◇第69回関西学生リーグ戦◇対大工大◇10月9日◇関西大学たかつきアイスアリーナ◇
[第1P]関大5ー1大工大
[第2P]関大6-0大工大
[第3P]関大2-0大工大
[試合終了]関大13-1大工大
計6試合ある1部予選。そのうち3試合すべてを快勝している関大は、この日大工大と対決した。FW泉大我ゲームキャプテン(人4)は「合わせてしまって熱い攻めができなかった」と、レベルの異なるチームとのゲームにかえって苦戦した様子を見せたものの、点の入らない時間など一瞬に過ぎない。14連覇中の王者はすぐに流れを牛耳り第1ピリオド(P)から5得点。以降も着実にスコアを重ね、予選の後半戦をいい形で滑り出した。

FW佐々木隆弥(情4)のフェースオフで試合がスタート。早くも56秒にFW嶋野瑛心(文3)がシュートするも、これは枠外となりこぼれたパックを相手に拾われてしまう。ディフェンディングゾーンに向けて運ばれているものはDF佐藤翼(法3)がブルーライン付近で奪い、決してシュートはさせない。堅い守りを見せた。攻守ともにアグレッシブな動きをしていると、5分にはゴールが生まれた。FW岸上樂(情1)のフェースオフでパックを手に入れた3セット目はパスをまわしゴール前へ。FW岸上が右から出したパックにFW小笠原慶太(人4)が押し込みネットを揺らした。


先制ゴールで勢いに乗ったと思われた関大だったが、ゴール裏を使うなど戦略的に挑むもなかなか入らない時間を過ごす。さらには10分。1度はGK常川渉稀(人1)が防具に当て阻止したものの、連続で攻められ左からのパックにはうまく反応できず失点をしてしまう。だが、第1P残り5分でFW神山太一(社2)が混戦を制しゴール。この得点によりチームの攻撃に火が付き、2分の間にFW岸上、FW泉、FW嶋野と続いた。ディフェンス面でも、残り1分に自陣へパックが来た際もDF佐藤翼、DF鈴木郁也(情3)のDF陣が協力し敵陣に戻すなど安定したプレーを見せる。序盤は危ない時間を数分過ごすも、後半は流れを支配し4点のリードで第1Pを終えた。




第2Pは開始すぐからゴールが決まった。FW泉が相手をプレスし奪ったパックをFW山根早加(社2)が回収。そこからこまめにパスをまわしているとブルーラインにいたDF鈴木がロングシュートを打つ。直線上にいたFW佐々木がそのパックに触れゴールへ誘導した。さらにここから2分もしないうち、同じフォーメーションで別のセットが得点。関大の作戦が相手にはまった。折り返し時点には、DF鈴木が自陣で取り返したパックをFW嶋野が手にし速攻を試みる。相手GKとのフリーを制し、ネット上を突き刺すシュートでスコアを重ねた。30秒後、FW髙秀稜(社2)もゴールし10点台に乗る。


第2P残り5分を切ると、攻撃のスピードを上げた。その反動でパスミスをしてしまいGK常川と相手FWとの1対1の場面もあったものの、全身を使いパックを止める。得点を決して許さなかった。猛攻を続けていると、残り4分にはアタッキングゾーンでのフェースオフというチャンスが到来。DF鈴木がつかんだパックはブルーライン真ん中のFW嶋野の元へ。FW嶋野のシュートは相手DF3人を抜き、FW根本の前に来る。FW根本もしっかり決めきり点差を10に広げた。関大が大幅に優勢のまま最終Pを迎える。


第3Pは3分、FW中植圭太(情3)のゴールで幕を開けた。FW高橋寛騎(法1)のフォアチェックで関大パックにしたものを、FW大嶋海人(情4)がゴール前まで運びFW佐々木にまわす。FW佐々木とFW中植がゴール目の前で粘り、FW中植が相手GKを抜いてみせた。6分にはこの日初めてのキルプレー(数的不利な状態)に。1人少ない不利の中でもFW嶋野を中心に猛攻。2分の中でゴールとはならなかったが、完全に流れは関大であることを証明した。

13分にもFW川島広暉(人4)が浮かせたパックの落下地点にFW佐々木が待機しシュートする。これはゴールとはならなかったが、15分に再びFW中植がゴール。相手のパスミスで攻守交代すると関大がアタッキングゾーンを広々と使いじわじわとゴール直前へ。FW中植が精度の高いショットを見せ相手DF3人を突破させた。残り4分間に敵陣でのフェースオフを3度繰り返し幾度となくシュートを打つも惜しい枠外となる。そのまま得点は生まれることなく試合は終了。最終Pはシュート数43本に対し2ゴールとシュートの正確性について課題の残る20分となった。

土日連戦の初日。圧勝したものの、次の相手は同大。気を抜いてはいられない。昨年の予選では首位の座を許した宿敵なのだ。大工大戦終了からわずか半日でフェースオフとなるが、選手陣は気合十分だ。この結果に慢心することなく、すぐの同大戦に備える。【文:木原綺音/写真:上田紫央里】

▼FW泉ゲームキャプテン
「(試合を振り返って)チームとしては相手がいつもより下のレベルということで、やりづらさもあったが、先制点を取れて良かったと思う。個人的には相手のレベルに合わせてしまった部分があったので、そこは修正していきたい。(具体的にどこがやりづらかったのか)スピードが僕たちより速くないので、それに合わせてしまってアツい攻めができなかった。(ゴールシーンを振り返って)最初パックを持ったときにツーワンになっていると思っていたが、横を見たらDFが付いていたのでシュートを打つしかないなと思って、入ってくれたので良かった。(一番輝いていた選手は?)最終Pに2点入れていたFW中植くん。少ないチャンスの中で決めていて良かった。(あすに向けて心がけたいこと)これから帰ってから準備できることもあるので、調整していきたい。(次戦に向けて意気込み)あしたがんばりま〜す!」
▼DF佐藤翼
「(試合を振り返って)自分的にはアタッキングゾーンでのFWへのパスが良くなかったり、失点の際も自分がリンクに出ていて、納得のいかない試合だった。(アシストについて)郁也(=DF鈴木)に出して、打ったシュートがりゅうやさん(=FW佐々木)に、といい流れで得点できたと思う。(良かった点も悪かった点)良かった点は比較的周りは見れていたと思う。悪かった点は全体的に自分のパス精度。今後の課題だと思う。(あすに向けて心がけたいこと)あすは今日の相手よりも何段階も速い相手になるので、もっと周りを見てFWにいい攻めをしてもらえるようにいいパスを心がけたい。(次戦に向けて意気込み)電光掲示板に載るようなアシスト、得点をしたい!」
▼FW中植
「(ゴールシーンを振り返って)アタッキングゾーンの奥の方でプレーできて、そこからワンパスでシュートという感じ。同じセットで頑張っていた仲間から貰えたパックで決められてうれしかった。(第2Pと第3Pで心の入れ替えはあったのか)出られるチャンスを大事に、出られるときは足をたくさん動かそうと考えていた。(良かった点と悪かった点)良かった点はいっぱい足を動かして、相手に体が当たってパックを競り合えたこと。悪かった点は自分からのパスとなると、うまくいかないことがあるのでそこを改善していきたい。(あすに向けて心がけたいこと)もし出られるなら、精一杯自分の強みを生かしてがんばります!」
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