◇第71回全日本学生賞典障害競技大会◇10月30・31日◇山梨県馬術競技場
【団体】
3位 関大
【個人】
9位 布村翼(商3)・フリーゾ組 合計減点1
13位 荒川将暉(文3)・千駿組 合計減点4
24位 永合更良々(情3)・千香組 合計減点9
34位 光森美絢(人1)・ドルス組 合計減点16
失権 仁部泰夢(情2)・アドラブル・チャバリト組
17年度大会以降、団体王座の地位から遠ざかっている関大。昨年も2位と悔しい思いをした。「 来年こそは団体優勝できるように 」(布村)。その気持ちで1年間取り組んできた中で、福島秀太主将(人4)が出場できなくなるというまさかの事態。だが、このようなピンチの状況でも「僕の下にはこんな頼もしい後輩たちがいたんだな」と主将を安心させる走行を5組が見せた。


1日目と2日目の合計減点で個人順位が決定し、チーム内で合計減点が少なかった3人の結果が団体結果に反映される障害競技。減点0でその後のコンビに良い襷渡しをすべく、最初に登場したのは布村・フリーゾ組だ。第8障害ではバーを揺らすシーンがあったものの、バーを地に落とすことなくフィニッシュラインを突破。ただ、タイムは75.01秒と72秒を過ぎてしまい、タイム減点1を食らう。続く永合・千香組もタイム減点1で終える。永合は昨年2回走行ともに減点0で個人優勝していただけに悔しい72.72秒間となった。


永合・千香以降17組が走行終え、光森・ドルス組が初の全国の舞台に立った。福島の代わりとして出場した今大会。「試合中は安心して乗れた」(光森)。落下は1つに抑えて、1学年上の先輩である仁部にバトンを渡す。仁部はアドラブル・チャバリトとエントリー。この時点で団体総減点は6とこれ以上は減点を重ねたくないという状況で完璧な走行を見せる。68.43秒と、減点0の人馬の中でも最も速い時間でゴールを切る。このまま、残す1組も減点0で走り切り、1日目のチーム減点合計を1にしたい。しかし、荒川将・千駿組は1つバーを落としてしまい減点4。1日目は団体総減点2と、1位の日大を追うかたちで終える。



2日目は前日の結果で走行順が組まれ、関大トップバッターは光森・ドルス組だ。「1日目よりも馬がリラックスをしていたので、そこを人がピリッとしなさいと指示ができなかった」と光森。早々のダブル障害を落としてしまったことで悪い流れが生まれ最終は減点12となってしまう。それでも、2番手の荒川将・千駿が減点無しの走行で 光森をカバーする 。タイムも68.88秒と安定したスピード。退場時には千駿に感謝する荒川将がいた。


荒川将のパフォーマンスがメンバーに刺激を与えたか、布村・フリーゾ組も減点0でチームに貢献した。布村は「1日目の反省を生かして通ったところをだいぶ小さく回れた」ことを2日目の良かった点に挙げる。ただ、好調は2組しか継続せず。永合・千香組が減点8、前日は71組中7組のみであった減点0の一角であった仁部・アドラブル・チャバリト組は反抗2回で失権に。関大の団体総減点は10で障害競技を終える。



2位の立命大とはわずか1点の差で3位という悔しい結果。だが、ここで落ち込んではいられない。11月2日からは総合競技に挑む馬術部。総合競技での全国制覇を果たしてみせる。【文/写真:木原綺音】



