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偶然

私が関大スポーツ編集局(カンスポ)に入ったのは偶然だ。新入生歓迎会でたまたま声を掛けられ、存在を知った次第。大学で部活をするという決断を突発的に下した私だが、これまでの人生で自分の選択全てに自信を持っていたわけではない。そのことからカンスポに入ってもなお「私はここに入って良かったのか?」という疑問と不安が頭の片隅にあった。

決断

私は小さい頃から剣道に打ち込んでいた。中学時代は地区大会でそれなりの実績を残し、1000人近くいる中学校内では知らない人からも「剣道部の荒川くん」で知られるほど。剣道こそが中学時代のアイデンティティだ。だが、その剣道を高校入学と同時にやめた。親からも「絶対に続けた方がいい」と言われた中での決断だった。

羨望

だが、高校時代はこの決断が正しかったのかと何度も思いつめた。中学時代に切磋琢磨した仲間は府内有数の強豪校に進学。目標に向かって稽古を重ね、高校2年生の時に府大会優勝も果たした。正直、羨ましいと思った。一方で自分は…。高校生活をそれなりに楽しんでいたものの大きな目標もなく、高校で新しく始めた硬式テニス部の活動になんとなく参加する日々。自分から競技をやめたのに、またやりたいと思う。周りの人が言っていたように「続けたら良かった」と後悔した。

場合分け

高校3年生の時、大学生になった時を想像して場合分けを行った。第1志望の大学に合格したら体育会の剣道部に、受からなければ別のことにチャレンジしようと。そして大学受験では第1志望に合格できず関西大学に入学し、私はカンスポにたどり着いた。

空想

私はこれまでの人生でたくさんの挫折を経験した。だからこそ過去を振り返るたびに思う。「もし受験本番であの問題を解くことができていたら」「もしあの時に剣道をやめなかったら」「もし新入生歓迎会でカンスポのビラを受け取らなかったら」など。そしてその先には今の自分とは大きく異なる自分がいると確信できる。だからこそ、自分が歩んできた道が果たして正しかったのかを何度も思い悩んできた。

納得

でもこの記事を執筆している2022年12月26日には中学で剣道をやめたことも、受験で合格できなかったことも後悔はしていない。カンスポに入って良かったと心の底から思うからだ。昔から好きだった野球、小中学校で本気で打ち込んだ剣道、高校時代に続けた硬式テニス。大学で入部したカンスポでは剣道部、準硬式野球部、硬式テニス部、古武道部を班長として担当。これまでの経験を生かし、自分の担当種目の取材に大学生活の3年近くを捧げた。プレーする側とは視点を変えて記者として文章の構成を練り、頭をフルに働かせながら取材活動を行う。見る側だけでなく、プレーする側のことも知ってるからこそ書ける記事を残せたのではないかと思う。後付けではあるが、これまでの経験は無駄ではなかったと思うことができた。

前へ

カンスポの活動を通じて、変えられない過去にくよくよする自分を払拭することができた。そして自分の決断に間違いはないと「前を向く」。このことの大切さを学んだ。私は2022年12月をもってカンスポを引退する。そしてそれと同時に新たなことに挑戦することを決めた。私は決断した目標に向かって次の瞬間も後悔しないように生きていく。【荒川拓輝】

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△インカレで3位に輝いた剣道部
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△王座決定戦で姫大に勝利を決めたテニス部女子
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△リーグ戦を戦い抜いた準硬式野球部
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△全国武徳祭に出場した古武道部の松徳武吉(法4=左)と梶山大誌(シス理4)

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