◇令和7年度全日本学生選手権大会1回戦◇対日大◇11月2日◇いしかわ総合スポーツセンター
[前半終了]関大9ー14日大
[後半終了]関大16ー16日大
[試合終了]関大25ー30日大
4年生にとって集大成となるインカレが石川の地で行われた。レベルの高い関東において、今秋リーグ準優勝を果たした強敵・日大と対戦。堅いディフェンスに阻まれながらも、追いかける形で関大が得点を重ねる。だが後半に入ると、相手の勢いが強まり大量失点。最大の点差は11に。それでも最後まで積極的な攻撃を続け、最後はエンプティゴールで5点差に縮める。開いた差を埋めることはできないまま試合終了。インカレは初戦敗退となった。
相手ボールから試合が開始するも、直後のシュートはGK田中星矢(人4)が足でしっかりと止める。そのボールを小田航平主将(人4)がすぐにゴール付近まで運び、岸京佐(情3)へラストパスを送った。しかし、これは決め切ることができず。開始1分半に先制点を許してしまった。関大は攻勢を強めて林航琉(経3)が何度もシュートを放つが、相手ディフェンスの壁が高くなかなかゴールに入れることはできない。3分間両者共に得点できない時間が流れる。そんな中、相手が放ったシュートのリバウンドを、林が逃さずに土岐勇斗(文4)へパス。ボールを受け取った小田主将がディフェンスをかわしながら走り抜け、林が勢いのあるシュートで関大に初得点をもたらした。その後はGK田中の好セーブで失点を抑えながらも、相手のペースで試合が進む。岸は7㍍スローで、三木麟童(法4)はウイングシュートで得点を重ねたが、同11分には関大選手が退場を食らい数的不利な状況に。その中でもスピード感あふれるパスで相手を翻弄(ほんろう)。中井雄大(商4)がマークを外し、滑り込みながらシュートを放ち得点する。だが、小田主将がバウンドシュートを決めた後は3連続失点となり、関大がタイムアウトを要求した。


再開後は、関大の守備が光る。土岐がディフェンスで相手の攻撃を抑え、GK田中もゴールを死守。同18分には相手のシュートを岸がブロックし、速攻を成功させた。ところが、小田主将がディフェンスをかわしながら得点を決めた後は、相手の勢いに押されてしまう。関大の攻撃がうまくはまらず、5連続失点。それでも関大が取ったタイムアウトが明けると、GK田中が好セーブを連発する。前半残り30秒、相手の攻撃ターンだったが、林が見事にパスカット。そのまま速攻を決めて前半が終了した。


まだ5点ビハインド。ここから巻き返したい関大だったが、後半開始早々、林のシュートは相手GKに止められてしまう。同1分、三好健生(経4)がシュート。しかしその後は得点できない苦境を迎えた。素早いパス回しでゴール前まで持っていくが、パスをカットされ何度も相手にチャンスを与えてしまう。同7分、速攻を決められ、ダブルスコアをつけられたところで関大が最後のタイムアウトを要求。タイムアウトがうまく働き、再開後は関大が得点のペースを上げた。同9分には今大会最大の11点差に広げられてしまったが、関大も意地を見せ得点を重ねていく。中盤、左足1本できれいにシュートをはじくなど、GK田中が再び好守備を連発。さらに、残り10分を切ると関大が猛攻を始めた。小田主将、岸、林が速いステップで攻撃を仕掛けていき、6点差に縮めるも逆転はかなわない。最後はGK田中がエンプティゴールを入れて試合終了。敗北を喫したが、終了間際に得点を決め、締めのあるラストプレーとなった。

格上相手に奮闘し、終盤には怒涛(どとう)の追い上げを見せた関大。しかし勢いに乗り始めたところで試合が終了し、インカレは初戦での敗退に。さらに、この大会をもって4年生は引退となる。明るくチームを引っ張った個性豊かな4年生は、後輩へとバトンをつないだ。小田男ハンは幕を下ろすが、関大男ハンはさらなる高みへ。次の世代が新たな1歩を踏み出した。【文:吉野日菜多/写真:西村果凜】

