いまロード中
×

夏関は男女シングルス、女子ダブルス優勝!

夏関は男女シングルス、女子ダブルス優勝!

◇2023年度関西学生選手権大会◇8月31日◇ITC靭テニスセンター◇

【男子シングルス決勝】

●井戸垣0(2-6,1-6)2岩本
【女子シングルス決勝】
〇山口2(6-1,6-2)0川本
【女子ダブルス決勝】
〇川本・山口2(6-3,6(5)-7, 14-12)1山口・川口(関学大)

夏関最終日となったこの日。関大からは男子シングルス、女子シングルス、女子ダブルスの決勝戦に出場した。シングルスは男女共に関大対決。女子ダブルスは川本茉穂(人4)、山口花音(経2)ペアが山口の姉の山口瑞希(関学大)ペアとのフルセットにもつれ込む接戦を制し、見事優勝する快挙を成し遂げた。

第2コートにダブルスのペアである川本と山口が登場。関大同士の同門対決だ。山口のサーブで試合開始。勢いのあるサーブに川本はリターンできずラインアウト。2ゲームとも山口が先制する。山口の勢いに飲み込まれ、川本はラインアウトやネットのミスを連発。山口はコートの端に飛んできたボールを体勢を崩しながらも返球する。その甘いボールを川本が前衛にボレーで打ち込み、山口の連続ポイントを食い留める。しかし試合の流れは山口に。山口はサービスエースを決め、落ち着いてポイントを重ねる。山口はドロップショットで相手に揺さぶりをかける。川本にとっては我慢の時間。ネットの際を攻め合うラリーが展開されるも、川本のアタックがネットにかかり、川本は4ゲーム連続でブレイクされる。第5ゲームも、山口がライン際にアタックを打ち込み、川本は何とか拾い上げるもネットにかかる。追加で山口がサービスエースを決め、このゲームも山口の勢いは止まらないかと思われたその時、川本の鋭いスマッシュ、得意のボレーが連続で決まる。川本も、そう簡単にセットを奪われるわけにはいかない。意地を見せ、第5ゲームを奪い取った。ゲームカウントは4-1。川本が山口を追いかける展開に。川本が打ったボールが連続でアウトになり山口がポイントを重ねる。川本が届かないところへの山口のドロップショットがきれいに決まり、あと1ゲームを山口がブレイクすると1セット目獲得となる。山口のサービスエースが綺麗に決まり、第7ゲームは山口が先取する。そのままポイントを重ね、ゲームカウント6-1で山口が1セットをつかみ取った。2セット目は川本のサーブで始まる。川本はバックスライスで相手の攻撃をかわし、隙を見てボレーやドロップショットでポイントをどんどん追加する。川本がコートの奥へ放ったボールを山口は最後まで追いかけるも届かず、第1ゲームは川本が奪い取った。その後、山口の反撃が開始。川本のバックを狙う猛攻撃に対応できず、山口は5ゲーム連続でブレイクする。太陽が真上に登ってきて、選手が「暑い」と口ずさむ場面も。それでも山口は攻撃の手を緩めない。あと1ゲーム取れば女子シングルスの優勝が確定。川本のアウトで山口のポイントに。川本も勝ちを譲るわけにはいかず、両者攻撃に力が入るも、ミスが重なる。ラリーで川本が粘りを見せ、山口をアウトに誘い込む。7ゲーム目を川本が取った。勝敗に決着がついたのは第8ゲーム。川本がラインのギリギリを狙ったアタックを打つも、惜しくもオーバーしてしまう。思うように行かず、川本は悔しさを声に漏らす場面も。2セット目、ゲームカウント6-2で山口の勝利。ゲーム開始から攻めの姿勢を見せた山口。同門対決で迎えた決勝は、山口に軍配が上がり、見事優勝をつかみ取った。


