◇HELIOS POWER‘23◇12月20日◇吹田市文化会館メイシアター◇
「Present for you」〜駆け行く毎日にささやかな喜びを〜というコンセプトのもと、3部構成で行われた今年のHELIOS POWER。『STEP UP』をスローガンに掲げ、歩みを進めてきたバトン・チアリーダー部の集大成の舞台だ。2時間に及ぶ公演は、会場につめかけた観客全員を魅了するステージとなり、勇気と感動を届けた。
幕が上がる前から、来場した観客全員に手渡されたチアスティックによる拍手とヘリオスコールが会場中に響き渡る。観客は開演のアナウンスを今か今かと待ち切れない。いざ緞帳が上がると、”OPENING STAGE”にて50人が思い一つにパワフルな演技を披露。迫力あふれるステージングに、肌寒い外とは裏腹に会場は熱気に包まれる。
続いて行われたKAISERSコラボステージでは8クラブ18名のKAISERSとHERIOSが一夜限りのコラボを実現。野球応援で使用されるコンバットを中心に披露した。今年度、関大体育会を一つに束ねあげた玉井凜体育会本部長(社4)も参加し、今年のKAISERSを象徴するかのようなステージング。”関大は一つ”。その言葉を体現したかのような時間だった。
さらに”KAISERS STAGE”ではアメリカンフットボール、野球応援も披露する。1年をかけて応援団、各部部員が垣根を超えて作り上げた応援。その応援で何度も選手の背中を押し、アメリカンフットボール部が13年ぶりの関西制覇、野球部が秋季リーグ3連覇につなげた。最後に選んだのは『応援歌』。1年間苦楽をともにしてきた吹奏楽部、リーダー部と披露する101代最後の応援歌。圧倒的な迫力で唯一無二の空間を作り上げた。
第2部では~DREAM FOR YOU~と題し、企画STAGEや中高生らによるゲストステージを構成。企画STAGEでは映画『Hairspray』の世界観を体現した。ダンスやセリフなど、細部にもこだわり抜いて作り上げた一つの作品。普段は見せない一味違った一面を見せるとともに、夢を諦めないことの大切さを伝えるステージを完成させた。
第2部ラストを飾ったのはSTUNTS STAGE。従来のチアリーディングの大会では16人による構成だが、このステージでは今宵限り50人全員による演技構成を組んだ。3月の西日本選手権、7月の関西選手権、8月の全日本選手権と、年間を通して数々の大会を一切の妥協を許すことなく、追い求めてきた迫真の演技。50人によるラストステージで最高のステージを作り上げた。
最終第3部では、冒頭にHELIOSの1年間の軌跡を綴った動画の上映、またこのステージを持って引退する4年生が1人1人スポットライトを浴び紹介された。HELIOS POWERフィナーレを飾ったのはハーフタイムショー、『FLASH』。次々と大技を成功させ、練習の成果を発揮していく。最後は『いつかこの涙が』をバックミュージックに演技。部員にとって決して簡単な1年ではなかった。コロナ禍が明け、今まで経験したことのない行事に戸惑う日々。悔し涙を流す日も少なくなかった。それでもこの日、最後に流したのはうれし涙だった。かけがえのない、すべての人に感動と勇気を与えたステージ。終了を惜しむ拍手とともに幕を閉じた。
このステージをもって4年生の活動は終了。コロナ禍真っ最中の時期に入部して数々の試練を乗り越えた4年間は一人一人の部員にとって何事にも代えがたい日々となった。応援団としての活動、競技大会への参加、さらには学校行事でもその存在感を発揮し続けるHELIOS。おのおのが『STEP UP』し、進化を遂げ続けるバトン・チアリーダー部の活躍から今後も目が離せない。【文:稲垣寛太/写真:稲垣寛太、𠮷村虎太郎】
コメントを送信