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木科、片伊勢、FSでベスト尽くした

木科、片伊勢、FSでベスト尽くした

◇第92回全日本フィギュアスケート選手権大会3日目◇12月23日◇於・ビッグハット◇

[男子FS]
11位 片伊勢 141.85
21位 木科 123.60

[男子最終結果]
12位 片伊勢 212.26
23位 木科 188.12

大会3日目は、男子フリースケーティング(FS)の演技が行われた。21日にショートプログラム(SP)を終え、予選通過者のみがFSを滑ることができる。関大からは木科雄登(安全4)が第1グループ(G)に、片伊勢武アミン(法2)が第2Gに出場した。木科は全日本では3年ぶりにFSを披露。気迫の滑りを見せた。一方、片伊勢は、SPでは思うような演技とはならなかったが、FSでノーミスの演技を披露し、会場はスタンディングオベーションで応えた。

木科は、こだわりの詰まったプログラム『Primavera』で臨んだ。冒頭のトリプルアクセルは転倒してしまう。しかし、続く3回転ルッツや、ダブルアクセル+3回転トーループ、ジャンプ3つのコンビネーションジャンプを、次々と着氷させていった。中盤には力強い歌声が入り、徐々に盛り上がっていく。そして、レベル4のスピンや、全身を大きく使ったステップを見せた。後半のジャンプは、3回転フリップ、3回転ループ+2回転トーループ、3回転ループを跳ぶ。前の2つはクリーンとはならなかったものの、しっかりと着氷させた。ジャンプを全て終え、終盤のコレオシークエンスに入ると、気持ちのこもった力強いスケーティングを披露。天を見るような振り付けでは、「普段の試合の3倍くらい大きく動けた。みんなの気持ちを背負って滑ることができたなと。気持ちよく滑れた」と、情感たっぷりに滑る。最後まで全力の演技を見せた。

△木科

第2Gの最初に登場した片伊勢。自然と大地のエネルギーをテーマにした曲『Tree of Life Suite』を滑る。冒頭から美しいトリプルアクセルを決めた。続けて、3回転ルッツ+ダブルアクセル、3回転ループを着氷。さらに、レベル4のスピンを決め、安定した立ち上がりを見せた。ステップシークエンスでは、丁寧で緩急のついた滑りを見せる。続けて、この日2本目のトリプルアクセルを含んだ、コンビネーションジャンプを着氷。後半には、3回転サルコー+3回転トーループ、3回転ルッツ、3回転フリップを跳び、全て降りた。壮大なオーケストラが響き渡る終盤。コレオシークエンスでは、長くて美しいイナバウアーや、伸びのあるスケーティングで曲の世界観を表現した。終盤にも関わらず、疲れを感じさせないスピンを2つ披露し、いずれもレベル4を獲得。大きなミスのない演技にまとめ、観客の心をつかんだ。

△片伊勢

全日本の大舞台を、最後まで滑り切った2人。最終順位は、片伊勢が12位、木科が23位となった。木科は関大の大学院へ進学し、スケートを継続する。「また全日本に出られるように、全力で頑張りたいです」(木科)。片伊勢は、回転不足はついたものの、FSにトリプルアクセルを2本組み込み着氷させるなど、着実にレベルアップしている。関大の男子7、8級の2選手に、これからも注目したい。【文/写真:松尾有咲】

