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宿敵に悲願の勝利

宿敵に悲願の勝利

◇第46回総合関関戦前哨戦◇対関学大◇5月28日◇於・MKタクシーフィールドエキスポ◇

【第1Q】関大3-0関学大
【第2Q】関大0-7関学大
【第3Q】関大0-7関学大
【第4Q】関大14-0関学大
【試合終了】関大17-14関学大

長きにわたってライバルとして切磋琢磨してきた関大と関学大。今年も関関戦前哨戦が行われ、火花を散らした。昨年の対戦成績は、春は7ー7の引き分け、秋は1TD差の末に関大が敗れている。「今年こそ勝ちたい。じゃなくて勝たなければいけない」とWR横山智明主将(商4)。選手たちの思いは一つだった。強い信念で接戦を勝ち切り宿敵に白星を挙げた。

試合はK中井慎之祐(法2)のキックからスタート。最初の攻撃権は関学大だ。いきなり1stダウンをとられるが、LB曽山天斗(経4)がタックル。粘り強く守り抜く。フィールドゴール(FG)のチャンスを与えてしまうが枠をとらえず。無失点で切り抜けた。関大の最初の攻撃はQB須田啓太(文3)からWR横山へのパスプレー。ロングパスを通し大きなゲインとなった。その後もパスプレーを中心に進め、ゴールまで12㍎に迫る。K中井がFGを決めきり先制した。その後の関学大の攻撃も、LB般谷飛向(経3)のタックルが光り、得点を許さなかった。

△QB須田
△LB般谷飛

関大ペースで進んだ第1クオーター(Q)から一転、第2Qは関学大がペースをつかむ。序盤こそDB上柴遼介(法4)のタックルなどで主導権を握らせないが、中盤立て続けにパスを通され追い込まれる。ランプレーも織り交ぜた攻撃の前に翻弄(ほんろう)され、逆転TDを許した。前半が終わるまでにペースを取り戻したい関大は、リターナーRB阪下航哉(社3)が25㍎リターン。自陣27㍎から攻撃を進める。QB須田からWR岡本圭介(文3)へのパスが通りチャンスをつかむが得点には結びつけられず。3ー7で前半を終えた。

△DB上柴
△TE中村春作(文2)
△DB日高義仁(法2)

第3Qもペースを握ったのは関学大。食い止めたい関大はDB須川宗真(政策4)のパスカットなどで必死に止める。オフェンスではWR井川直紀(商4)が46㍎のパスをキャッチし流れを呼び込む。それでも次の得点を奪ったのは関学大。狭いスペースを走り込まれTD。11点差に広げられ、最終第4Qを迎える。

△DB須川
△WR井川
△円陣を組む選手たち

少しでも差を詰めたい関大。QB須田からRB小野原啓太(安全4)へのパスでロングゲイン。さらにはWR井川へのTDパスも通り関学大に詰め寄る。ここでトライ・フォー・ポイント(TFP)ではなく、プレーを選択した関大。決まれば2点追加のチャンスだ。選択したオプションはパス。RB小野原がパスを受け取りエンドゾーンへ。2点を追加し3点差。関学大の背中をとらえる。さらにDB高木啓大(人3)のQBサックで次の関学大の攻撃を封じ込めると、一気に流れは関大へ。WR北川皓太(社4)のパスプレーで攻め込む。ゴール前22㍎のFGをK中井が決め切り同点に追いついた。

△RB小野原
△WR北川
△K中井

残り時間もわずか。次に得点を挙げた方が勝利に近づく中、笑顔が溢れたのは関大だった。WR井川、WR横山がパスをつかみとりゲイン。ゴール前残り36㍎まで迫る。K中井に運命は委ねられた。会場の視線を一点に集めけり放つ。数秒後には関大サイドから歓喜の声と、割れんばかりの拍手が鳴り響いた。キック成功。勝ち越しだ。このリードを守り切り試合終了。戦い抜いた選手は喜びをあらわにした。

△K中井

「誰も負けるかもと思っていた人はいなかった」と横山主将。絶対王者を前に、これまでは善戦こそするものの、中盤から終盤にかけて地力負けすることが多かった。それでも勝利だけを信じて戦い抜いたKAISERS。オフェンスチーム、ディフェンスチーム、キッキングチームそれぞれが躍動し全員でつかみとった勝利だった。宿敵との次なる一戦は秋。次戦も勝利だけを目指して最強の称号を手に入れる。【文:稲垣寛太/写真:稲垣寛太、滝口結月】

▼WR横山主将
「最初オフェンスが機能していないシーンとか、ディフェンスが攻め込まれてしんどい場面が多かったんですけど、全員に勝ちたいという希望じゃなくて、絶対に勝つっていう信念を持ってやろうと言っていたので、最後まで絶対諦めずに、勝ちだけを目指していた全員の姿勢がTDやキック成功につながったかなと思います。(中盤は相手ペース、逆境の中チームの雰囲気は)誰も負けるかもと思っていた人はいないですし、試合に出ていないベンチの選手たちも声をかけてくれて、みんながここからどう勝とうかって考えてくれていたので、そこが勝ちにつながったかなと思います。(先日の立命大との試合は完敗に近かった中、どういった意識で練習したか)立命大戦は特に自分たちが弱かったわけでもなく、相手が強かったわけでもなく、あれが実力だと受け止めて、あそこから変わるためにはどうすればいいかを考えて、今までの練習よりも高い意識で取り組んで、挑んで今日一ついい結果が出たかなと思います。(関学大との試合は選手たちにとって特別な思いがある)絶対王者に勝ちたいって思う人がほとんどだと思うんです。勝ちたいっていうくらいの薄い希望で戦っていたら、中盤押し込まれて勝てるかどうか不安になる選手も多くなっていたと思うんですけど、絶対に勝つ、勝たないといけない試合というふうに声をかけ続けて、練習からそういう雰囲気を作れていたことが勝てた要因かなと思います。(今後に向けての課題は)オフェンスでいうとランプレーがあまり機能していなかった。パスだけの攻撃では幅も出ないですし、やっぱりランプレーが課題かなと思います。ディフェンスは本当によく耐えてくれていたと思います。(今後に向けて)この歓声、声援を最後のもっと大きい舞台で、最終戦で見ないと意味がないので、この喜びを糧にして明日からしんどい練習を重ねていきます。絶対勝つので応援よろしくお願いします」

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