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最後まで諦めない

最後まで諦めない

「真剣勝負」。何年も前に書き初めで書いた掛け軸が、いまだに自分の部屋に掛けてある。「一年 勝部真穂」と書いてあるから、中学一年生で書いたのかな。小学一年生にしてはきれいすぎるし、高校一年生にしては、真面目すぎる。とにかく何年もの間、なぜか掛けたままだった。そして、ふと思う。今の私は「真剣勝負」できているだろうか。

カンスポ3年目の春、ラストイヤー(カンスポは3年生の12月で引退する)を全力で駆け抜けようと思っていた矢先、私たちは今まで経験したことのない、緊急事態に陥った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、春の試合は全てなくなった。今もまだ開幕が不透明のクラブだってある。苦戦しながら一生懸命作った今年初の紙面も、学校がリモート授業になったり、課外活動が制限された影響で配り切れなかった。山積みになって部室に置いてある新聞を見て、仕方がないと分かっていても、「コロナがなかったら今ごろ」と、つい考えてしまう。

試合があるかどうかもわからない。新聞を作っても意味がないのではないか。どこか前向きになれず、ラストイヤーが台無しになってしまったと思っていた。つい最近までは。

7月12日に始まった、サッカー部女子(なでしこ)の大阪選手権大会兼皇后杯予選。関大なでしこは、今までこの大会で1勝もしたことがなかった。そんな中、初戦で白星を挙げると、不戦勝を経て、23日の準決勝でも、点を取られたら取り返す気迫のプレーで勝利を収めた。試合前、私は「久しぶりだけど、ちゃんと写真取れるかな」と不安に思っていた。しかし、サッカーをできる喜びをプレーに表す選手たちや、声を出すことはできなくとも応援に駆けつけたサッカー部員たちをファインダー越しに見ていると、その心配はすぐに吹き飛んだ。「撮れるかな」ではいけない、「撮らなければ」。忘れてかけていた、カンスポとしての使命感を思い出した。前向きになれないと悩んでいる時間がもったいないと感じた。号外、企画、競技の勉強、私にはやるべきことがたくさんある。

土壇場で同点に追いつき迎えた延長戦、30点に迫るデュース、残り時間数秒で起死回生のインターセプト、ラストプレーでの逆転トライなど、追い込まれても、何度でも立ち向かう選手たちの姿を、私はカンスポの活動で何度も見てきた。3年目、私も”KAISERS”の一員として、誇りを持って活動したい。私が思う「真剣勝負」とは、最後まで諦めないことだ。何気に掛かっていた掛け軸は、何年越しかの私のスローガンになった。【勝部真穂】

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