▼木科
「(今日の演技を終えて)とりあえず終わってほっとしています。解放されたなという感じです。(久しぶりの全日本でのFS)一昨日のSPの緊張感とは全く違ったもので、ほぼ緊張なく今日は練習通りという感じで試合に入れました。特別な舞台ではあったんですけど、集中できたかなと思います。(緊張しなかった理由は)SPは1つのミスで落ちてしまうという恐怖との戦いなので、めちゃくちゃ緊張したんですけど、FSは1点でも多くというのが前提としてあります。そういう部分で楽な気持ちで挑めたかなと思います。(楽しめたか)途中スケーティングの部分で転倒しそうな部分があって、ひやっとしたんですけど、気持ちを切らさずにできたので、最後のコレオからはめちゃくちゃ楽しめました。(全日本で自分を褒めるとしたら)諦めずにここに戻って来れたことを褒めてあげたいなと思います。(全日本に対して難しく考えてしまうことはあったか)去年SP落ちしてしまって、その後にけがをして、2、3ヶ月氷から離れている期間があったので、強制的にスケートを忘れられる時間ができました。そのおかげで、けがをしているから早く滑りたいという気持ちの方が大きくて。全日本に戻りたいというよりかは、スケートに戻ってきてから、全日本に出たいという気持ちになりました。(FSをようやく全日本で披露できて)元々、樋口美穂子先生に振り付けをお願いしたくて、やっとかなった今回の『Primavera』でした。その中で、一昨年はけがをしていて、けが明けのシーズンだったので、激しい曲よりかは滑らかな曲でというのを、濱田美栄先生から樋口先生に伝えてもらって、候補の中で一番これだと思った曲が『Primavera』でした。振り付けは、最初に儚い恋をテーマにしようと言われたので、なんとなくピンクのイメージかなと思ったので、自分で(ピンク色を衣装に入れるよう)オーダーしました。やっとこの舞台で滑ることができて気持ちよかったです。(最後のコレオシークエンスはどんな気持ちで滑っていたか)この1年辛かったことも多かったですけど、スケートを楽しむという気持ちだったり、支えてくれた人への感謝の気持ち。天を見るような振り付けがあるんですけど、そういうところでは、普段の試合の3倍くらい大きく動けたなって。みんなの気持ちを背負って滑ることができたなと、気持ちよく滑れました。(今後について)大学を卒業して、関大の大学院に進学するので、来年以降は研究や就職活動で忙しくなると思うんですけど、また全日本に出られるようにやっていこうと思っています。あと2回チャンスがあるので、全力で頑張りたいです。(理想の全日本は)パーフェクトな演技をしてみたいなというのがあります。今年もそれを目指して構成を落としてやってはいたんですけど、なかなか難しい部分も多かったです。今回は第一段階ということで、2年後の全日本に向けて、そこを集大成に調整していきたいです」

▼片伊勢
「(振り返って)SPがふがいない結果になってしまったんですけど、FSでは今できる自分の最低限やるべきことはできたかなと思います。納得はしていないんですけど、SPよりかはいい気分で終われました。(慎重にいっていたが、観客の反応について)SPの時から変わらずたくさんの応援をいただいているのを感じていて、歓声や拍手をすごくしていただけたのがうれしいです。自分の見せたい世界観や魅力が少し伝わった結果なのかなと思います。(SPからFSに向けて気持ちをどう切り替えたか)正直あまり切り替えることはできなかったんですけど、今日はあまり色々考えずに無になる感じで、自分の演技だけに4分間集中できるように。それだけを意識してやりました。(演技で一番良かったところは)FSで2つトリプルアクセルを降りることが1つの目標だったので、回転不足は付いてしまったんですけど、形としてはトリプルアクセルを2つ成功できたのは自分としてもすごくうれしいです。(納得いかない部分はどういうところか)自分の演技に集中はしていたんですけど、思い切りの良さであったり、少し慎重になってしまった部分がありました。そういうところはもう少しできたかなって。それができていたらもう少し点数につながっていたのかなと思うので、少し悔やまれるかなという感じです。(今年の全日本は、どんな全日本になったか)試合で自分の実力とか、練習してきたことを出すことの難しさをすごく感じました。全体としてはやはり少しふがいない結果に終わってしまうと思うんですけど、また今後があるとしたら、きちんと練習を積み重ねて、同じことにならないようにしたいなと思います。(この試合が今年最後だが、2023年はどんな1年だったか)去年まででは考えられないような位置で全日本を迎えることができましたし、自分のレベルが少しずつ上がっているのは感じるんですけど、上がれば上がるほど、厳しいところがたくさん出てきました。色んな経験ができて充実した1年だったかなと思います。(演技前は先生とどんな話をしたか)SPが終わった時から、たくさん会話はしたんですけど、自分の思いも全て吐き出して、今日は深く考えずに、とりあえず最後まで全力で練習を信じてやろうというふうに先生と決めてやりました。少しはできたかなと思います。(FSでシーズンベストを出したが)やれることはやったんじゃないかというふうには言っていただいたので、少し安心しました」

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