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課題残るも奥野主将、大石が個人入賞。経験生かし今後へつなぐ

課題残るも奥野主将、大石が個人入賞。経験生かし今後へつなぐ

◇第66回関西学生選手権大会女子団体戦及び女子個人決勝戦◇6月5日◇グリーンアリーナ神戸◇

[団体予選]
〈Aチーム〉
5中(全12射)
〈Bチーム〉
5中(全12射)
〈Cチーム〉
7中(全12射)
→Cチームが決勝トーナメント進出

[団体決勝トーナメント1回戦]
関大C 8―6 同大C(全12射)
→決勝トーナメント2回戦進出

[団体決勝トーナメント2回戦]
関大C 7―5 天理大A(全12射)
→決勝トーナメント準決勝進出

[団体決勝トーナメント準決勝戦]
関大C 7―12 立命大A(全12射)
→決勝トーナメント3位決定戦へ

[団体決勝トーナメント3位決定戦]
関大C 6-7 近大A(全12射)
→4位

[個人決勝射詰尺二1本目]
小田桐朱璃(商1) 〇
奥野早紀(化生4) 〇
足川茉南(法4)  ×
大石望路(法3)  〇

[個人決勝射詰尺二2本目]
小田桐 ×
奥野  ×
大石  〇
→小田桐、奥野が9~10位決定遠近競射へ

[個人決勝9~10位決定遠近競射]
奥野 9位入賞

[個人決勝射詰尺二3本目]
大石 ×
→7~8位決定遠近競射へ

[個人決勝7~8位決定遠近競射]
大石 8位入賞

前日の男子の部に引き続き、2日目は女子の部が開催された。関大Cチームが16年ぶりの団体優勝を果たしてから1年。関大勢での連覇を狙い、団体予選から試合開始となった。

関大のトップバッターとして登場したのは、小田桐、植木鈴華(商3)、奥野主将で組まれたAチーム。決勝進出へ最も期待がかかるチームだ。しかし、慣れない会場での緊張からか実力を発揮できず。3人が2本ずつ引き終えた時点で的中は植木の1本のみとなってしまった。3本目は全員があてるも、4本目は植木の1中のみ。結果は5中となり、予選敗退に終わった。

△小田桐
△植木
△奥野主将

続いて登場したのは岡田湖雪(法1)、吉村涼(人2)、小原沙輝(法3)で組まれたBチームだ。1本目から弾みをつけたいところだったが、3人全員が外してしまう。2本目も小原の1中のみとなってしまった。小原が3中を記録するも岡田と吉村は1中にとどまり、Bチームも結果は5中。Aチーム同様、予選敗退となった。

△岡田
△吉村
△小原

関大勢最後の出場となったのはCチーム。宮本紗衣(文4)、折戸千紘(環都3)、足川が出場し、関大としての意地を見せた。全員が1本目を確実にあて、2本目も2中を出す。後半でやや失速するも、3人全員が2中以上を記録し、チームとしては7中に。見事決勝トーナメント進出を決めた。

△宮本
△折戸
△足川

決勝トーナメント1回戦は、同大Cとの対戦となった。相手が1本目を全て外してしまう一方、関大Cはしっかりと2本を的に収める。2本目は0中となるも、勝負強さを見せ後半6本は全て的中。予選を上回る8中を記録し、決勝トーナメント2回戦へと駒を進めた。

2回戦の相手は天理大A。ここでも安定して7中を記録した関大だったが、宮本が1中にとどまってしまう。それをカバーしたのが折戸だ。落ち着いた行射で皆中を達成し、会場には拍手の音が響く。5中となった相手に2中差をつけ、準決勝進出となった。

△宮本
△折戸
△足川

迎えた準決勝は、強敵・立命大Aと対峙(たいじ)。足川が3中、宮本と折戸が2中と、決して悪くはない的中だった関大C。しかし、相手が圧巻の行射を見せつけた。先に引き終えた立命大Aは12射皆中。つけ入る隙を与えず、関大Cの決勝進出は絶たれた。しかし、気を落としている暇はない。気持ちを切り替え、直後の3位決定戦に臨んだ。

3位決定戦の相手は近大A。何としても食らいつきたいところだったが、1本目は足川の1中にとどまる。2本目は全員があてるも、宮本と足川は3、4本目を立て続けに外してしまう。Cチームとしてはこの日最低的中数の6中となってしまった。対する相手は7中。わずか1本、同中競射に届かずここで敗退。4位という結果に終わった。

団体戦に続いて行われたのは、個人決勝戦。関大からは小田桐、奥野主将、足川、大石の4名が出場した。決勝は一本射詰による勝ち残り形式。決して外せない緊張感の中、選手たちは一本に全神経を集中させた。尺二1本目では小田桐、奥野主将、大石が的中。2本目は大石が的中となり、小田桐と奥野主将は9~10位決定遠近競射に挑んだ。遠近競射は出場者全員が同じ的を狙い、順に1本ずつ引いていく。中心に近い者が、上位入賞となる。ここで意地を見せたのが奥野主将だった。小田桐に続き、2番目に引いた奥野主将。集中力を高めて放った矢は、ほぼ的中央を射抜いた。後続の選手にプレッシャーを与え、その後も奥野主将を上回る者は出ず。見事9位入賞をつかんだ。

