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◇第33回全国大学選抜大会◇決勝トーナメント◇6月27日◇明治神宮武道場至誠館弓道場◇

【試合結果】
[1回戦]
●関大6―8日大(全12射)

好的中を見せた予選から約2か月。団体日本一を決める決勝トーナメントが、明治神宮で開催された。新型コロナウイルスの影響で、関大弓道場でのリモート試合が続いていた弓道部。メンバーにとっては、今大会が初の対面試合となった。

今回試合に出場したのは大前・植木鈴華(商2)、落前・龍見璃胡(商3)、大落・三屋梨歌(法4)の3人。静寂と緊張感に包まれた明治神宮で、12射の勝負が幕を開けた。

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1回戦の相手は日大。植木、龍見の1本目は惜しくも的外へ。しかし、日大は最初の2本を確実にあてていく。ここで悪い流れを止めたのが、メンバー最高学年の三屋だ。「1本目で、前の2人が抜いた時にしっかり止めれたことがよかった」と振り返るように、的中を果たす。これを機に流れをつかんだ関大は、全員が2射目を的中させる。6射終了時点で関大は4中、日大は3中と、一歩リードする展開を見せた。

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△植木
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△龍見
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△三屋

しかし、後半は奮わない結果に。植木の3本目は的中したものの、龍見・三屋の3本目はあたらず。計9本終了時点で両校5中と、日大に追い付かれてしまう。確実に勝つためには、残る3本全てを的に入れていきたいところ。しかし、植木の4本目は無情にも的外へ。続く龍見も的中はかなわず。対して日大は、大前が的中を果たす。この時点で関大は5中、日大は6中。残る射手は、関大が三屋1人、日大が2人だ。三屋が外した時点で、関大の負けが決まる。

緊張の12本目。三屋は全神経を的に集中させる。矢が的を射貫く音が響き、見事的中を果たした。ここで、関大の6中が確定する。日大は残り2本。しかし三屋が射ち終えた直後、日大が7本目の的中を出した。続く最終12射目も的中し、日大は8中。結果がアナウンスされ、関大の1回戦敗退が決まった。

「(緊張で)頭が真っ白になってしまった。結果をアナウンスされた時に、やっと負けを実感した」と三屋。10分にも満たない試合時間だったが、対面試合の緊張を痛感した。今回はベスト16位という悔しい結果になってしまったものの、対面での全国大会という貴重な経験を積んだメンバーたち。今大会での経験を生かし、また悔しさを忘れず、弓道部女子はさらに強くなる。【文:横関あかり/写真:弓道部提供】

▼龍見
「初戦で負けてしまうという結果になって、本来なら出ない数字が出てしまった。ここ数日での練習で出なかった数字が出てしまって。自分が練習通りの実力を発揮できなかったからこそ出てしまった数字だと思っています。本番と練習では違うのかなと。本来同じようにしたら同じようにできるはずなんですけど、やっぱり練習での緊張感のなさがあったのかなと。自分たちにとっては緊張しているだろうという雰囲気も作っていたし、的中も出せていた。全員があたることを12射皆中って言うんですけど、練習では12射皆中ができていた状態で。でもそれができなかった。本番では通用しなかった。初めての対面試合で自分が初めて公式戦に出て、できるだろうっていう自信を折られたような感じでした。(試合前の心境)なんとなく勝てるだろうと思っていた。多分5人全員、選手たちは勝てるんじゃないかと思って試合には挑めたんじゃないかと思っていて。心境としても、東京の大学は都学って呼ばれてるんですけど、「都学は強い強いと言われてますけどいけますよ」みたいな感じでいました。同じ人間やし、こっちもちゃんと詰めてきてるし。(自身を振り返って)よかったのは、4本とも同じように射はできたんじゃないかなと。悪かったのは、その射であてることができなかった。弓道って同じように再現性を求めないといけない競技で、自分の射に対して自信を持っていたんですけど、やっぱり難しい射をしてしまっていたのではないかなと。あくまでもシンプルにした方が何回も同じことできるって思えるじゃないですか。でも、自分の射は一か八かみたいなところがあって。できるけど、できないかもしれないと思ってしまうような射だったのかなと。それがよくなかったのかなと思います。だから試合の緊張感の中では通用しなかったのかなと思います。(今後に生かしたいこと)やっぱりシンプルな射。確実にどんな状況でもできる射をしないといけないなと思います。一か八かとかでやっていて、練習でできていたけど本番ではできないというのは本当に意味がないと思うので。本番でも同じようにできる射。本当にシンプルを追求していきたいなと思います」