▼小田主将
「(どのような気持ちで臨んだか)けが明けでリーグ最終戦しか出れていなかったので、久しぶりの公式戦だった。日大が関東2位でシードのところに入ってしまって、自分がどれだけやれるんだろうみたいな楽しみもあって。緊張というよりかは、どれだけ通用するかという気持ちで挑めたので、楽しかったです。(試合を振り返って)関大はディフェンスで守れなくて、星矢(=GK田中)が止めてくれてオフェンスする展開だった。自分たちはシュートまでいけたら入るけど、そのシュートまでの過程でディフェンスで守られてカットされて逆速攻みたいな展開がめっちゃ多かった。それは少なくしていこうと言っていたけど、相手のディフェンスの強度は、実際やってみてめっちゃ強かったと思います。(主将として過ごした1年を振り返って)昨年のインカレが(小田自身)めっちゃ不調で、1回戦で負けてしまって、俺のせいで負けたみたいな感じだった時にキャプテンだと言われた。やるしかないか、俺でいいんかなというのがめっちゃ強かったんですけど、主務の上田や副キャプテンの土岐、星矢に支えられながら。けがもあって声掛けとかも難しい時期があったんですけど、そういう時にメンバーが支えてくれて、やりやすい環境にみんながしてくれた。だから自分はプレーで見せるしかないから、最後頑張れて良かったです。(後輩に向けて)今試合が集大成ってなって、やっぱり星矢とか、4年生の意地を見せてくれたし、そういう選手が増えればインカレでも勝ち続けられると思うから。今年3年生の力を頼ってる部分がめっちゃ多かったから、その3年生たちが最後あと1年頑張って、今年みたいな終わり方で悔いがないように。3年生中心に全力で頑張ってほしいと思います」
▼中井
「(どんな気持ちで臨んだか)日大は関東2位で格上ということは分かり切っていたし、下馬評も向こうが勝つというふうになっていたので、当たって砕けろ的な気持ちで、自分たちのやってきた4年間の全てを出し切るという心持ちで臨みました。(試合を振り返って良かった点と反省点)普段あまりしないサイドでの起用でスタートに使ってもらった。良かった点としてはそのサイドシュートを100%で決められたことはかなり良かったと思っていて。逆に悪かった点でいうと、後半の最初、本来のポジションに戻った時に、あまりチームに流れをもたらすようなプレーができずに、差を広げられるような結果になってしまった。そこは悔やみどころです。(戦ってみてどんな相手だったか)関大のディフェンス面でいうと、初めからずっと打ち合わせしてきたことがかなりはまって、通用する部分は通用していたし、キーパーの星矢も取れるとこは取ってくれたのでそこは良かった。逆に関大のオフェンスの時に、想定していたよりも相手のディフェンスの強度が高くて、思うような展開を作れず、やっぱり向こうはディフェンスに秀でたチームだなと思いました。(4年間を振り返って)今年なかなか勝てずに結果を残せなくて、かなり悔しい試合が多かったんですけど、結局振り返ってみたら楽しかったという、その一言に尽きます。(後輩に向けて)ウエイトをしてください!」
▼岸
「(どんな気持ちで臨んだか)僕たちは先輩にお世話になっている気持ちが強くて。先輩たちのためにという思いで頑張ってやっていたので、絶対1回戦突破するという気持ちでやっていました。(試合を振り返って)相手のディフェンスが強いと思ってやってはいたんですけど、想定より強くて、その対応に時間がかかってしまって最後まで点差が詰めれませんでした。(自身のプレーを振り返って)ディフェンスはしっかり足を動かして守れていたとは思うんですけど、やっぱりオフェンスの部分で、もう少し早く打開策を見つけてすぐに切り替えてできたらもっと良かったと思います。(ラストイヤーへの意気込み)マネージャー合わせて6人と、人数も少ないんですけど、今年出た経験を糧に、後輩と一緒にチーム一丸というのを大事にして頑張っていきたいと思います。(4年生に向けて)3年間、僕は個人的に1個上の先輩にお世話になったので、ありがとうございますしかないです」
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