◇令和6年度関西学生野球春季リーグ戦第1節◇対京大1回戦◇4月6日◇わかさスタジアム京都◇
関 大 000 000 000=0
京 大 000 000 100=1
(関)金丸ー越川
(京)米倉、玉越、宮島、西宇ー南
1(右)藤原太
2(二)佐藤
3(三)下井田
4(左)富山
5(遊)山田
6(捕)越川
7(中)余河
8(一)小谷
9(投)金丸
29年ぶりの春季リーグ制覇に向けて、関大野球部の挑戦が始まった。開幕節の相手は昨年同様、京大。両校、先発投手が粘り、6回までスコアボードに0を並べる。しかし7回、関大は2死から安打と失策が絡み痛恨の先制点を失う。打線も京大の巧みな継投策の前にホームを踏むことができず。手痛い敗戦を喫した。
先攻の関大は初回、2死から下井田悠人(経3)が安打で出塁するものの、後続は続かず。3回には金丸、藤原太郎主将(法4)がそれぞれ四球と安打で好機を演出するが、あと一本が出ない。一方、先発の金丸は3回まで毎回三振を奪うなど完全投球。味方の援護を待つ。
膠着(こうちゃく)状態が続く中、ビックプレーが生まれたのは5回裏。1死から金丸が死球で初めての走者を背負うと、次打者はバントの構え。捕手・越川海翔(人4)の前に転がると、反応良く捕球し二塁へ送る。一塁走者を封殺すると、打者走者もアウトとなり併殺。ピンチの芽を摘んだ。
6回には安打と失策を皮切りに、1死三塁のピンチを迎える。しかし、金丸・越川バッテリーはここでも動じず。速球で追い込むと、2ストライクからスクイズを敢行してきた相手に対して、高めの真っすぐで空振り。飛び出した走者もタッチアウトとなり、またしても併殺でピンチを切り抜けた。
粘る金丸をなんとか援護したい打線。四球を選び、走者こそ出すものの、犠打を決めきれず。思うように流れをつかむことができない。均衡が破れたのは7回裏。2死から安打と失策で再びピンチを迎えると、高めに浮いた真っすぐを捉えられ失点。先制を許してしまう。
逆転を狙う関大は8回、9回にそれぞれ先頭打者が出塁し、得点圏まで走者を進めるが、最後まであと一本が出ず。京大の4投手による継投を前に、最後までホームベースを踏ませてもらえなかった。
初戦の硬さもあったとは言え、手痛い敗戦となった関大。悔しさも募るが、まだ勝ち点を失ったわけではない。明日、明後日で2連勝を果たし、勝ち点奪取へ。昨秋の王者のプライドを胸に、日本一に向かってひた走る。【文:稲垣寛太/写真:櫻田真宙、稲垣寛太】
▼藤原主将
「(難しい初戦、チームに硬さはあったか)硬さはもちろんありました。硬さも含めて普段通りのプレーをしないといけなかったんですけど、昨年もそうだった初戦の難しさがきょうは悪い方に出たかなと思います。(打線は相手先発の前にゴロを打たされる場面が目立った)変化球中心に攻めてくることは分かっていたんですけど、それよりも相手投手が低めに丁寧に投げていたので、相手の思い通りになったことが安打が出なかった要因かなと思います。(ミスが絡んでの敗戦、ミーティングで話したことについて)オープン戦でも打てない試合は何度かありました。そういう試合で守り勝たないといけないという話があったんですけど、きょうは失策が出てしまいました。打てない時に守りのミスが出るとこういう試合になりますし、リーグ戦を通してもこの先打てない試合はあるので、先にミスが出ないようにやっていきたいです。(苦しい展開でも、岸上夏樹斗(法4)、山口健太主務(安全4)ら4年生が盛り上げる場面がが目立った)岸上もそうですし、森内(大奈=情2)らがベンチからすごくいい声を出してくれるので、試合には出ていないですけど、一つの仕事として全力でやってくれるので、それはチームにとってプラスなので本当に助かっています。(現状のチームの雰囲気について)悔しさは残りますけど、長いリーグ戦を戦っていく上でこういうことも経験していかないといけないですし、リーグ戦は勝ち点制なので明日明後日勝てば勝ち点取れますし、切り替えて明日に向けてしっかり準備したいなと思います」
▼金丸
「(侍ジャパンでの活動もあり、開幕に向けて難しい調整が求められた)関大の東京遠征もあって、難しい調整にはなったんですけど、きょうは万全の状態ではあったので、あそこの失点は不運と失投が重なってしまったんですけど、状態はいいので次の試合頑張りたいなと思います。(今シーズン、より力感のない投球フォームに変化したことについて)昨年の春が終わってから新しいフォームというか、取り組み方を変えて、3年生の秋はまだ発展途上だったんですけど、昨年より今は自分の理想に近づいてきていると思います。(きょうは緩急を生かしながら、高めの真っすぐを効果的に使っていた)自分の球質的に高めの真っすぐでも空振りがとれることはデータでも分かっていたので、変化球も高めの真っすぐも使いながら上手に使えました。越川とも話し合いながら組み立てることができたので良かったかなと思います。(走者三塁でも初球から変化球を投じるなど、越川への信頼も厚い)オープン戦からしっかりとコンビを組んで、低めでも止めてくれるという信頼もあるので、怖さや低めへの投げにくさはなかったです。(2、3戦目に向けて)初戦が難しいことは分かっていましたし、明日明後日勝てば勝ち点を取れるので切り替えて準備したいと思います」
▼越川
「(久しぶりのリーグ戦でのスタメン出場)最初から少し緊張していて、入りはとても硬かったのですが、金丸の調子が良かったので、最初から良いリズムで、1回裏が終わったところで安心して、緊張もほぐれました。(序盤は緩急と高めの真っすぐ中心の組み立て)京大が真っすぐを振ってくるだろうということで、緩急を使いながら、真っすぐもどんどん投げていこうという話だったので、最初から考えて話し合っていました。(5回裏の併殺)簡単に(バントを)やらせたくなかったので。思い描いた通り転がってくれたので、刺しにいきました。(走者三塁でも変化球を低めに要求した)冬でブロッキングは成長できたと自分でも思っているので、自信を持ってサインを出すことができましたた。(最終回、先頭打者として打順が回ってきた)打つというより、出塁に重きを置いて打席に立って、気持ちで向かっていきました。(金丸の投球を振り返って)金丸自身、良いピッチングをしてくれて、僕もいつも通りのリードができて、結果は負けましたが、金丸自身も良いピッチングができたので、これからの試合につなげていってくれたらいいなと思います」
コメントを送信