◇第102回関西学生リーグ前期第4節◇対びわこ大◇5月4日◇於・J-GREEN堺S1◇
【前半】関大0-0びわこ大
【後半】関大1-0びわこ大
【試合終了】関大1-0びわこ大
スターティングメンバー
GK 安田
DF 桑原、大西、木邨、吉村瑠
MF 川島、和田、三木仁、真田
FW 淺田、堀
前節、大経大から逆転勝利を収め、首位に躍り出た関大。第4節はびわこ大と対峙(たいじ)した。前半は拮抗(きっこう)した展開が続いたが、得点が動くことはなく折り返す。後半開始から果敢に相手ゴールに迫り、関大の先制点は時間の問題だと思われた。しかし、同13分自陣ペナルティエリア内でファールを取られPKに。ピンチの場面でGK安田翔悟(シス理4)が、PKストップに成功。10人となった関大は、自陣に押し込まれる苦しい展開が続く。しかし、セットプレーからDF木邨優人主将(政策4)が先制点を獲得。この1点守り切り、大きな勝ち点3を手にした。
相手ボールで試合はキックオフ。試合開始直後は、自陣でのミスからシュートまで持っていかれるなど落ち着かない。相手のロングパスから背後に抜け出されるシーンも。しかし、DF木邨、DF大西志有太(文3)の素早い判断からの守備で、決定的なチャンスを与えない。
徐々に関大も相手ゴールに迫るシーンが見られる。前半18分、DF吉村瑠晟(経3)が背後に抜け出しクロスを上げた。相手にクリアされるもののコーナーキックを獲得。ファーサイドでフリーになったDF大西が合わせるもポストにあたり得点とはならず。決定機を仕留められなかったDF大西は、頭を抱え悔しさをあらわにした。MF三木仁太(政策3)、MF和田健士朗(人2)のボランチコンビが、今試合もゲームを組み立て試合をコントロールする。相手のビルドアップに対しては、前線からプレスを掛けるが逃げられるシーンも。拮抗(きっこう)した展開が続きながら迎えた同34分。MF真田蓮司(法2)が右サイドに展開する。DF桑原航太(社2)が受け、ペナルティエリア内にいるFW堀颯汰(人1)へアーリークロス。頭で合わせたが、惜しくも相手GKがキャッチし先制点とはならなかった。その後もゴールを襲うシーンが見られるが、得点とはならず。スコアは動かないまま、前半を折り返した。
交代はなく、関大ボールで後半開始。直後の後半1分、DF木邨主将からロングフィードでDF桑原へ展開する。DF川島功奨(社4)、FW淺田彗潤(人3)がパスを受けようとする仕草を見せ、相手の意表を突くスルーでパスはFW堀の元へ。FW堀はワンタッチでFW淺田にパスを出し、クロスを上げる。相手GK前に走り込んだMF真田が合わせるも、相手DFにブロックされた。その後も果敢に相手ゴールに迫り、同10分。DF吉村瑠が左サイドで仕掛け、グラウンダーの高速クロスを上げる。ボックス内でFW堀が合わせるも、相手GKに触られポスト直撃。得点とはならない。関大の先制点は時間の問題と思われた同13分。相手のゴールキックから背後に抜け出され、DF大西がペナルティエリアで相手を引っ掛けPKを与える。この行為に対して、審判はレッドカードを提示。DF大西は今シーズン公式戦全試合にスタメンで出場。試合を重ねるごとにその存在は大きくなっていただけに、手痛い退場となった。「やす(=GK安田)がPKを止めてくれるとみんなが信じていた」とDF木邨主将。その思いに応えるように、GK安田がPKストップに成功し危機を脱した。このセーブに会場の盛り上がりは熱を増す。
その後、FW淺田に代えDF髙橋哲也(文2)がピッチイン。緊急出場の難しい中で、TOPデビューを果たした。10人となった関大は、相手にボールを保持される展開となり我慢の時間が続く。しかし、全員の集中した守りで決定機を作らせない。なかなかゴールに襲い掛かる場面を作れない中迎えた同35分。関大はセットプレーを獲得し、キッカーはMF真田。DF木邨主将が1度合わせ、ルーズボールをそのまま押し込み今季初ゴールを決める。今季から主将を務める絶対的センターバックが、貴重な先制点をもぎ取った。
その後は相手に攻められる展開となったが、鉄壁の守備で相手がネットを揺らすことはなく試合終了。数的不利だっただけに、貴重な勝ち点3を獲得した。
