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◇第89回全日本フィギュアスケート選手権大会◇12月27日◇ビッグハット◇

[女子最終結果]
3位 宮原知子(文4) 209.75
9位 白岩優奈(文1) 190.39

白熱した男子フリーから一夜明け、大会3日目には女子フリーの競技が行われた。関大からは宮原と白岩が後半のグループで出場し、どちらも力を出し尽くす渾身の演技を披露した。

昨年、けがで同大会を棄権した白岩。「支えてくださった方々に恩返しをしたい」と意気込んで試合に臨んだ。本番直前には笑顔も見られたが曲が始まると一変。引き締まった表情で滑り始める。難易度の高い3回転ルッツ+3回転トーループをしっかりと成功させ流れに乗ると、次々とジャンプを決めていく。軸のぶれないスピンなど他の要素でも魅了し、大きなミスなく演技後半へ入った。

S__59809814-133x200 宮原、表彰台に返り咲き!
S__59809818-300x200 宮原、表彰台に返り咲き!
△白岩

ジャンプの基礎点が1.1倍になる後半。3回転ルッツ+2回転トーループでは高い加点が付いた。しかし、続くコンビネーションジャンプで着氷が乱れ、ラストジャンプである3回転ループで転倒してしまう。最後までノーミスとはならなかったものの、「軸の安定感はだいぶ出てきた」と収穫の多い大会となった。

S__59809817-300x200 宮原、表彰台に返り咲き!
S__59809816-300x200 宮原、表彰台に返り咲き!
S__59809814-133x200 宮原、表彰台に返り咲き!
△白岩

ショートプログラム(SP)6位から巻き返しを狙う宮原。最終グループの1番目に登場した。ジャンプの入りを入念に確認しスタート位置へ着く。女性の声が鳴り響くと、一気にスピードを上げて滑っていき、3回転ルッツ+3回転トーループを成功させた。続くジャンプもスムーズに決め、音をとらえたコレオシークエンスで会場を引き込んでいく。

S__59809820-133x200 宮原、表彰台に返り咲き!
S__59809821-300x200 宮原、表彰台に返り咲き!
S__59809822-133x200 宮原、表彰台に返り咲き!
△宮原

後半に入るとジャンプの着氷で乱れがあり、最後のコンビネーションジャンプで転倒した。しかし、最後の曲が盛り上がる部分に組み込まれたステップシークエンスが、ジャンプのミスも忘れさせる。体を大きく見せる上半身の使い方や気迫のこもった表情で、曲の壮大さに負けない圧倒的な存在感を見せた。結果は、大きく順位を上げ3位。2年ぶりに表彰台へ返り咲いた。

S__59809823-300x200 宮原、表彰台に返り咲き!
S__59809824-300x200 宮原、表彰台に返り咲き!
△宮原

多くの試合が中止となり、今大会が初戦の選手もいた異例のシーズン。制限された練習環境の中でも、それぞれが工夫しながら努力を重ね、今回の熱戦につなげた。来シーズンはさらにハイレベルな戦いが待っているだろう。【文:森本明日香/写真:アフロ/JSF】

S__59809825-300x200 宮原、表彰台に返り咲き!

