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中高の部活人生をバドミントン部で過ごした私。人生で一番長く続けたスポーツには、大好きなところもたくさんあるが、苦手なところもある。それは、個人種目であること。シングルスは1対1の戦いだし、ダブルスを組んだメンバーは部活にあまり来ず、大会に出たのは一度だけ。私からすると、バドミントンは孤独な戦いだった。

元々女子が少ない部活だったのも原因の一つかもしれない。男子が大人数を占め、女子1人になった日は数え切れないほどある。それでも、自分を気にかけてくれる顧問の先生と、手加減せずに全力で練習の相手を務めてくれる男子メンバーに恵まれ、部活を続けることができた。必死に練習に通った日々や、仲間たちと過ごした時間は宝物だ。

そうはいっても、仲のいい友達と部活がしたかったし、男女別会場の試合では寂しかった。何度も心が折れそうになったし、バドミントンが楽しいという純粋な気持ちを失くしかけた。そんな中、私はたまたまテレビでバレーボールの試合を見たことから、バレーボール観戦に夢中になった。コートには6人の仲間がいて、リザーブのメンバーがいつでも交代できる体制をとる。選手登録外の選手も声を張り上げ声援を送る。私にとって、仲間がつないだボールで点数を重ねるバレーボールは本当に魅力的だった。

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△沖縄まで足を運んだ、バレーボール日本代表の紅白戦

高校3年生になり、部活を引退。切り替えて頑張ろうと、必死に勉強に励んだ。でも、いくら勉強を続けても模試の点数は上がらず、第一志望の大学の判定も変わらない。「私はもう無理かもしれないな」。それでも励まし合い支え合ったクラスメートと、希望の光を求めるかのように勉強の休憩時間に見つめたバレーボール。「やっぱりチームはいいな」。バレーボールはもちろん、受験を仲間と共に戦っていることを実感し何度も胸が熱くなった。

結局第一志望の大学には不合格になり、関大に入学。もうバドミントンはいいかな、そう思いながらもやはり続けたい気持ちがあったのか、バドミントン部を探す。見るのが好きなだけだったけどバレーボールサークルもいいかも。そんなことを言いながら、もらったサークルガイドを友達と眺めた。人間健康学部の私が、なぜ堺キャンパスのサークルが載っていない冊子を見ていたのかは分からない。でも、たまたま関大スポーツ編集局(カンスポ)のページを見たことが、私の大学生活を大きく変えた。写真を撮り記事にすること、選手たちの姿を間近で追えること。ここなら選手やマネージャーではないスポーツの関わり方ができるんだと思い即入部を決意。新しい扉を開けたような気がした。

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△テニスの取材で撮影をする

カンスポに入り、高校の時に試合を見ていたバレーボール選手から直接話を聞ける機会があった。その選手はエースながらも、「みんなが強くて勝てたチームだった」「チームに助けられた」と繰り返し口にした。心底羨ましいと思った。でも、思い返せばカンスポは「チーム」だ。新聞制作はみんなで力を合わせて完成させるし、普段の取材でも助け合っていることを実感することが多い。KAI SERSの勝利をみんなが喜び、敗北は共に悲しむ。形は違えど、私が憧れていた「チーム」はここにある。楽しいことばかりではないが、この出会いと場所を大切にしたい。【松嶋奈央】

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△バレーボールの取材でのお気に入りの一枚

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