▼福島主将
「(試合に出られなくなったときの率直な気持ち)単純に悔しくて、結構落ち込んだが、まだ総合もあるし、僕が落ち込んでいたらチームの雰囲気も悪くなると思った。あと、選手として出られなくなってもまだ主将としてサポートできることはあったと思うのですぐに切り替えた。(サポートという立場にまわってみて)いつも馬付きの人たちが頑張ってくれていることを自分でしてみて、大変なことをしてくれているんだなと思ったし、走行してる仲間を見たら、僕の下にはこんな頼もしい後輩たちがいたんだなと安心した。(今回の順位をどう捉えているか)昨年より順位が落ちた点では悔しいが、次につながるような順位だと思う。(チームの課題は)メンタル面だと思う。(総合競技に向けて意気込み)障害競技での悔しさを総合競技で晴らしたい。団体優勝を目指して頑張る」
▼布村
「(どのような気持ちで今大会に挑んだか)昨年も全日本学生に出場していて、昨年は団体2位だった。その表彰式のときから、来年こそは団体優勝できるようにと思ってこのチームでやっていた。(フリーゾとのコンディションについて)昨年の春からフリーゾと組んでいて2年目なので、ある程度どんなタイプかはわかっていても、練習や予選のときも結構ミスが多くて結果を残せていなかった。山梨に来てから指導してもらっている内にコンディションが良くなってきた。(1日目2日目の間で)1日目まず終わって、障害は落とさずにきたけどタイムというところで、馬が僕のミスを何個もカバーして飛んでくれたのに、通っているルートが悪かったせいでのタイム減点だったので馬に申し訳なかった。明日こそは通る場所を変えてタイム減点をつかないように意識していた。(2日間で良かった点)馬のタイプとして走行途中が乱れやすいというのがある。1日目はタイム減点はあったものの、全体の流れが大きく乱れることがなかったので良かった。2日目は1日目の反省を生かして、通ったところをだいぶ小さく回れたところと全体的なペースが良かった。(今回の順位をどう捉えているか)3位がどうというよりは、1日目の自分の減点1がチーム全体に大きく響いていて、自分が減点0であれば後輩たちもプレッシャーなく走れたのではないか、もう少し良い結果で終われたのではないかと思っているので自分の減点1を重く受けとめている。来年はそういうことがないようにして、団体優勝できるようにする。(総合競技に向けて)僕と馬ともにチームの中で1番経験がないので、結果を残そうというよりはゴールを切れるように、チームに貢献できるように頑張りたい」
▼荒川将
「(どのような気持ちで今大会に挑んだか)昨年は出ていたが個人枠で、今年は団体に入れてもらって、今年こそは入賞するぞと思って出ていた。(千駿とのコンディションについて)春学・夏学全部入賞していて、練習でも助けてくれることが多かったので信頼していた。(1日目2日目の間で)初日1つ落としてしまったので、そこは絶対に同じことしないことと、2日目は出番が2番目だったので、後の選手が楽に、プレッシャーがかかりすぎないような完璧な走行をしようと思っていた。(反省点)アリーナに入る前の準備運動で良い跳びをさせて、本番でも同じようにできるようにしたかったが、それができなかった点が何個かあった。それは人間のミスなので、今後はメンタル・技術面ともにトレーニングして、次は最高学年となるので引っ張っていけるようにしたい。(総合競技に向けて意気込み)障害が勝てなくて悔しい思いをしたので、切り替えて総合は絶対に優勝目指して、総合に出る馬のイサオちゃんのポテンシャルを全部出せるように頑張りたい」
▼永合
「(どのような気持ちで今大会に挑んだか)昨年は個人は優勝できたけど、団体は2位だったので、その悔しさを晴らすために絶対団体優勝するぞという気持ちで挑んでいたのですごく悔しい結果。(1日目を振り返って)1日目、障害減点は無かったけど自分の走行が遅かったのでタイム減点を食らってしまってすごくチームに申し訳ないことをしたなと思う。(2日目を振り返って)1日目のタイム減点をなくそうと思って前に出していこうと思ったが、そのせいで間の距離が短くなって障害を落としたので、来年に向けて徹底的に直さないといけない。(今回の順位をどう捉えているか)来年絶対1位を取るというその強い気持ちに3位を変えていけたらと思う。(来年に向けて意気込み)最高学年になってみんなを引っ張っていく立場になるので、下の学年を引っ張っていけるような存在になりたい」
▼仁部
「どのような気持ちで今大会に挑んだか)初めて出る日本学生で、先輩と出れる最後の試合の予定だったが、先輩が出られなくなったので、その分頑張らないといけないという思いで挑んだ。(アドラブル・チャバリトとのコンディションについて)神経質な子なので、できるだけ繊細に扱って、少しでも楽にできるように努めていた。(1日目を振り返って)馬がリカバリーしてくれて減点ゼロだったが、ミスもあった。(2日目を振り返って)自分がチーム最後の出番で、自分の成績で団体結果が決まるということでプレッシャーを感じてしまっていつも通りのパフォーマンスができず失敗したので今後はこの経験を生かしていきたい。(2日間で良かった点と反省点)良かった点はいつもより馬を動かして良いペースで走れたこと。反省点は1日目のミスを2日目も引きずってしまったこと。そこだけ次回は注意していきたい。(今回の順位をどう捉えているか)勝つつもりで来たのでやはり悔しい。(総合競技に向けて意気込み)今日自分のミスで団体の順位が下がってしまったので、総合で少しでも上の順位にいけるようにしたい」
▼光森
「(どのような気持ちで今大会に挑んだか)元々私が予備馬という形で連れてきていただいていたが、主将が出られなくなってその代わりということで、大会前はすごく緊張もして、主将みたいにできないとダメなのかなとか思っていたが、先輩方が大丈夫だよなど声をかけてくださったので試合中は安心して乗れた。(ドルスとのコンディションについて)試合前、私のメンタル面でドルスを不安にさせていたが、山梨に来てから2週間の間で状態が良くなっていた。(1日目を振り返って)1つ落下してしまったが、そこに関しては完全に人のミス。馬に間違った指示を与えて馬を不安にさせてしまったと思う。(2日目を振り返って)1日目よりも馬が昨日リラックスしていたので、そこを人がピリッとしなさいと指示ができなかった。結構バーに当てて落としてしまった。(良かった点)試合前のリバプールで怖がっていた障害も、試合中は行くしかない!という思いで元気よく入っていけたと思う。(今回の順位をどう捉えているか)私自身1日目1つ落として、2日目も3つ落としているので、団体として力になれなかったが、後に走行してくださった先輩方がかっこいい走行をされていたので、来年は自分にも後輩もできるので頑張っていこうと思った。(来年に向けて意気込み)後輩に見られて恥ずかしくないような走行をしたいと思う」
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