◇2023年度関西学生女子秋季リーグ入れ替え戦◇対武庫女大◇11月18日◇いずみスポーツヴィレッジ◇
【前半】関大0-0武庫女大
【後半】関大0-1武庫女大
【試合終了】関大0-1武庫女大
GK 瀧沢雪
DF 中尾、南中、井口、吉田り
MF 田中、瀧沢美、𠮷尾、青木、吉田遙
FW 冨田
満を持して迎えた、1部2部入れ替え戦。先制点を奪いたいところだったが、前半は守備に徹する展開に。それでも無失点で試合を折り返した。しかし後半開始早々に痛い失点。なんとか追いつこうと懸命に相手ゴールへと迫るが、得点できず。1点が遠く、悔しい黒星。1部昇格は、来年へお預けとなった。
冷たい風が吹き付ける午後5時半。運命の一戦は、関大ボールからスタートした。試合開始早々、パスミスから相手にボールが渡る。中央の空いたスペースからシュートを打たせてしまうが枠外。さらに前半7分には今試合初のCK(コーナーキック)を与えるが、GK瀧沢雪乃(人4)がナイスキャッチでピンチをしのいだ。その後は相手にボールを保持される時間が続く。しかし前半22分、FW冨田歩花(政策3)がパスカットから中央突破。前線へとボールを運ぶが、相手DFに拒まれシュートまでつなげられない。直後にはDF吉田りん(政策1)が今試合初のシュートを放つも、惜しくも相手GKの正面だった。
応援の声援が、フィールドに鳴り響く。しかし流れは終始相手ムード。守備に徹しながら、相手のリズムが崩れるタイミングを伺う。相手のカウンターにも、DF中尾純菜(社4)を軸とした強固なDFがブロックして対応。さらに自陣で混戦にされる場面もあったが、GK瀧沢雪が大きく飛び込んでキャッチ。応援から大きく歓声が沸いた。
前半終了間際には、立て続けにCKを与えてしまう。先制点は許すまいと、全員が声を掛け合い懸命な守りを見せる。FW冨田が体を張って積極的にボールを奪いに行くシーンも見られた。相手の猛撃になんとか耐え、無失点で前半終了。攻撃のチャンスは数多くなかったものの、守備が光る内容で試合を折り返した。
日もとうに沈み、空には綺麗な三日月が一つ。気温も下がり冷え込みが増す中、DF井口結愛(情1)に変えてFW森重亜衣子(政策4)がピッチイン。後半がスタートした。しかし前半の流れを変えられず、開始早々の後半2分、危機が訪れる。自陣前まで一気にボールを運ばれ、そのまま放たれたボールは関大ゴールの中へ吸い込まれてしまった。後半立ち上がり直後の失点に、立ちすくむ選手たち。ベンチから「切り替えていこう」の声が飛ぶ。途切れない応援の声援も背中を押し、選手たちが再び前を向いた。
まずは追いつきたいところだが、それでもなおボールをキープし続けるのは相手。度々関大ゴール前まで持ち込まれる場面も。後半13分には右サイドを崩されるが、GK瀧沢雪がナイスセーブを見せ追加点を阻止した。
後半20分を過ぎてからは、徐々に関大がペースをつかみ始める。FW冨田のシュートが相手DFに当たり、今試合初のCKを獲得した。DF中尾が放った低めのボールは、相手DFに弾かれる。直後には、FW森重とMF青木陽和(政策1)が息のあった連携で突破。高くあがったクロスにFW冨田が頭で合わせるが、惜しくもポスト直撃となった。
ボールを保持する時間も増え、次第に士気も高まる。ベンチから「あと3本です」の声。残された時間はあと15分。懸命に相手ゴールへと迫る。フリーキックのチャンスでは、ショートコーナーを利用し相手を翻弄(ほんろう)。ゴール前で混戦になるが、惜しくも得点までつなげることはできなかった。
ベンチから再び声がかかる。「あと2本です」。次第にタイムリミットが迫り、選手の表情にも焦りが見え始めた。後半39分にはFW冨田に変えてGK勢古亜実(人2)を投入。さらに瀧沢雪がFWにポジション変更し、得点を狙う。ベンチ、応援を含め全員が見守る中、懸命に走り続ける選手たち。しかし時間は容赦なく進む。そしていよいよ、受け入れ難いそのときがやってきた。試合終了を告げるホイッスル。秋季リーグ最終節同様、膝から崩れ落ちる選手たちの姿が、照明塔に照らされていた。
春に2部自動降格。部を統率する指導者がいない中、それでも秋で巻き返し、入れ替え戦で戦えるレベルまで持ってきた。紆余曲折ありながら終えた今シーズン。試合後、4年生の表情には笑顔も浮かんでいた。寒い冬を乗り越えれば、必ず春が訪れる。来年こそ、1部昇格、インカレ出場へ。関大なでしこの新たな歩みは、もうすでに始まっている。【文:合田七虹/写真:滝口結月】
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