打線が奮起し首位・同大に快勝！

◇令和６年度関西学生野球春季リーグ戦第５節◇対同大２回戦◇５月６日◇ほっともっとフィールド神戸◇

同　大 　０００　０００　００１＝１
関　大 　００１　０５０　００Ｘ＝６

（同）野邉、清野、本田、大迫、大江ー辻井
（関）岩井、足立、中原ー越川

１（中）河田
２（二）佐藤
３（一）小谷
４（左）富山
５（遊）山田
６（三）森内
７（右）藤原太
８（捕）越川
９（投）岩井

延長12回の激闘から一夜明けて迎えた対同大２回戦。勝ち点奪取に向けて王手を懸けたい一戦は降りしきる雨の中行われた。試合は、３回に関大が佐藤慶志朗（経４）の適時打で先制すると、５回には打者一巡の猛攻で５得点。投げては岩井将吾（商４）が６回無失点の好投を見せ、投打がかみ合った関大が先手を取った。

後攻の関大、先発のマウンドには岩井。二塁手・佐藤の好守備もあり、初回を無失点で切り抜ける。２回にも安打と盗塁で得点圏に走者を背負うものの、併殺を奪うなど粘投。課題としていた立ち上がりを乗り越え、味方の援護を待つ。

△岩井

試合が動いたのは３回。関大は８番・越川海翔（人４）が四球で出塁すると、犠打と進塁打で三塁まで進む。この好機で打席には不動の２番・佐藤。フルカウントからの６球目を捉えた打球は、しぶとく二遊間を抜け越川が生還し、待望の先制点を挙げる。

△越川

援護をもらった岩井は直後の４回、５回も無失点で切り抜ける完璧な投球を披露。攻撃へとリズムを作るとその裏、関大打線が奮起する。

先頭の７番・藤原太郎主将（法４）が内野安打で出塁すると、続く越川の打席でラン・エンドヒットを敢行。捉えた打球は右翼線二塁打となり、一気に藤原主将が生還した。中盤の追加点に沸くベンチ。しかしきょうの関大はまだ終わらない。犠打、四球を絡め、好機を拡大すると、１死一、三塁とし打席には再び佐藤。２ストライクからスクイズを成功させ、試合を優位に進める。

△佐藤

なおも好機は続き、満塁とすると、５番・山田悠平（商３）、６番・森内大奈（情２）の連続適時打もありこの回一挙５得点。「一人一人がなんとか後ろにつなぐ意識をもった結果」と藤原主将は振り返った。

△藤原主将

大量リードを受けた岩井は自身最後のイニングとなった６回も、テンポ良く打ち取る。最後は高めの速球を振らせ、６回無失点と役目を果たした。

６回、その好投の岩井の代打に登場したのは岸上夏樹斗（法４）。ここまで苦しむチームを声で支えてきた４年生だ。その岸上がしぶとく内野安打で出塁する。「昨年も良い場面で出してもらってた中で、結果を残せなかった。今年は４年生として初打席で結果が出て素直にうれしい」とその打席を振り返った。その後、得点とはならなかったものの、雨の中でも簡単にはアウトにならず、流れは渡さない。

７回からは２番手・足立幸（人３）が今季初登板。走者こそ出すものの、要所を締め任された２イニングを無失点で抑える。９回は３番手・中原海晴（商２）が１点こそ許したものの、最後の打者を中飛で切り抜け試合終了。６－０と攻守に充実の内容を見せた関大が先に１勝を手にした。

△足立

ここまでの５試合、投手陣が最少失点で抑えながらも、打線が援護できず、苦しい戦いを強いられてきた関大。しかしこの日は野手陣が８安打６得点と躍動。４本の適時打も生まれるなど、つながりも生まれてきた。首位猛追へ視界は良好だ。立命大戦に続き勝ち点奪取へ。一人一人が見せたつなぐ姿勢をあすも体現し勝利をもぎ取る。【文：稲垣寛太／写真：中吉由奈】

▼藤原主将
「（４本の適時打が生まれるなど打線が奮起し快勝）迷いなくスイングしようとずっと言っているので、それができた結果かなと思います。（制球力のある相手投手に対して、どんな準備をしてきたか）内、外にコントロール良く投げてきているので、より一層迷わずスイングできた結果、相手投手も投げにくかったと思いますし、そこで生まれた失投をうまく仕留められたかなと思います。（５回のビックイニングは自身の気迫の内野安打から）球場特有の高く跳ねる打球をよく見ているので、打った瞬間内野安打にできると思って、頑張って走りました。（岩井、佐藤をはじめとする４年生の活躍でもぎ取った１勝）４年生が結果を出せれば下級生もよりプレーしやすくなると思いますし、そういう意味でも４年生が今後、プレーでも引っ張っていければなと思います。（雨の中でも多くの応援団が駆けつけてくれた）定位置の右翼から良くスタンドも見えますし、最初の方は傘も差さずに応援してくれたので、本当に感謝しています。メンバー入っている選手全員、応援団の方も含めてスタンドにいる仲間を神宮に連れていきたいと思っているので、きょうは勝ちで応えられてうれしいです。（あすも野手陣の奮起に期待がかかる）あした勝って初めて勝ち点を取れるので、気持ちを緩めることなく勝ちたいと思います」

▼岩井
「（６回無失点と完璧な投球）初回少し荒れた中でも切り抜けることができて、そこからはいい流れで投げられたかなと思います。（カウント球の緩い変化球が効果的だった）きょうはカーブとスプリットが調子良くて、カットボールでもカウントが取れていたので、真っすぐはあまり良くなかったですけど、うまくまとめられたかなと思います。（野手が大量リードを奪い、援護をもらった）たくさん点も取ってくれて、楽に投げられました。野手もこれから調子が上がってくると思うので、今後に期待したいです。（打席でも２つの犠打を決めるなどチームに貢献）１つ目は２ストライクまでいきましたけど、なんとか練習もしていたので、決めてやるという気持ちももっていました。決まって良かったです。僕自身、犠打を決めたのも初めてで、ほっとした部分も大きかったですし、投手が犠打を決めれば流れを引き寄せられると思っていたので、結果に出て良かったです。（次の登板に向けて）投手はずっといい流れで来れているのでこれを継続して、野手もこれから上がってくると思うので、もう１つも負けられないですし、しっかり一戦必勝でやっていこうと思います」

▼足立
「（春季リーグ初登板、マウンドに上がる前の心境は）野手が点を取ってくれたので、点差もありましたし、結構楽な気持ちで上がれました。（試合で感じた課題は）ずっと変化球を課題にしていて、今回もストレートはファールとか空振りを取れたんですけど、変化球が通用しなかったのでそこが課題かなと思います。（雨の中での登板となった）雨の中で投げてたのが記憶にないです（笑）難しかったかなと思います。（走者を出しながらも無失点で切り抜けた）満足のいく結果ではなかったので、明日もありますし、今後につながればいいのかなと思います。（雨の中でも大声援が聞こえた）やっぱり応援だったり名前を呼んでくれると元気になりますし、緊張もほぐれるのですごく助かりました。（今の自身の状態）春のけがが治ってすぐくらいはオープン戦でも打たれて自分の本調子ではなかったんですけど、最近は徐々に上がってきているのかなと。これからのあと２節、しっかりやっていきたいと思います。（あす以降への意気込み）リーグ戦、今節はリリーフになると思うので、２イニング、３イニングと与えられたイニングを０で抑えられるように頑張っていきます」