めたのは田中伶奈(文1)。準決勝で敗戦を喫し涙をのんだ雪辱を果たすべく、序盤から攻めたプレーで相手を圧倒する。ゲームカウント6-1で第1セットを先取した。この勢いのまま大金星を挙げるかと思われたが、相手も関東の実力者。ゲームカウント2-2で迎えた第5ゲームをブレイクされたことを皮切りに、相手が勢いに乗り始める。ここで勝負を決め切ることはできず、ゲームカウント4-6で第2セットを献上した。ファイナルセットへもつれ込む接戦は、第2セットの勢いそのままに相手のペースで進む。ゲームカウント0-4とされてしまうと、なんとか1ゲームを返すもスコアを覆すことはできない。第3セットを献上し、黒星となる。3敗目となったため、関大の敗北とともに準優勝が決定した。
S3に登場したのは、髙山揺(商1)。準決勝でも早大の強敵に白星を挙げた、期待の新星だ。序盤からコートを広く使ったプレーで相手を翻弄(ほんろう)し、得点を重ねる。最後は第10ゲームをブレイクし、ゲームカウント6-4で第1セットを先取した。しかし第2セットは打って変わって相手のペースに。ゲームカウント2-6で第2セットを落とし、試合は振り出しに戻った。両者疲れの表情が見える中、最後の力を振り絞ってラケットを振り切る。力強いプレーが一歩相手の上手に立ち、勝機を手繰り寄せた髙山。ゲームカウント6-4でファイナルセットを制し、見事白星をあげた。
シングルス最後に試合が始まった山口。互いにS1の期待を背負う中、第1セットの流れをつかんだのは相手だった。ゲームカウント3-6で第1セットを献上してしまう。しかし第2セットに入ると、徐々に山口が試合のペースを握るように。ゲームカウント3-3で迎えた第7ゲームをブレイクすることに成功し、その後一気に畳み掛ける。ゲームカウント6-4で第2セットを奪い返した。ファイナルセットの第1ゲームを終えたところで、相手が棄権。山口の勝利が決まった。筑波大を前に、2勝3敗。優勝までは手が届かなかったものの、王座制覇まであと一歩のところまで到達しているということを証明した。
男子は近大を撃破し3位入賞。女子は惜しくも筑波大に敗北したが、5年ぶりの2位と躍進を見せた。来年こそ、悲願の王座優勝へ。関大テニス部の歩みが、再び始まる。【文/写真:合田七虹】
▼井戸垣主将
「(3位決定戦にどのような気持ちで臨んだか)準決勝で負けて日本1位にはなれなかったですけど、なんとしても関西1位を証明しようと思って臨んでいました。(今日のシングルスについて)個人で2敗したのは2年生リーグ戦ぶりで、今日はチームに何を一つも貢献できなかったので、もう本当にチームのみんなに感謝しかないです。(王座を通して、どんな後輩たちだったか)本当に頼もしい後輩たちだなっていうふうに思います。「一志さんを勝たせたいです」とか、「絶対日本一になりましょう」というふうに言ってくれる後輩ばかりでした。キャプテンをしている自分にとって、すごく自分が引っ張ったというよりも、本当に同期も含め、後輩もみんなが引っ張ってくれて、みんなに支えられて自分はキャプテンをすることができたなと思います。(準決勝の壁についてどう感じたか)ダブルスは鍵になるというか、どこの大学を見てもダブルスが強いと感じます。準決勝でももし2-1や3-0にできていたら違う展開になっていたかもしれないですし、この1年間ダブルスの強化はチームとして取り組んでいたんてすけど、日大が強かったなと思います。(後輩たちへのメッセージ)頼もしい後輩ばかりですし、強い選手がそろっているので、僕たちが達成することができなかった準決勝の壁を越えて、王座優勝を達成してほしいなと思います」
▼堀川
「(接戦となった3位決定戦のシングルスを振り返って)選手としてやる最後の試合で、すごくいろんな思いの中で試合に入ったんですけど、まさかあんなスコアになるとは思ってなかったんですけど、今まで15年してきたって一番いい試合ができたんじゃないかなと思います。心からうれしく思います。(どんな思いが一番こみ上げてきたか)応援してくれた人への感謝の気持ちであったりとか、今日両親も来てくださったんですけど、やっぱり両親への感謝の気持ちやコーチへの感謝の気持ちでいっぱいです。(4年間を振り返って)苦しいことも多かったですけど、大会に出てチーム一丸となって結果を出した時に、このためにやってきたんだなと思えますし、すごくうれしかったです。この4年間が人生の思い出になるし、これを軸としてこれからも頑張っていきたいと思います」
▼中西女子主将
「(準決勝振り返って)ダブルスを1-1で折り返して、シングルスも1-2になって、髙山も結構負けていたので、そこから挽回して勝ってくれたのは本人もすごく頑張ってくれてたんですけども、一番はチーム全員で最後まで諦めず戦えたのがよかったと思います。(準優勝の結果を受けての気持ち)ダブルスに出させてもらったんですが、ダブルスで1本取れてたら結果が変わってんじゃないかなという悔しい思いもあります。ただ今までは3位という結果だったので、ひとつ上の段階に行けたこともうれしいですし、5年振りに決勝に自分の代で行けたこともすごううれしく思います。(今年、決勝に行けた要因)一人一人の意識もすごく良かったかなと思いますし、全員が勝ちにこだわって毎日行動できていたのが結果につながったんじゃないかなと思います。(自身にとって最後の王座を振り返って)王座に出させてもらったのが初めてだったので、すごく緊張もありましたが途中からはやるしかないなという気持ちで、最後は負けてしまったですがベスをト尽くせたので後悔はないかなと思います。(後輩に向けてメッセージ)頼もしい後輩しかいなくて、絶対王座取れるって今回感じたので、とにかく頑張って王座取ってほしいなと思います」
▼中川
「(準優勝の結果を受けての気持ち)目標は優勝だったので悔しい気持ちはありますが、みんなでベスト尽くして全力戦えた結果だと思うのでうれしく思います。(準決勝振り返って)自分達が取らないとけないところで落としてしまったんですけど、たくましい後輩達がつないでくれて、自分は最後の山口のベンチコーチに入ったので、ベンチコーチで山口を絶対勝たせて、チームをそこで勝たせるという気持ちで頑張りました。(決勝を振り返って)今日も自分達が勝っていればチームが目標の優勝を取れた可能性が高かったかなと思うので、最後取りきれなかったのが悔しい気持ちでいっぱいなんですけど、みんな最後まで全力で応援してくれて、全力で一緒に戦ってくれて、やり切れたので良かったと思います。(自身にとって最後の王座を振り返って)苦しい場面がいっぱいあった王座でしたが、この1年間キャプテンの中西が引っ張ってくれました。みんながすごく仲良くて、いい意味で上下関係があまりないと言うか、しっかりするところはしっかりして、この大好きなチームで戦えたすごく楽しい1週間でした。(後輩に向けてメッセージ)たくましい後輩達ばかりで、来年こそは絶対優勝を成し遂げれるじゃないかと思うので、自分達の悔しい気持ちを背負って優勝してくれたらうれしいと思います。頑張ってください!」
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