◇全日本学生大会2023・第73回全日本学生章典障害競技大会◇11月2・3日◇於・三木ホースランドパーク◇
[障害競技1日目]
1位 中沢・千駿組 減点0 タイム68.66
2位 島村・千蘭組 減点0 タイム70.17
光森・ドルス組 減点4 タイム73.80
仁部・千香組 減点0 タイム76.97
漆原・カリエーレ組 減点0 タイム76.74
[団体1日目]
1位 関大 総減点0
[障害競技2日目]
優勝 漆原・カリエーレ組 減点0 タイム74.40[JO:減点0 タイム38.95]
5位 島村・千蘭組 減点0 タイム71.15[JO:減点4 タイム53.12]
光森・ドルス組 減点4 タイム77.58
仁部・千香組 減点4 タイム76.69
中沢・千駿組 減点16 タイム69.31
[団体2日目]
1位 関大 総減点4
【結果】
[個人] 優勝 漆原・カリエーレ組
[団体] 優勝 関大
暖かい日差しの中始まった全日本学生大会。関大が最も力を入れている障害競技で幕を開けた。障害競技は2日間かけて行われ、個人・団体(団体は各大学で上位3選手の結果で順位がつけられる)ともに順位が与えられる。どちらも1位を目指す関大からは5人の選手が出場した。1日目は安定した演技で関大の力を見せつけ、個人団体ともに関大が1位で通過する。2日目も他大を圧倒する演技を見せた。最低限のミスで抑え団体が優勝。そして、完璧な走行をみせた漆原竜吉(情2)・カリエーレ組が個人で全国の頂点に立った。
全国から実力者が揃うこともあり、多くの観客が見守る中試合開始。1日目、関大の第1走者は島村空音(情3)・千蘭組だ。緩やかな走りから演技開始。順調に障害を越えていく。第10障害で、馬の脚が止まり障害を落としそうに。観客は息をのんだが、ここを飛び越えると、大歓声を上げる。そのままゴールし、減点は0。関大にいい流れを持ち込んだ。
2人目に登場したのは中沢壮(情3)・千駿組。難易度の高い、中盤にある障害3連続に差し掛かったところで仲間から「頑張れ」の声が上がる。この障害2個目で脚が当たるも、バーは落ちず。その後は勢いある安定したジャンプで障害を飛び越え、減点0で演技を終えると、1日目は個人で1位に立ち関大の団体成績に貢献した。
次に登場した光森美絢(人3)・ドルス組。息を合わせ、ゆっくりと走行を開始した。順調に障害を飛び越えていったが、中盤でバーを落としてしまう。その後も詰まる場面はあったが、ここは飛び越えていき減点4で演技を終えた。整備を挟み、仁部泰夢主将(情4)・千香組が演技を開始した。安定したジャンプに会場は魅了される。すべての障害をゆったり流れるように飛び越えていき、安定感あふれる走行で減点0。演技後には笑顔でガッツポーズを見せた。
関大そして出場選手の中でも最後に演技を開始したのが漆原・カリエーレ組。最後の走者ということもあり会場は静かな雰囲気に包まれる。高さのある安定したジャンプで障害を飛び越え、演技を終えた。演技後は笑顔を見せ、関西王者として挑んだ今大会でも、カリエーレとの安定感を見せつけた。
減点0が3人そろったのは関大のみ。安定感あふれる演技で全国の舞台でも実力を発揮する。1日目終了時点で個人団体ともに1位に立つ良いスタートを切った。
迎えた2日目は光森・ドルス組が関大1番目の選手として演技を開始する。緩やかな走りで障害を飛び越えていったが、第8障害を落とし減点4となった。次に走行したのは仁部主将・千香組。序盤の障害でバーを落とし、減点4をもらう。しかし、その後は安定感あるジャンプでゴールした。
3番目に登場した漆原・カリエーレ組は余裕のあるジャンプで走行をスタートし、そのまま最終障害へ進む。バーを落とすことなく演技を終え、減点は0。また、ここで関大の団体優勝が確定した。島村・千蘭組は声を掛け合い、勢いのあるジャンプで障害を越えていく。危なげなくゴールし、減点0で演技を終えた。この2ペアは優勝者を決めるジャンプオフに進んだ。
最後に登場したのは、中沢・千駿組。中盤3連続の障害や最終のバーを落としてしまい減点がつく。昨日が減点0だっただけに悔しい結果となった。
迎えたジャンプオフ。トップバッターとして漆原・カリエーレ組出場した。試合前には「緊張する」と言っていたが、そのことを感じさせない安定感あふれるジャンプで最終障害まで進む。「次の障害見ながら」。緊張感漂う会場にコーチの声が。鋭い角度で最終障害を飛び越えると観客席は歓声で溢れた。島村・千蘭組はバーを1つ落としてしまい5位入賞。全選手の演技が終わり、障害を落とさなかったのは、漆原・カリエーレ組と京産大の2ペアのみ。タイムが約3秒上回った漆原・カリエーレ組が全国の頂点に立った。
