◇第94回日本学生選手権大会◇対中央大◇12月27日◇帯広の森アイスアリーナ◇
[第1P]関大0-1中央大
[第2P]関大0-3中央大
[第3P]関大1-2中央大
[試合終了]関大1-6中央大
前日、青学大との激戦を制し、日本学生選手権大会(インカレ)ベスト8校に名を連ねた関大。大会3日目は強豪・中央大と相まみえた。関大は関西リーグ覇者、中央大は関東リーグ準優勝ということもあり、関西も関東に劣っていないということを見せつける予定だった。しかし、劣勢な時間が続き、パワープレー(数的有利な状況)の場面でも得点されるほどの実力差。1―6の大敗を喫し、帯広の地を去ることになった。

第1ピリオド(P)から中央大はその力を発揮してくる。開始すぐからリンクを大きく使い、振り回される関大。1分には、相手が1度自陣にパックを持ち帰り、そこへ取りに行くよう促す。その間にアタッキングゾーンに攻め寄り、左からゴールを決めてきた。守備の壁はGK石田龍之進(経4)のみと、隙を突かれたカイザーズは攻守ともに巻き返しをはかる。直後2分には、FW川島広暉(人3)がディフェンディングゾーンからセンターライン付近に流したものをFW根本慎太郎(情2)が受け取り、関大この日最初のシュート。それは相手GKにはばかられるが、攻めの手は決して止めない。すぐに得点のチャンスは訪れ、FW佐々木隆弥(情3)が相手GKとのフリーを試みるも、次は手でパックを押さえつけられる。関大はゴールチャンスをものにすることができないまま、さらに追い打ちをかけられるかのように6分にキルプレー(数的不利な状況)の時間を迎えた。ここでは3セット目が奮闘。FW高橋佑萌(ゆうき=人4)が中心となってパックを保持する相手に食らいつき、得点を許さない。それが奏功し、この2分での失点は免れた。人数が元に戻り13分には、ゴールを囲んでの探り合いの後、パスが出る場所にFW髙秀稜(社1)が合わせ、相手をプレス。流れたパックの取り合いの末関大のものにすると、DF佐々木亮悦(情4)が相手DFを寄せ付けることなくFW根本まで届ける。FW根本が強い一打を放とうとするものの、相手のプレッシャーに耐えられない。シュートがぶれたことによりネットを揺らすことができなかった。その後も相手ゴール前での混戦を繰り広げたが、得点とはならず。1点ビハインドで第2Pへと挑む。



第2Pも序盤から猛攻に悩まされる。開始23秒、敵陣でのフェイスオフ。相手にパックを取られてしまい、右からリストショットを浴びる。そのショットはそのまま得点へと変わった。さらにその1分後、相手のパスが上手く通り追加点。徐々に得点を広げられる中、4分に再びキルプレーとなる。不利な状態でも、FW嶋野瑛心(文2)がスティックを使い、相手のシュートに威力をなくす。GK石田も全身で量産される相手の一打一打を受け止める。だが、中央大選手のゴール前のシュートはDF佐藤翼(法2)とGK石田2枚をすり抜け、ゴールラインを割った。試合も折り返し時点となり、ついに関大がパワープレー(数的有利な状況)となった。敵陣に5人が広がりパスを回し合う。好機をうかがいDF熊谷天祐希(情3)がFW髙秀に渡すが、相手GKが厚い。残り5分では、中央大がパスミスしたものをFW山根早加(社1)が回収し、相手DFを3人抜いてシュートする場面も。このパックもGKに吸い込まれていった。下級生がゴール直前のプレーを演じるが、得点にはつながらないまま第2Pを0-4で終える。



第3Pはパワープレーでスタート。そこでも関大ゴールを生むことができないまま、キルプレーとなってしまう。その間、あらゆる方向から飛んでくるパックを止め続けるGK石田の活躍が再び目立った。ここは無失点で抑え、今度は関大が6分にパワープレーとなった。FW泉大我(人3)、DF鈴木郁也(情3)がタイミングをはかり、FW嶋野がワンタイマーショットを仕掛けるも、また報われない。かえって、相手が自陣に戻したパックを取りに行ったときにパスミス。そこからゴールに。まさかのパワープレー中での失点となった。0-5と、ここまで無得点の関大だが、最後まで絶対に諦めない。ゴールに対して貪欲にプレーしているとチャンスが舞い降りたのは14分。ブルーライン付近でのフェイスオフをFW佐々木隆が担う。直後の壁での取り合いは中央大に軍配が挙がるが、FW髙秀のバックチェックで関大パックとなる。ゴール裏でもう1度壁での混戦に巻き込まれるが、こぼれ球を拾ったのはFW佐々木隆だ。速さのある意地のシュートはゴールとなった。だが、その1分後に中央大にゴールを許してしまう。再び得点差5となった。残り短い時間も積極的に攻め続けるが、思いは届かず。1-6で試合が終了した。






中央大戦はPの序盤に点数を取られることが多かった。課題に挙げていたPの最初と最後の5分は関西リーグで改善できたと思われていただけに悔しい。しかし、レベルが上のチームに対してでも、1本ゴールを決めたいという気持ちがプレーとして表れ、実現できることを証明してみせた。新チームはこの自信を携えて、来年こそ全国4強となる。【文:木原綺音/写真:木原綺音・上田紫央里】

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