▼白岩
「最後の2つのジャンプを失敗したんですけど、それでも最後まで楽しんでこの会場の空気を感じながら滑ることができたので、すごく楽しかったです。去年、全日本(選手権)の会場で滑ることができなくて、観客席から見てたんですけど、やっぱりこの1年間、全日本の空気が恋しいなと思ったし、直接応援してくれているファンの方々からメッセージをいただいていて、支えてくださった方々に恩返しをしたいという気持ちでこの全日本に挑んだので、けがなくSP、フリー、後半グループで滑ることもできたし、本当に楽しかった試合でした。少しずつ体の成長を感じていながらも軸の安定感はだいぶ出てきたのかなと思いますし、今取り組んでいることが間違いではないということがわかったのでそれを自信に、見つかった課題としっかり向き合ってまた来シーズンこの全日本で素晴らしいいい演技ができるように頑張りたいと思います。(演技後、濱田美栄コーチから掛けられた言葉)まず、この全日本の会場で滑ることができて良かったねという風に言ってもらいました。元々、多回転ジャンプを目指して取り組んできているので、やっぱり、全日本が終わったのでどんどん取り組んでいきたいと思いますし、そのほかにも、音を表現する、表現者になりたいと思っているので、オフシーズンのときにしっかりと表現に力を入れていきたいなと思っています。今シーズンは表現の部分に力を入れて取り組んでいて、その中で、表現を意識することで軸が安定しないと悩んだときもあったんですけど、それでも少しずつやっていく内に体幹がしっかりしていくようになって、今回の全日本で軸の安定感が出てきたのがわかったので、そこがすごくいい収穫になったのかなと思います。同じチームの年下のノービスの選手やジュニアの選手が多回転ジャンプに取り組んでいるのを見て、私も負けてられないなと思いますし、ジャンプだけではなくて、シニアにはシニアにしかできない表現や滑りというのがあると思うので、何か自分の得意な部分、強みというのをしっかり磨いていきたいなと思っています。けがするまでは、1日何回も曲かけ練習をすることができていて、本当に何も不自由もなく自由に滑らせてもらってたのが、今年は1日1回ずつとか、曲かけするにも制限ができていたので、その中で一発集中してやるというのが身に付いたのかなと思います」

▼宮原
「失敗はあったんですけど、やれることは思い切ってやれたので、いろんな細かいミスとか小さな失敗はたくさんあって課題もありますし、やることはたくさんあるんですけど、今回のこの経験はすごくいい材料になりました。去年の、試合で不安になってしまうというメンタルの部分は、大きくとは言えないですけど小さな手応えはつかめたと思います。いつもは本番になって萎縮してしまう自分がいたんですけど、そこを何とかのびのび滑れるように、緊張をコントロールできるようになってきたのかなという手応えです。SPもフリーもどちらも同じなんですけど、普段の練習から曲かけになるとどうしてもジャンプが緊張してしまってという所が今まで続いている課題なので、克服しつつあるという手応えは得られたんですけど、まだそこが1番の課題です。これまでと変わりなく、プログラム1つを作品として仕上げるということを重点的に練習していきたいです。(今後のスケジュールについて)まだ、はっきりとは確定してなくて、1月中旬までは日本にいる予定ではあるんですけど、そのあとカナダに戻ってリー先生(=リー・バーケルコーチ)とトレーニングがしたいので。そこはこの状況なのでまだ何とも言えないです。引き続き今までやってきたように、自己管理というか、そういうメンタルの部分とか、トレーニング方法とかを考えながら1日1日練習していきたいです。(フリーのプログラムについて)今シーズンは特に、この試合しか出てないですし、まだまだ滑り込んだ感覚もないので、来季もこのプログラムでいきたいと私は思っています。ジャンプに関しては、もちろんその日の中で1本1本の質を高める練習をしていたのと、あとはだいぶそれができてきたので、それを曲の流れの中でとか疲れた中でもしっかりいいジャンプが跳べるようにという練習はしてきました。事前に、絶対緊張するというのは200%確実に分かっていたことだったので、毎日、練習ではなるべく平常心でやるということを心がけて、それ以外の所ですごく緊張しているのを想像したり、全日本という雰囲気をイメージしながらここに来ました。まだ、練習ほどいい演技ではなく課題もあるんですけど、少しずつは自分なりに上がってきているのかなという感覚はつかめました」

【世界選手権代表インタビュー】
▼宮原
「今年世界選手権に選んでいただけて本当にうれしい気持ちです。でも、まだまだやらないといけない課題はたくさんあるので、これからまた必要なことをたくさん練習して、しっかり世界選手権に向けて、さらに自信を持っていきたいです。ライバルはやっぱり自分でしかないので。いかに自分と向き合うかっていうことが、自分には必要なことで。それをまた、世界選手権でできるように頑張りたいです。あとは、海外の選手もすごくレベルが高いですし、見ごたえがあると思うので、もちろんベストな演技もしたいですけど、他の選手の演技も楽しんでできるようにしたいです。(初出場の鍵山優真選手へ向けて)私から言えることは何もないんですけど(笑)。世界選手権に限らず、試合は楽しんだもの勝ちかなと思うので。楽しんでいきましょう!」

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