うれしそうな表情の漆原とどこか得意げなカリエーレがトロフィーを掲げる。関西王者から全国王者へ。拳を掲げながらウィニングランで馬場(ばじょう)を駆け抜けた。団体の表彰式では関大全選手のまぶしい笑顔が輝いた。2017年以来の団体優勝。目標達成に涙するチームメイトも。輝く金メダルを揺らしながらウィニングランを関大全選手がはじける笑顔で走った。
他大学を圧倒する演技で2日間の障害競技を終えた。個人・団体ともに全国の頂点に立つのは2014年大会ぶり。常勝関大を見せつける輝かしい結果を手にした。次は5日から行われる総合競技大会に出場する。【文:村中望乃/写真:村中望乃、岩口奎心】
▼仁部主将
「(団体1位になった感想)僕が入学してから2位、3位、3位ときてて、ずっと団体1位は取りたかったので、最後引退の主将の時に取れて素直に嬉しいです。(走行演技振り返って)初日減点0ができて、今日は1本落としちゃって減点になって、団体としてはチームに貢献できたところはあったんですけど、個人の成績で最後ジャンプオフ優勝決定戦に進めなかったのは悔しいです。(大学生活最後になるクロスカントリーに向けての意気込み)馬はベテランの馬で何度も試合に出ている馬なので、馬に任せながら楽しんでいきたいと思います」
▼漆原
「(2日間を振り返って)昨日の走行が減点0でスタートして、すごくいい感じに来たので、2走行目も減点0で来れるように馬が頑張ってくれました。素直にうれしい。その一言です。(ジャンプオフの際の気持ち)1番手ということもあって緊張と不安、プレッシャーとかいろんなものが押し寄せてきて、頭が真っ白になって深呼吸何回もしました。足が早いカリエーレの特徴もあって、タイムも早く回って来れて減点もなくて、すごい良かったです。(団体優勝の気持ち)個人優勝よりも団体優勝を狙っていたので。その中で個人も狙いながら(笑)団体優勝が1番できて本当にうれしいです。仁部さんが4回生ってこともあって、みんなで勝つチームワークが見せれてよかったです。(総合への意気込み)個人団体優勝したんですけど、浮つかずに、総合でもいい順位狙っていけるように。今日までとは違う馬なんですけど、千優と人馬一体となって頑張っていきたいと思います」
▼島村
「(今日と昨日のレースを振り返って)1日目初日は減点0で2日目も減点0で、私自身全日本学生に出るのが初めてだったので、その中でチームに貢献できた試合、走行ができたので良かったと思います。(ジャンプオフについて)漆原が減点0でしかもタイムも良く帰ってこれたのですごく安心した気持ちもあったんですけど、プレッシャーもかかる中での走行だったので、最終障害でミスもあったんですけど、そこは自分がチャレンジした結果だと思っているので悔いはないです。(団体優勝した時の気持ちは)団体優勝が6年ぶりだそうで、歴史的な瞬間の中に私が選手として活躍できたこととても誇りに思います。(個人でも入賞できた気持ちは)私自身ミスはすごくあったんですけど、馬が全てカバーしてくれたので、また来年もっといい順位になれるよう頑張ります。(来年に向けての意気込み)今回、個人5位団体優勝できたということで、私自身自信もついたので、来年は舞台が東京ということで気合い入れて頑張っていきたいです」
▼中沢
「(2日間を振り返って)昨日も今日も馬が頑張ってくれて、自分的にも悔いのない走りができたかなと思います。来年4回生になるのでもう少し頑張ります。(団体1位になった気持ち)目指して頑張ってきたのですごいうれしかったです。(総合への意気込み)ベテランの馬に乗せてもらえているので、馬を信じて。あとは自分がやってきたことを出せるかどうかなので、冷静にやっていきたいと思います」
▼光森
「(2日間を振り返って)昨日チームで唯一の1落というなかで2日目がスタートして、関大で1番目の走行でした。チームを背負う感覚で緊張や不安もあったのですが、昨日の改善点は修正できたのでいいスタートが切れたかなと思います。(ドルスとの走行)7年目の仲というのもあって。体は小さいけれど、私のために頑張ってくれました。(団体優勝の気持ち)漆原が満点で帰ってきたときに団体優勝が確定だったので、飛び跳ねながら喜びました。自分のことかのようにすごいうれしかったです。(最高学年での意気込み)1年から全日本で出させてもらっているのは自分だけなのでしっかりとして。他人に甘えることなく引っ張っていけたらなと思います」
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