今試合の勝利で、今シーズンの公式戦無敗記録を8に延ばした関大。10人になった後も冷静に試合を進め、勝利をつかめることを証明した。次戦は大阪選手権決勝。直近2試合は逆転勝利、数的不利での勝利とチームの自信につながるゲームを展開している。この勢いのままに大会3連覇、天皇杯出場をつかみたい。【文/写真:岩口奎心】
▼DF木邨主将
「(前半を振り返って)相手の戦術で前から来るということは想定していた。でも、そこを自分たちがうまくかいくぐれなかった。前半のところでそこを修正できれば、もう少し楽な試合運びにできたと思う。(後半を振り返って)前半の終盤と、後半の序盤は自分たちのペースだった。その中でこのままのペースを続けたら絶対チャンスがくるし、その中で絶対決め切ろうという話をしていた。チャンスはあったけれど、不意の突かれて、自分たちが1人少なくなる状況になってしまった。でも、10人になっても絶対諦めないというところと、やす(=GK安田)が止めてくれるというのはみんなが信じていた。絶対自分たちが1点決めて勝つという強い気持ちを持ってプレーしたこと。これが今日の勝利につながったかなと思う。(自身のゴール)最初蓮司(=MF真田)のボールが流れるかなと思った。でも、案外風で止まって自分が触ったか相手になったかわからないけれど、自分の前にこぼれた。ちょっと危なかったけれど、決めることができてよかった。(10人になった後の試合)ボールを持たれるというのは、わかっていた。その中で焦れずに、自分たちは強かに泥臭く戦うだけだと、ずっと話した。後ろは絶対無失点でやるというところもチームの共通認識としてあった。今日の試合の後半はできてたかなと思う。(次週は8日間で3試合の過密日程)昨年もその経験をしている。自分も含めて昨年経験してる選手が、そういうところをチームで引っ張る。3連戦全勝したいと思う。(次戦の意気込み)自分たちは3連覇が掛かっている。チャレンジャー精神を持って絶対に優勝して、3連覇を成し遂げたい」
▼GK安田
「(前半を振り返って)今週ずっと話していたが、相手が最下位でこちらは首位。状況としては向こうの方がやりやすい。自分たちはまず相手のこと受け過ぎず、自分たちからアクション起こしていこうと話した。自分たちが思っているような内容ではなく、ボール持たれる展開だったが、後ろに関しては0で終われたところが良かった。(後半を振り返って)前半終わってから、ハーフタイムにもっとアグレッシブにいこうと話した。びわこ大が後半に落ちてくることは過去の戦績から出ていた。自分たちから仕掛けていこうという中で、ボールを持てていたというのは非常に良かった。10人になったところで難しい試合になるなと思い、そこで自分がまずPKを止めることができたことは、すごくプラスなことだと思う。10人になった中難しい状況にはなったけれど、しっかりセットプレーの場面で決め切れた。その1点を守り切って勝てたということは、このチームにとって非常に良かったと思う。(自身のPKストップ)審判がイエローかレッドか迷ってたところで、講義する時間も長くて、 結構時間が経っていた。相手も緊張しているなと思ったし、味方も相手のこと煽ったりして、自分自身PKはそこまで得意ではないんですけど、 思いっきり飛んだ。もう止められなかったらしょうがないなという気持ちだったので、結果的に止めることができて良かったと思う。(GK陣のポジション争い)僕は大阪選手権の方に2試合出場させていただいて、少し悪い言い方をするとメンバーを落とした形の時に出た。そんな中でもしっかり勝てた。前田監督は昨年プロが6人出て、全員抜けた中で選手層としては余裕がない状況。サブの選手もスタメンと同等の力が発揮できるようにとおっしゃった。リーグ戦で急遽こういう形で初先発させていただいて、勝利という形で終われたのは非常に良かったと思う。(次週は8日間で3試合の過密日程)キーパーも含めてタフな戦いをしていかないといけない中で、1試合も関大としては負けられない。選手層というところが大事になってきて、けがももちろんついてくるかもしれない。だけど、どんな状況であっても、まずはこの連戦を戦い抜くというところが大切だと思う。(次戦の意気込み)まずは3連覇というところを達成したいと思う。過去のことは一旦忘れて、自分たちが桃山大に勝ち切れるようにやっていきたいと思う」
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