◇令和4年度関西六大学野球連盟春季リーグ戦第5節◇対関学大2回戦◇4月15日◇わかさスタジアム京都◇
関学大 001 100 100=3
関 大 000 210 004x=7
(関)森田、藤澤、吉田、西尾―福永
(学)水、池端、上田―藤岡
1(中)加藤
2(一)立石
3(左)吉田
4(指)諸木
5(右)中川
6(三)今井
7(二)小玉
8(捕)福永
9(遊)濱田
前日の敗北で全国大会への道は断たれた関大準硬。残る2戦を全力で戦い抜くのみだ。同点で迎えた9回。無死満塁で諸木大高(社4)が満塁弾を放ち、サヨナラ勝ちを決めた。
関大の先発は森田大樹(情4)。得点圏に走者を進められるがピンチを切り抜け、2回までを0点に抑える。
3回、森田は先頭打者に安打で出塁を許すと、適時打で返され1点を先制される。
4回にも1点を失い、迎えたその裏。1死一、三塁で打席を迎えるのはリーグ戦初出場となる福永翔太(社2)。「ピッチャーが頑張っていたので、自分が打って取ろうという気持ちだった」。抜擢された新星が2点中適時二塁打を放ち、同点に追いつく。
5回、先頭の加藤陽也(人3)が死球で出塁すると立石耀介(文4)の犠打、吉田凌馬(人4)の右安打でチャンスを拡大する。続く諸木が引っ張った強烈な打球は左前適時打に。1点の勝ち越しに成功した。
7回からは吉田が登板するものの、うまくカウントが取れず。押し出し四球で同点に追いつかれ、その後も1死満塁のピンチが続く。しかし後続はなんとか打ち取り、勝ち越し点は許さなかった。
9回にマウンドに上がったのは西尾龍人(情4)。先頭打者に内野安打を許し、ピンチを迎えるも0点で切り抜ける。最後の攻撃に望みを託した。
その裏、劇的なドラマが待っていた。3―3で同点の場面。制球が定まらない相手から四球で1死一、二塁のチャンスを作る。4番・諸木の前で吉田が申告敬遠。相手は満塁にし、諸木との勝負を選択した。初球を見逃し1ストライク0ボールで迎えた2球目。ストレートを振り切った。諸木が左中間深くに打った瞬間、全員が勝利を確信。しかし、「まさか入るとは思っていなかった」。強烈な打球はぐんぐんと伸び左中間スタンドへ。球場全体はどよめきに包まれた。サヨナラ満塁本塁打となり、チームは勝利した。
伝統の一戦は劇的勝利を収めた関大準硬。この勝利の裏には毎イニング得点圏に走者を進めながらも、3点に抑えた投手陣の粘りがあったことも忘れてはいけない。この試合で第5節まで終了したが、まだ雨天中止となった1試合が残っている。最後の試合で勝利を収め、永田準硬を笑顔で終えたい。【文:荒川拓輝/写真:荒川拓輝・松尾有咲】
▼永田夏樹主将(人4)
「(試合を終えて)先発の森田が早い段階で降りてしまい、序盤は苦しい展開でした。最後は技術でもなく、応援団の方の支えや4年生の意地が見られた試合だと采配をしていて感じました。精神論になりますが、相手よりも気持ちが上回っていたのかなと思います。(諸木について)正直に上がった瞬間に勝ちは確信しました。まさか入るとは思わなくて入った瞬間は鳥肌が止まらなかったです。ああいった場面で打ってくれるやつだと思って使い続けてきました。4年生の意地を実現してくれたと思います。(諸木は昨日スタメンを外れていましたが)今日の先発投手は水選手と限られてきたので思い切って左投手に対して使いました。打ったのは右投手からでしたがはまってよかったです。(福永が初出場しましたが)谷村のバッティングの調子が上がらないというのもあって迷った部分もありました。でもはつらつとしたプレーをしてくれると思っていました。彼はそれを実現してくれて使って大正解だったと思います。(全てのイニングで得点圏に走者を進められ、苦しい展開でしたが)森田が早くに降りてしまい、藤澤に迷惑をかけてしまいました。吉田にはリーグ戦で迷惑をかけっぱなしです。西尾も投げる回数は少ないですが、常にブルペンで準備してくれています。何かあったら西尾がいるという中で継投の采配ができています。9回をあのように0に抑えてくれたのは準備力や精神の持ち方があったのかなと思います。(同大戦が残っていますが)学生野球の最後の試合です。これ以上はないので今日は応援団やチアリーダー部の方にいい試合を見せることができたので、今度は下級生にまだやれるということを表現したいです」
▼諸木
「(試合を終えて)本当に最高で勝ててよかったです。(どういう気持ちで9回の打席に立ったか)前の打者がチャンスで回してくれました。最低外野フライというのが頭にありました。打った瞬間、外野フライはいったと思いましたがまさか入るとは思いませんでした。結果的にホームランになってよかったです。(前の打者が申告敬遠でしたが)4打席の内、3本打っていたので絶対打ってやるという気持ちはありました。打ててよかったです。(最後の打席は打てそうな気はしていたか?)前に3本打っていましたし、真っ直ぐの投手だと思ったので真っ直ぐだけを張って振ろうと決めていました。(打った瞬間のガッツポーズの意味は)外野フライを打ってその時点で勝ったなと思って手を上げていました。まさか入るとは思いませんでした。(どんな気持ちでダイヤモンドを回ったか)野球人生で満塁ホームランはなかったので、最高の形で終えることができました。(今日は関関戦でしたが)試合の前に、応援団、HELIOSの方、KAISERS TVの方など、周りの人に恩返しをしようと思っていたので、最高の恩返しになったのかなと思います。野球をやっていてよかったと思います。(昨日は代打で安打を放ちましたがそれで吹っ切れたか)前半戦はチームの4番として、僕のせいで負けたと言っても過言ではないくらい気持ちとしては沈んでいました。昨日の1本で気持ちが楽になった分、今日はチームを勝たせようと思っていました。(残る1試合の意気込みは)周りの人に恩返しという気持ちを忘れずに、チーム一丸となって勝利を目指して頑張りたいと思います」
▼福永
「(試合を終えて)初スタメンで突然の起用でした。自分の仕事はピッチャーをよく見せることなので、それに応えるために頑張りました。(関関戦でしたが)先輩達もあまりいい結果を残せていなかったので、自分が出て悪い流れを断ち切っていい流れを持ってこようと思っていました。(守備、打撃での強みは)広角に打ち分けることです。守備ではピッチャーのリードについては自信を持っています。(投手は低めの変化球を思い切って投げていたがブロッキングは得意か?)自分は得意です。低めに投げさせるように意識しています。(強力打線相手にリードで気をつけたことは)配給が偏らないようにして相手の嫌なところを突くことを意識しました。(4回の適時打について)ピッチャーが悪いなりに頑張ってくれていたので、そこは自分が打って取ろうという気持ちで入りました。(毎回得点圏に走者を進められたが少ない点で抑えられた要因は)声かけであったり、ピッチャーに対するケアに気を配っていました。(初スタメンはいつ知ったか?)昨日の夜のグループラインです。やってやろうと思いました。(諸木の本塁打をどう見ていたか)自分の走塁ミスもありましたし、絶対にいってくれという気持ちで見ていました。(吉田について)気持ちは出ていたので、最後は技術ではなくて、メンタルで抑えたと思います。(残り1戦に向けて)自分に与えられている役割を全うして勝ちに貢献したいと思います」
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