◇第89回関西学生選手権大会◇最終日◇9月10日◇ベイコム総合体育館◇
【女子シングルス】
[3回戦]
岸本●0-3
藤原●0-3
赤川●0-3
朝野●0-3
【男子シングルス】
[4回戦]
杉山●2-3
津村〇3-0
[5回戦]
津村〇3-0
[準々決勝]
津村〇3-2
[準決勝]
津村〇3-0
[決勝]
津村〇3-2
関大から4年ぶりの関西王者が誕生した!ルーキー・津村優斗(社1)が大会最終日も破竹の勢いで勝ち進み、決勝の舞台へ。相手ペースで試合が進むも、粘りを見せ大逆転勝利を果たし、見事関西の頂点に立った。

最終日は女子の3回戦から開催。関大からは朝野郁香(社4)、赤川真理亜(化生4)、岸本紗良(情3)、藤原真由(人2)の4人が出場した。全員が1部に所属する大学の選手と対戦したが、壁は厚かった。


最終年でのランク入りに燃える赤川は神松蔭大の寺本と対戦した。2ゲームを落とし、迎えた3ゲームでは先にマッチポイントをにぎる。しかし、「レシーブを2本ミスしてしまった」と同点に持ち込まれると、そのまま試合を決められた。


もう1人の4年生朝野は立命大の萱嶋と対戦。「1セット目が勝負だった」と振り返るように、序盤リードを重ねたが、要所で決め切れず落としてしまう。すると勢いに乗った相手に2、3ゲームと取られ敗戦となった。


午後からは男子の試合が開始。関大からは杉山孝知(社4)と津村が出場した。杉山は同大・石脇と対戦。1ゲームを落とすも、フォアハンドとバックハンドを上手く使い分け後の2ゲームを取り返した。杉山主導で試合は進み、第4ゲームもマッチポイントまで持ち込む。だが、「勝ちたいという思いが強くなって、力が入ってしまった」と1点が遠かった。続く第5ゲームもレシーブが浮いてしまい勝利を逃した。だが、「それも含めて大学の4年間だった」と試合後には晴れやかな表情も見せた。


関大勢で唯一準々決勝に残ったのは津村。対戦相手は、先日行われた秋季リーグ戦で敗れた同大・久世だ。序盤から連続ポイントを奪われ第1ゲーム目を落とすと、そこからは両者一歩も引かないシーソーゲームを繰り広げる。第2、3ゲームはどちらもデュースとなったが、最後まで粘り見事に勝利。次のゲームを落とし最終ゲームまでもつれ込んだ戦いは、強気の姿勢を貫いた津村に軍配が上がった。

緊張感が高まる準決勝でも快進撃は続く。相手のスマッシュをものともせず点を重ねていき、第2ゲームでは8連続ポイントを獲得して相手を追い詰める。プレッシャーにも負けずストレート勝ちで決勝戦にコマを進めた。

王者が決まる最終決戦。強豪・関学大の吉田と対峙(たいじ)した。緊張からかミスも目立ち、第1ゲームから劣勢に。「フォアで相手に攻められたから苦しい展開になった」と、実力者の鋭いフォアハンドに太刀打ちできず2ゲームを先取される。窮地に立たされたが、津村は落ち着いていた。試合中に戦術を立て直し一気に流れを引き寄せると、2ゲームを取り返す。勢いそのままに挑んだ最終ゲーム。豪快なスマッシュや鋭いバックハンドも光り、序盤で大きくリードする。最後は腕を大きく振り抜いたショットで得点し勝利を収めた。

