「お前の人生幸せなん?」せわしなくパソコンと向き合う私を横目に、友達が聞く。「めっちゃ幸せやで」。当然のように答える。
側から見れば、学部で一番大変と言われるゼミに所属し、毎週5分以上にも及ぶプレゼンテーションと4000文字のレポートを作成する、とてつもなく忙しい日々。それに加えて週末は関大スポーツ編集局(カンスポ)の活動として取材に赴き、平日は記事を執筆。号外や企画も作成するなど、この秋、暇な時なんてなかった。正直、自由な時間を過ごす周りの大学生がちょっと羨ましかったりもする。自分の時間なんて何度犠牲にしてきたか分からない。でも何でだろう。毎日がひたすら楽しかったし、一度として逃げ出したいと思ったことはない。それはいつ何時も私の周りには私にとって特別な存在、大切な存在がそばにいてくれたから。
まずはいつも大学生活をともにする3人の友人の存在。毎日が忙しくて愚痴をこぼしても変わらずそばにいて話を聞いてくれる。去年のコラムでも書いたけど、この3人がいなければ自分の大学生活は幸せではなかった。優しくて、仲が良すぎて意地悪を言ってくる3人だけど自分にとって特別な存在。「いつもありがとう」
次にKAISERSの存在。連日の取材や早朝の取材は、正直本当につらかった。「頑張っている選手がいるから」とか「選手がいるから自分たちが活動できる」。心ではそう思っていても体は本当にしんどかった。それでも頑張ることができたのは「いつも寛太君が取材に来てくれることがうれしい」や「寛太君が撮った写真を部員同士で喜んで見ているよ」という言葉。今年1年、自分の担当する競技の選手にとって『唯一無二の記者になること』を目標に過ごしてきた私にとってこれ以上にないうれしい言葉だった。改めて「いつも取材させていただいてありがとうございます」
最後はうれしい時も苦しい時も、支えてくれる同期の存在。みんなコラムで書いているから「もういいかな」って思ったけど、自分にとって大切な存在だから書かせてください。本当に個性豊かでいろいろな考えを持つ同期7人。でも、いつも温かい雰囲気で話すあの時間が自分にとってすごく大切だ。今年1年、何度同期の頑張りに励まされたか。何度同期の優しさに救われたか分からない。「いつもありがとう」
これだけの人に囲まれているのだから幸せに決まっている。逆に自分は周りの人にとって、大切な存在なのかな。まったくそんな自信はない。よく周りからは「優しいね」とか「思いやりある」とありがたいことに言ってもらえる。さらに同期から推薦もあり、来年の編集長を務めることにもなった。
でも、「俺ってみんなが思ってくれるほどできた人じゃないねんなあ」。何度そう思ったか分からない。忙しくなれば周りが見えなくなるし、自分本位の考えにもなってしまう。こうして振り返っているうちに「俺ってほんま中途半端やな」って考えさせられた。「あんたに編集長なんて務まるわけない」。母にそう言われたけど、まったくその通りだと思う。今のままなら。
「来年どうしたらいいんやろ」あれこれ考えていたけど、意外にもすぐに答えは出た。「じゃあ変わればいいやん。未来はまだ決まっていない。中途半端な自分捨てて、全部全力でやればいい」そう思えた。
だから、ここで宣言します。
『忙しさなんて言い訳せずに、全部全力でする。編集長らしくかっこよく、とか仕事できる社会人みたいに効率よく、とかそんなんじゃなくって。何事にもひたむきに誰かのために思いやりもって、泥くさく全力で』。かつて野球少年だったころの稲垣寛太らしくていいや。それを365日積み重ねればいい。
来年の今頃、「担当記者が稲垣寛太で良かった」と担当競技の方々から言われるように。「今年のカンスポの編集長が稲垣寛太で良かった」と体育会関係者の方々から言ってもらえるように。「寛太が編集長で良かった」と同期から言ってもらえるように。一日一日を大切に頑張ろう。全力で過ごす毎日に幸あれ。【稲垣寛太】
コメントを送信