 男子シングルスは、井戸垣一志(人3)と岩本晋之介(商2)の岡山県対決となった。高校時代も県内でしのぎを削っていた因縁のバトルは、岩本に勝利の女神が微笑む結果に。セットカウント2-0でストレート勝ちを収めた。「体の調子こそは悪かったですが、頭はクリーンだったんで思い描いていたプレーができました」と振り返る。序盤から終盤まで質の高いプレーを展開できる井戸垣に対し、最初のサービスゲームが鍵だと考えていた岩本。井戸垣のサーブで試合が開始された。岩本は、第1ゲームをブレイクすると波に乗る。迎えた岩本の最初のサービスゲームがやってきた。優位にゲームを進めたいところだったが、こん身のサーブを井戸垣にリターンされる。3連続でポイントを奪われるも、ここから4連続でポイントを重ねて山場と挙げていたゲームを獲得。その後も、強烈なファーストサーブがさく裂し、さらに甘く入ったボールに対してスマッシュでポイントを確実に重ね続けた。春も同大会で中村秋河主将(商4)に勝利して優勝した精鋭が夏も頂点に立った。また、第2セット終盤では井戸垣が打った大きなロブに対し、股抜きショットを試みる場面も。ボールはわずかにネットを超えず成功とはならなかったが、「体力も残っていたのでちょっとやってみようかなと。もう少し打点が前だったら成功していたかもしれないですね」と笑みを浮かべた。一方の井戸垣は、「完敗でした」と振り返る。 終始、岩本にゲームメイクされる結果に。準決勝で中村に粘り勝ちを収め、初めて決勝進出を決めた。春の王者・岩本に対し挑戦者として挑んだ一戦は、初の決勝の舞台を楽しみたいと思いながらも、緊張から体が思うように動かず。そのあせりからネットやフレームショットなどミスショットを多発。思うように試合を運ぶことができなかった。


正午が近づき、日差しが照りつける中、女子ダブルスの決勝戦が始まった。サーブ権は関大。最初から勢いのあるサーブを打ち込むも、ライン際に相手のアタックが決まり、先制を許してしまう。しかし、相手のアタックに対する川本のボレーがきれいに決まり、相手のミスもあり第1ゲームをキープする。長いラリーが続き、どちらが仕掛けるのか、皆が見守る中、前衛を守っていた川本が隙を逃さずボレーを打ち込みポイントを取る。相手の不意を突くプレーで点を重ねる。川本・山口の息の合った連携で、最後までボールを追いかけ、左右にボ-ルを打ち分ける。さらに2ゲームをキープし、ゲームカウントは3-0に。しかし、一筋縄では勝たせてもらえない。第4ゲームは川本のアウトで先制される。さらに相手がサービスエースを決め、初めてのブレイクを許す。ここから一気に流れが相手の味方になる。焦りからか、サーブミスや、ボレーがネットにかかる回数が増え、相手の士気はさらに上がる。第6ゲームは、点を取ることさえも許されず、ストレートでこのゲームを落とす。3ゲーム連続でブレイクされ、ゲームカウントは3-3の同点に。笑顔でプレーする相手と、表情がこわばる川本と山口。重苦しい雰囲気を打ち破ったのは、川本の鋭いサーブ。強烈なサーブがさく裂し、相手の陣形を崩しにかかる。ミスを誘い、甘い球をすかさずアタック。2人の顔に徐々に笑顔が戻ってくる。3ゲーム連続で獲得した相手の流れをここで食い止め、第7ゲームで試合の流れを奪い返す。そして、相手の得点にも動じず、着実に点を重ね、ゲームカウント6-3で1セット目を奪い取る。大事な1ゲーム目、相手のサーブから始まる。相手のアウトにより、続けて2ポイントを先取。コンビネーションが輝きだし、自分たちのリズムで試合を進める。相手を寄せ付けることなく、一切の危なげも無く、一気に5ゲームをブレイクする。優勝に王手をかける。このまま逃げ切り、優勝を決めたい関大。しかし、相手の思いが爆発する。第6ゲーム早々、相手にアタックを決められる。流れが相手に渡る前に何とか試合を決めきりたいが、山口のボレーが大きくコートの外へ。2セット目、第6ゲームで相手にブレイクを許す。相手の反撃が加速する。川本の狙いを定めたアタックもアウトし、山口も前後左右に揺さぶられ、相手の渾身のボレーは綺麗に決まる。途中、山口がミスを重ね、しゃがみ込む場面も。5ゲーム連続でブレイクされ、ゲームカウントは5-5の同点に。苦しい展開を強いられる。第11ゲーム、相手の強気なプレーに圧倒されるも、それに負けじと川村の鋭角を狙った鋭いアタックが決まり、2人のハイタッチの音が響き渡る。ゲームカウントは6-5。今度こそ勝ちを決めたい。第12ゲームは相手のネットミスで先制。2連続ポイントするも、4連続ポイントされ、タイブレークに持ち込まれる。タイブレークの最後は相手のボレーが決まり、2セット目はブレイクされる。そして始まる緊張の第3セット。10点先取で勝敗が決まる。応援にも熱が入り、点を決めた時のガッツポーズにも力が入る。両者一歩も譲らず点を取り合い、互角以上の戦いに。ポイントを奪い奪われるたびに沸き起こる歓声。シーソーゲームにとどめを刺したのは関大。続くラリーも連携を取り合い、焦らず、安定したバックスライスで打ち返し、相手のミスを誘い出した。最後は相手のアウトでゲームセット。最後まで集中を切らさず全力で戦いきった両者に大きな拍手が送られる。フルセットにまでもつれ込む接戦を見事制し、女子ダブルスの優勝を果たした。