▼植木
「1回戦でいつもの関大の力を出せなかったのがすごく悔しい試合になったなと思います。私にとって、明治神宮での試合が初めての対面での試合でした。今まで試合には出させてもらってたんですけど、関大の弓道場ではない場所での試合というのは初めてで。でも、待ってる時間とかは焦ってなかったんですけど、いざ試合が始まってしまったら緊張がすごくあふれ出てしまいました。(平常心を保つためにしたこと)保てたかどうかは分からないんですけど、とりあえずは、いつもと同じリズムをとって行射を行っていこうと意識してて。自分のペースを乱さないように頑張りました。(自身を振り返って)よかったところは、1本目を抜いてしまったんですけど、しっかりそれを分析して、2本目で修正してあてることができたことです。悪かったのは、3本目が終わった時点で、4本目は絶対にあてとかないと相手と勝負にならないというのが分かってたので、最後の1本絶対にあてたいと思ってたけど、思い通りにいかなくて。緊張してたのもあってすごく震えたまま離れを出しちゃって、あてられなかったというのが悪かったところです。(今後に生かしたいこと)対面試合ではこんな風な緊張の仕方をするんだというのが意識できました。次の試合は関大であるんですけど、そこでも今日の緊張感を忘れずに、気を引き締めて試合に臨んでいきたいなと思います」

▼三屋
「対面での公式戦が、4回生にして初めてだったんですけど、本当に頭が真っ白になるんだなというのが感想です。終わってしまった後に、「こうすればよかった」という後悔と、結果をアナウンスされた時にやっと負けを実感して、言葉に表せない悔しさと悲しさと、自分に対する不甲斐なさと、いろいろ混ざってとにかく悔しかったです。この4年間で、対面の公式戦に出るのが初めてでした。その中で、自分がテーマにしている「1本目は必ずあてる」というのは達成できました。でも、私のポジションの大落というポジションでの大事な3本目を抜いてしまって。やっぱり全部詰めないと、チームの柱にはなれなかったなと。自分に対する不甲斐なさでいっぱいです。(自身を振り返って)よかったのは、1本目で、前の2人が抜いた時にしっかり止めれたこと。あと、本当に緊張して足も震えてたし、射ち起こししてる時も矢が震えてるぐらい震えてて。その中でも、しっかり的の中に3本は入れれたというのは、今まで、緊張してもあたる射をしっかり磨いてきたからなのかなと思ったので、それはよかったことだなと思います。やっぱり悪かったのは頭が真っ白になってしまったことが1番かなと思ってて。1本目は、いろいろ思いを持てていました。「主将で同期の森を日本一にするためにこの4本引こう」とか。あとは、大阪で応援してくれている部員全員がいるので。色紙のメッセージとかもくれたし、そのメッセージとか思いをしっかりこの4本に自分が体現しようという思いを持っていた。最初の2本はしっかり持てていて。緊張しててもしっかり力に変えれたかなと。なぜか3本目だけ頭が真っ白になってしまったのがすごく悔しいです。次に生かしたいなと思うのは、1本抜いてしまったということで、あの(抜いてしまった)矢に、自分の射の1番の課題が顕著に現れたんだという風に思っていて。それは今から練習して、自分の課題を克服して、次の公式戦に出られるようにしたいです。本当に柱になりたいと思っていて、今日、緊張したら自分がどうなるかというのが分かったので、緊張して震えてるという時点であまりよくないんですけど、冷静に対処できるように、どんどんイメージを膨らませていきたいなと。リアルなイメージを、家からイメージする力を練習して、次に挑もうと思います。(緊張を抑えるために心がけたこと)いつものルーティンをとにかくこなすこと。いつも練習している通りにやればあたると信じていたので、それをやること。あとは、射位でしっかり深呼吸すること。一拍おいて、深呼吸することを心がけました」

▼森千都歩主将(社4)
「最近女子のレベルが上がっているということが、的中の数字で分かっていました。雰囲気もとてもよくてお互いを信用しているんだなとか、本当に勝ちたいんだなということが伝わっていました。かみ合えば本当にいい結果が出ると思っていました。でも今のメンバーは、対面での試合の経験がほとんどないので絶対緊張するだろうなと。それで挑んだ大会だったので、緊張に勝てるような練習形態を考えたりだとか、挑み方をしっかり伝えてあげられなかったということに少し責任を感じます。でも、メンバー5人にとっていい経験になっただろうなと思います。私は会場の弓を引くところまで一緒に入れたんですけど、自分が引くわけではないのに私もすごく緊張していて。本当に選手は緊張しているだろうなと見ていて分かりました。私たちのチームは明るい人が多いので、直前までは明るくやろう、前向きにやろうと頑張っているのは感じました。(龍見さんと三屋さんが「主将を明治神宮に連れて行って日本一にする」とおっしゃっていましたが、部員の思いは)感じましたね。私はメンバーではないので、見方によっては主将なのにあたらない人ってどうなんだろうってなると思うんですけど、普段円陣を組んで反省会とかをするんですけど、その時に目を見てしっかりうなずいてくれてるのを見ると、私のことを認めてくれてるんだなとずっと感じていました。龍見と三屋が「明治神宮に連れて行く」と私のことを言ってくれたと聞いたときはすごくうれしかったです。練習の一生懸命さを感じる部分はありましたね。(今後に生かしたいこと)試合は何が起こるか分からないということ。試合では緊張するのが当たり前なんだという。これだけ(練習を)やっても何があるか分からないし、どれだけ緊張するような練習をしたところで、試合に勝る緊張はないから、普段からベストを尽くして練習していこうということを改めて思いましたし、伝えていこうと思います」

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