近大相手に接戦の末敗北、全国に向けて早くも黄色信号
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◇2024秋季関西学生リーグDiv.1第2節◇対近大◇9月8日◇於・MK TAXI FIELD EXPO◇
【第1Q】関大3-7近大
【第2Q】関大14-14近大
【第3Q】関大6-7近大
【第4Q】関大8-7近大
【試合終了】関大31-35近大
昨秋13年ぶりに関西王者に返り咲いた関大。日本一、ただ一点を見つめ、歩み始めたがリーグ序盤にして早くも追い詰められた。近大相手に5タッチダウン(TD)を決められ、獲得㍎数でも上回られる。関大のミスや反則がかさみ、完敗。上位3校が進出できる全国トーナメントへの道も険しいものとなった。
K中井慎之祐 (法3)のキックで幕が開けたこの試合。ランを中心に攻撃を展開してくる相手に対応し、パントキックを蹴らせることに成功する。直後の関大ファーストドライブ。いきなりQB須田啓太主将(文4)からWR岡本圭介(文4)への40㍎に及ぶパスが通り前進する。しかし、直後のプレーでインターセプトを受け、攻撃権は相手に。序盤から目まぐるしく展開が変わる。
そんな中、最初にスコアを動かしたのは近大だ。パスとランを組み合わせゲインを許すと、関大DB陣の決死のディフェンスも実らず。パスTDを決められ先制点を与えた。反撃したい関大は直後のドライブ。RB阪下航哉(社4)のランプレーを中心に攻撃を組み立てる。最後はK中井が36㍎のフィールドゴール(FG)を落ち着いて決め、詰め寄った。
続く第2Q、なんとかして最初のTDを挙げたいところだが、次の得点を決めたのも近大。パスプレーで2本目のTDを決められてしまう。重苦しい雰囲気が漂う中、一変させたのはDB河村龍(法3)。低いタックルでロスを誘うと、続くプレーでは相手陣2㍎のところでインターセプトに成功する。この好機でRB前川礼男(経2)が押し込みTD。一気に関大ベンチに流れを呼び込む。
続くディフェンスシリーズでは、LB般谷星名(経3)のタックル、LB般谷飛向(経4)のQBサックが決まり、一度もファーストダウン更新を許さず攻撃権を手にした。するとディフェンス陣の粘りにオフェンスチームが呼応。RB阪下、RB山嵜紀之(経3)のランでゲインすると、最後はRB前川が今シーズン早くも5つ目となるTDを決めた。直後にみたびTDを許しながらも4点差で前半を折り返す。
勝負の後半戦、最初のオフェンスシリーズでTDを決め逆転といきたいところだったが簡単にはかなわない。ファンブルもあり攻撃権を奪われると、逆に今度はランプレーでTDを許し、なかなか波に乗り切れず。エースキッカー・中井のFG失敗、反則による大幅な罰退など徐々に暗雲が立ち込める中、チームを生き返らせたのがWR溝口駿斗(商4)。この春アメリカから帰ってきた男は、QB須田主将からの47㍎パスを飛び込みながらキャッチ。常人離れの身体能力とボールへの執着心でTDをもぎ取り、チームを鼓舞する。
点差はわずかに5。第3Qの勢いそのままに最終第4Q、近大ディフェンスに襲いかかる。RB阪下、RB山嵜のランでファーストダウン更新すると、残り17㍎をRB山嵜が駆け抜けTD。さらにポイント・アフター・タッチダウンもRB前川のランプレーが決まり2点を追加する。この時点で試合時間は残り10分。なんとか逃げ切り、あわよくばさらなる加点を狙いたいところだが、難敵は最後まで食らいつく。関大ディフェンスの反則もあり、押し込まれると最後はこの試合5つ目のTDを許し再度追いかける展開に。最終盤、逆転のラストチャンスをかけ、ドライブを仕掛けるがQB須田主将からWR岡本を狙ったパスはまさかのインターセプトを許し万事休す。ランプレーで時間を使われ、タイマーは0を指した。
試合後呆然とフィールドを見つめる選手たち。悔し涙を流す選手の姿もあった。試合にかける思いの差。積み上げてきたここまでのキャリアに対するプライド。1プレーや勝利への執着心。どこに差があろうとも1敗の事実は消えない。それでもまだ全国トーナメントへの可能性は残っている。今後の試合を全勝し、再び日本一を目指す集団へ。次にKAISERSがフィールドに降り立つ時、その真価が問われる。【文:稲垣寛太/写真:井原郷志】
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