多くの関大の選手が出場した今大会。大学のラスト試合であった杉山、朝野、赤川を始めとして、選手それぞれが力を出し切った。また、若手の健闘ぶりも目立った。特に同大会初出場にして王者となった津村は今後、関大の主力として活躍が期待される。【文/写真:北島大翔・森本明日香】
▼朝野主将
「最後の試合なので1セット目から自分のベストパフォーマンスを出したいなと思って、いつもよりちゃんと足も動いていてサーブも入って。たぶんなんですけど、相手は緊張しながらやってくれてるかなと感じてて、最初はリードできたんですけど相手も格上の選手なので、後半同じサーブばかり効いてると思われて出されてしまって、最初の1セット目が勝負だったなと思います。(立命大の選手は)格上だとわかってたのでもう向かっていくだけで、自分のプレーでベストを尽くしてどれだけやれるかでした。最後の試合に関しては悔いはないですけど、これまでを振り返ったら後悔がないということは決してないのでこれまでにもっと頑張れてたら今回の結果ももっと違ったのかなと思います。(自分に足りなかったのは)しんどいなと思った時に自分を鼓舞できないシーンがあったところです。(主将としての1年を振り返って)副務を経て主将をやらせてもらったんですけど、副務をやらせてもらったときに選手ことだけじゃなくて試合を運営してくれている学連の方々だったり部活のサポートをしてくれている主務の方や本部の方など本当にいろんな方々に支えられて選手は出来ているということをすごく実感して、主将になったらそういう方々に感謝をするだけではなくて少しでも役に立ちたいと思っていろんなところに気を配ってやってきたつもりです。私もいろんな方に支えられて何とか主将としての役割を終えることができて、みなさんにはありがとうございましたと伝えたいです。(大学4年間で印象に残っていることは)高校までは、団体戦は1人の結果がチームの勝敗に関わるので苦手だなと思っていて、卓球を始めたのも団体競技ではなくて1対1で試合をするからだったんですけど、大学に入ってみんなが応援してくれる中で試合をする団体戦の楽しさを初めて知れたことです。(引退を迎えて)自分1人では絶対3年半続けて来れなかったので、みなさんにありがとうという気持ちと自分お疲れ様でしたという気持ちです。(関西学生のレベルについて)一時期1部リーグでやらせてもらったこともありますけど、いつも入れ替え戦に回ってましたし、1部校と2部校の差とか実力の壁はすごく感じていました。でも今は頼りになる後輩がいて、1部活相手にも善戦できる選手たちがそろっているので、来年からは1部校と渡り合ってくれるんだろうなと思って応援しています。(後輩へのメッセージ)途中で卓球嫌いだなとか部活辞めたいとかしんどいことがあるかもしれないけど、そのときはそう思ってても3年半終わった後、今までやってきて良かったなと初めて感じると思うので、それまで全員で助け合って悔いなく終われるように頑張って欲しいと思います」
▼赤川
「相手が神戸松蔭の選手で、神戸松蔭と言ったら、ラリーでつないでくるイメージ。同じ地域出身で何回か対戦とか練習もやったことがあったので知ってたんですけど、練習不足だったのとラリーに粘りきれなかったのが敗因です。(第3ゲームは)メンタル面ではラブオールとかあんまり考えていなかったんですけど、レシーブを2本ミスしてしまった。自分が苦手なのがレシーブなので、大事な場面でそこが出てしまったのかなと思います。(関西学生卓球について)自分はずっと四国にいて、全国とかあんまり出たことがなかったので大学に入って関西に来てみたらやっぱりレベルが高いなと。その中で試合することができて、自分自身も周りが強いから刺激されて成長できた部分もありました。(印象に残っているのは)1年生の時に関大はずっと2部だったんですけど、久しぶりに1部に上がって、その時の試合が強く印象に残っています。みんなで力を合わせて2部から1部に上がれたので良い思い出ですね。(今後は)自分は選手として戦っていくのは区切りをつけたいので、卓球は誰かのサポートをする形で関われたらなと思っています。(後輩たちへのメッセージ)関大の良いところはみんなで頑張ろうというところなので、それを大事にして欲しいな。団体戦も個人戦も常に心の中で仲間がいると思って戦い続けて欲しいなと思います」
▼杉山
「結果的にはそこまで悪くなくて、調子も良かったので、自分的には納得しています。けど、相手が上手かったのと、1枚上手だったのでそこで耐えれたらと思ったんですけど納得はできています。(4ゲーム目は)4回生で最後に勝ちたいという思いが強くなって、力が入ってしまった。それも含めて大学の4年間だったと思うのでそこは後悔はしていないです。(関大卓球部は)自分たちで考えて練習ができて、チームの仲が良いからお互いに高め合えたことが個人的にはよかったです。(印象に残っていることは)やっぱり去年の秋で優勝できたのが思い出です。自分は1勝しか出来なかったけど、その1勝が優勝に貢献できたので、自分的にも誇れることだったので印象に残っています。(今年の秋リーグは)悔いは残っていないんですけど、後輩の試合とか見てて、実力的に他の学校に劣っている部分も感じたのでそこをなんとか修正して欲しいです。僕たちはここで引退してしまうので後輩たちには僕たちの分も頑張って欲しいです」
▼津村
「(優勝したことは)まだ実感があまりないです。でも優勝できてよかったです。(決勝戦は)最初、戦術が上手くいってなくて3セット目の途中から戦術を変えたら上手くいったので、そこからは落ち着いてプレーできたと思います。試合をやったことがない相手だったので、最初はあまり戦術を考えてなかったんですけど、フォアで相手に攻められたから苦しい展開になったので、バックにもつないだりして上手く混ぜたら相手から攻められることも少なくなったのでそこが良かったと思います。弱気で行ってもだめなので、そこは強気で行こうと思いながらやりました。いつも最初はびびってしまうんですけど、(決勝は)びびることとかもあまりなくて、気楽にプレーできました。(決勝までは)相手が1年生ばかりで、年上の選手とやるよりは向かって行きづらかったのでそこが少し苦しかったです。(1番大変だった試合は)3回戦でカットマンの選手と当たったとき、(ゲームカウント)1-2で3ゲーム目も2-5だったときはもう負けると思ったんですけど、換気が入って流れが1回途切れたのでそれが良かったです。今回優勝したので、4連覇目指して頑張りたいと思います」
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