◇令和2年度関西学生秋季リーグ戦第7節◇対関学大1回戦◇10月24日◇阪神甲子園球場◇
関 大 000 000 000=0
関学大 100 000 01Ⅹ=2
(関)高野、宮崎―久保田拓
(学)石丸―佐藤海
1(中)安藤
2(三)久保田有
3(一)上神
4(遊)野口
5(捕)久保田拓
6(二)坂之下
7(左)小河
8(右)吉川
9(投)高野
手も足も出ず完封負けを喫した。甲子園で行われる伝統の一戦の1回戦は、相手投手・石丸に20三振と完璧に抑えられる結果に。先発の高野脩汰(4年)は、初回こそ失点したもののその後は好投を見せる。打線の援護を待ち続けたが、8回に登板した宮崎隼輔(2年)もダメ押しの1点を許し完敗となった。
バッテリーともに、「緊張で」と口にした初回。先頭打者に四球を許すと、3番、5番に安打を許し先制される。1点を取られたものの、その後は本来の姿を取り戻し、2回から5回までを三者凡退で切り抜ける。
逆転のチャンスが訪れたのは6回。高野が四球を選ぶと、続く打者が相手守備のエラーを誘い、1死満塁となる。だが、昨秋ベストナインの上神雄三(2年)、第6節終了時点でリーグ首位打者の野口智哉(3年)が低めの変化球を振らされ連続三振。得点はかなわなかった。
力投を続けていた高野だったが、7回に2安打1四球を許し、この回で降板。代わって、対立命大2回戦以来3試合ぶりに宮崎がマウンドに上がる。先頭打者から二者連続で空振り三振を奪い、好調の滑り出しを見せたが、そこから安打や暴投などで重い1点を追加された。
最終回、1死から上神が左前打で出塁。意地でも1点を奪いたいところで打順は4番、5番に回る。ベンチやスタンドが熱視線を送ったが、ここでも三振に抑えられ、完封負け。打ったヒットは3本、四球は2つと、強力打線が沈黙する結果となった。
泣いても笑っても、勝っても負けても、明日が現チーム最後の試合。「今日出た反省を活かして、明日は今日やられた分やり返すつもりで全員で戦い、勝って笑って終わりたい。また、4回生最後の試合でもあるので、後輩たちに自分たちの勇姿を見せられるように、自分自身もキャプテンとしてラスト頑張りたい」(吉川周佑主将=4年)。4年生一人一人が4年間、そして今年1年間やってきたことの答え合わせをするときがやってきた。【文:中西愛/写真:中西愛、松山奈央、坂井瑠那】
▼早瀬万豊監督
「石丸くんがピッチャーで、低めのボールを振ってしまうということが分かっていた。それを注意していたにも関わらず、みんなストライクに見えてしまうようで。1打席目を過ぎたら対応してくれるかなと思っていたが、最後まで落ちる球に対応できなかったことが敗因。ミーティングでもそれを注意しようということでやっていたが、どうしても言ったところが徹底しきれない弱さが課題だとはっきりと今日分かった。6回のチャンスで、上神がなんとかやってくれるという期待を持っていたが、最後はやっぱり低めの球に手を出してしまった。これだけ三振が多かったらランナーが途切れて進めない。大きな課題を残したゲームだった。(高野について)学生生活最後の思いを持った姿には見えたが、立ち上がりがもったいなかった。その後はなんとか試合を作って、7回まで投げてくれた。次はどのステージでやるかは別にして、今日の投球を活かしてくれたらなと。彼はなんとかプロの世界で投げたいという思いできた。順位はこだわらず、どこかの球団がかけてくれたらなと。彼はまだまだ伸びしろのある選手なので、その可能性に魅力を見つけてくれる球団があればと思う」
▼吉川主将
「今日は相手が石丸君ということで低めの変化球を振らないように徹底したが、手を出してしまい、相手に主導権を握られてしまった。高野が頑張っていた分、野手が助けてあげたかったが出来なかった。(次戦に向けて)今日出た反省を活かして、明日は今日やられた分やり返すつもりで全員で戦い、勝って笑って終わりたい。また、4回生最後の試合でもあるので、後輩たちに自分たちの勇姿を見せられるように、自分自身もキャプテンとしてラスト頑張りたい」
▼高野
「疲れた。同大戦ぶりに長いイニングを投げた。初回が少しだめで、緊張で球がいかなかった。2回からはわりと思い通りできたが、先制点が大きく響いた。僕の感覚では所々良かったが、スピードガンの表示の球速があまり良くなかったことが残念。数字にこだわりすぎるのはだめだとあまり気にしてはいないが、もっと球速が出てほしかった。最後は完投したかったが、展開的に変えても仕方がない場面だった。しょうがない。明日、とりあえず定本が完封してくれることを祈っている。(4年間を振り返って)最後の年で調子を崩したので、それが残念かなと。でも、3年生のときに最優秀選手賞やプロスカウトの人から興味を持ってもらえたことは、今後の糧になる。(ドラフトについて)今年の調子だと怪しいので、指名されてもどうなっても精一杯プレーするのみ。(後輩に向けて)練習で、僕を目標にはあまりしないほうがいいかと(笑)。もっと真面目に取り組んだら、結果はついてくると思う。悪いところは反面教師として見てほしい」
▼久保田拓
「(高野について)調子は良かった。初回は浮足立った感じ。緊張してしまったところが反省点。ストレートが良かった。伸びも良くて、強さもあった。(攻撃について)打てなかった。低めの変化球を捨てる、という話だったが、みんな手を出してしまって、悪いカウントになってしまった。(明日に向けて)先輩たちの有終の美じゃないが、勝って笑って終われるように、頑張って意地でも勝ちたい」
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