△小田桐
△奥野主将

続いて尺二3本目に挑んだ大石だったが、ここで外してしまう。7~8位決定遠近競射へと挑んだ。奥野主将に続き中央を射止めたいところだったが、矢は惜しくも的外へ。出場者は2名だったため、ここで大石の8位が確定した。

△大石

納得のいく結果とはならなかった。「団体戦個人戦ともに、今までの練習の成果を十分に発揮できたとは言えない」と、奥野主将も悔しさをにじませる。しかし、慣れない会場で積んだ経験は、必ず今後に生きてくる。「関大弓道部」としての自信とプライドを胸に、選手たちは歩みを止めない。【文/写真:横関あかり】

△入賞した奥野主将(左)と大石
△(左から)前日の男子個人で入賞した菅野峻介(シス理4)、國米雄太(社3)、奥野主将、大石
※写真撮影時のみ、マスクを外しています。

▼奥野主将
「団体戦、個人戦ともに、今までの練習の成果を十分に発揮できたとは言えなかったなというふうに思います。普段の練習で出ないような数字が出て、原因が何なのか分からないままなので考えていかないといけない部分です。自分たちの経験不足だったり、まだまだ足りていない部分が表れて結果的にも負けという形になったのかなと思います。ただ、個人戦においては最後に意地を見せて9位になんとか入ることができたので、そこに関しては良かったなと思います。全体を通してみると自分のやりたかったこととかできたことが発揮できたとは言えなかったと思います。(関大全体の雰囲気は)全員がものすごく緊張してガチガチというわけでもなく、緩くなりすぎているわけでもなくという感じではありました。ただ、初めてアリーナで引く人とか、久しぶりにアリーナで引く人がほとんどで。自分たちの持っている力を出し切れるほどの何かはなかったのかなという感じではあったかなと思います。(全体的な課題は)練習通りの力を発揮するためには、同じ射とか気持ちとかというのを、どのアリーナであろうが、他の大学であろうが、場所が変わってもやれるようにするのが必要だと思います。たぶんそれが、まだまだ自分たちには足りていなくて。自分自身もそうなんですけど、やっぱり本番では今まで直ってきていたところや前のダメな癖が出てきてしまって。射があまり良くなくて抜いたとか、そういうのがいっぱいあるので、絶対にあたる射の再現性を高めるというところまではできていないというのが課題かなと思います。(今後へ向けて)この後は選抜とインカレと、どんどん続いていきます。今回の関戦はCチームが4位ということで、それは本当に良かったと思います。まだまだ自分たちは上げていかないといけないので、しっかり自分たちの実力を上げて、次の選抜では優勝できるように頑張っていきたいと思います」

▼大石
「今日初めてこんなに大きい大会に出させていただいて、予選通った時は「あともうちょっとしか時間ないな」という感じで。でも的中率がこの1週間で劇的に下がった日とかがあって、すごい不安になったんですけど、もう一回基礎から見つめ直して今まで書いていたノートとかを読み返して、何が今の自分にできてないのかっていうのを徹底的に考え直した結果、それがわかって。それを意識したらまたあたるようになったのでそれをこの日までにその状態に持ってこれたのが良かったなと思います。(緊張は)自分が思っていたよりは緊張はなかったです。個人戦だけの出場ということで、朝に大学で練習してから来たというのが一番自分の中で大きいなと思っていて。いつも練習している関大の弓道場で練習して、いつも通りの射でいつも通りの的中ができていました。この会場に来ても同じことをするだけだなという思いで引きました。(引くときに考えていたこと)今日の朝の調整で、意識するポイントを絞ってきました。自分には今それしかできないので、周りの雰囲気も普段とは違うんですけど、そういうのは一切関係なく、自分の世界で的だけを見て引いていました。(見つかった改善点)調整の時から9時(の方向)に抜いてしまっていて。今日の試合で抜いた矢もそれがまた出てしまいました。普段と全然違うところに抜いたということではないんですけど、まだ的にしっかり収まり切らない射が自分の中にはあるので、それを毎回あてられる射にできるように頑張りたいと思います。(今後へ向けて)今大会で初めてこんなに大きい公式戦に出させていただきました。多少は緊張していたんですけど、入賞できたのも初めてなので、これが自分の自信になりました。この経験を生かして、次はもっと上位を狙えるように毎日努力していきたいと思います」

▼折戸
「私自身、公式戦にあまり出たことがないですし、アリーナで引くというのも初めてでした。長い間、すごく練習してきたので、その成果が出ればいいなというふうに思っていました。やることを決めて、それをやり切るというのを考えて、試合自体は挑めたかなと思っています。(自身の調子は)そこまで良くはなかったと思っています。1カ月前くらいまでは結構的中率的には高かったんですけど、最近はあまり結果を出せていませんでした。不安な気持ちも少しあったんですけど、それでもやり切るということが大事だというふうに思いました。(改善点は)射技的なところはたくさんあります。練習通りではあるんですけど、もうちょっと粘った射ができたらいいなと思ったので、練習のときから改善していこうと思っています。(今後へ向けて)今日の経験をきちんと生かすのはもちろんなんですけど、もっと自分は良くなると思っているので、あきらめないというところはずっと続けていきたいです。まだまだ直すところはたくさんあるので、そういった「気持ちであきらめない」というのと、「射技面であきらめない」という両方を、しっかり毎日持って練習していきたいと思います」

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