男女共にシングルスは1、2位を関大が占め、そして女子ダブルス優勝の快挙。今大会は次の団体リーグ戦に向けての弾みをつけた大会となった。次のリーグ戦は、誰一人欠けてはいけない団体戦、チーム一丸となって、王座の完全制覇を目標に羽ばたいてくれるであろう。【文:藤井海、永松愛】

▼川本
「(同門対決のシングルスを終えて)自分のプレーが100点ではないことは残念ですけど、今大会を通して成長できた部分と、もっと伸していかないといけない部分が明確に見えたのが良かったと思います。今日の試合も含めて、次のリーグに生かしていきたいと思います。(自分の強み)頭を使って試合を展開していくタイプで、あと、粘り強さもあるので、そこを全面に出せるようにしていきたいと思います。(ダブルスを終えて)ずっと相手に点を取られている時は、思い切ってプレーできなかったり、先のことを考えてしまったりして、色んな感情があったんですけど、やっぱりファイナルは気持ちを切り替えて、チャレンジの気持ちで戦ってファイトしました。(次のリーグ戦にむけての改善点について)次のリーグ戦は団体戦になるので、チームを盛り上げてプレーで引っ張っていくのと同時に、自分がコートに立ったときは他の人にも自信を与えられるような存在になれたらなと思います。」

▼山口
「(シングルスを振り返って)シングルスは春関で1回だけやったことがあって、それ以来全然やったことがなくて、練習とかでも結構負けていて、最初から気合いを入れないと勝てないと分かっていたので、自分から最初から攻めていきました。相手も、いつもの自分のプレーと違うと思って、戸惑ったのか分からないんですけど、それで結構ポイントを取ることができたので良かったです。(ダブルスを振り返って)実際、相手に追い上げられている時の気持ちの記憶は今なくて、テンパりすぎて、記憶が全然ないんですけど、最後は川本さんがしっかり「頑張るぞ」と声をかけてくれて、私も頑張るって開き直ることができたので2人のチームワークのお陰かなと思います。(ダブルスの自分たちの強み)自分たちから攻めるプレー、2球目でボレーを入れるなど、話し合って決めて、その型に当てはめたプレーをするところが強みだと思います。(リーグ戦に向けての意気込み)王座に向けては、この大会で調子を上げることができたので、その調子を崩すことなく、体調面にも気をつけて、しっかり全勝したいと思います」

Share this content:

コメントを送信