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法大に惜敗し4位で嶋野世代終幕

法大に惜敗し4位で嶋野世代終幕

◇第96回日本学生氷上競技選手権大会◇3位決定戦◇12月29日◇対法大◇於・テクノルアイスパーク八戸◇

[第1P]関大1―1法大
[第2P]関大2―4法大
[第3P]関大2―2法大
[試合終了]●関大5―7法大

6年ぶりに進出した準決勝では、東洋大に敗れた関大アイスホッケー部。今季最後の試合となる3位決定戦へ臨んだ。

FW岸上樂(情2)のフェースオフで試合開始。33秒にはFW岸上がファーストシュートを放つなど、序盤から積極的に攻め込む。第1ピリオド(P)開始1分たたずでパワープレー(数的有利な状況)となるも、この間にゴールとはならなかった。6分、関大のアタッキングゾーンでパスを回していた相手から、DF小嶌翔大(情3)がパックを奪う。FW高橋柊伍(人1)とパスをつなぎ、ゴール左前にいたFW山根早加(社3)にパックが渡った。FW山根のシュートはわずかに上に逸れ、先制とはならず。その後も両者ゴールが生まれず、拮抗(きっこう)した試合展開が続いた。この状況を打破したのはDF熊谷天智(情3)。13分、FW髙秀稜(社3)が自陣からパックを持ち出すと、激しいチェックを受けながらもFW山根にパス。最後はFW高橋柊がフリーの状態だったDF熊谷につなぎ、冷静にゴールを沈めた。しかし17分に失点し、同点で第1Pが終了。

△DF熊谷

第2P最初の得点は相手から生まれる。GK常川渉稀(しょうま=人2)が好セーブを見せていたものの、相手のフェイントに対応することができなかった。この日初めて追いかける展開となった関大だったが10分、ゴール裏から回り込んだFW高橋寛騎(法2)のパスに合わせFW根本慎太郎(情4)がシュート。倒れこみながらディフェンスしていた相手選手の上を通過したパックは、ゴールネットを揺らした。しかしその1分後に失点し、再度リードを許す。次にスコアが動いたのは13分。DF小嶌が放ったシュートは一度相手選手に阻まれたが、そのパックをFW高橋柊が拾い上げ押し込んだ。すぐに追いついた関大だったが終盤の2分間に連続で失点し、2点をリードされた。

△ゴール後のFW根本(右)
△ゴール後のFW高橋柊

迎えた最終第3P。5分にFW嶋野瑛心主将(文4)がロングゴールを決め1点差に詰め寄るも、9分にまたゴールを許しリードを広げられる。その直後のプレーでは、FW髙秀やFW山根らがゴール前まで迫ったものの得点とはならなかった。2点を追いかけていた16分、FW嶋野主将がブルーライン付近からまたもロングシュートを放つ。頼れるキャプテンの一振りでまたも1点差とした。試合時間は残り4分。「勝つぞ」と声を掛け合い、チームの士気を高めた。しかし関大にゴールは生まれず。残り21秒に失点し試合終了。最後まで食らいついたが、あと一歩及ばなかった。

△FW嶋野主将に駆け寄る

最後は涙をのむ結果となったものの、6年ぶりのベスト4入りを成し遂げた。4年生は引退を迎え、また新しいチームで再出発。全国の表彰台を目指し、さらなる高みを目指していく。【文/写真:島田采奈】

△引退を迎えた4年生

▽FW嶋野主将
「(この試合を振り返って)第1・2Pは自分たちのミスでの失点が多く、防げるものが多かった。アタッキングゾーンでのサポートも遅かった。第3Pには最後という開き直りも関係するのか、攻撃のクオリティがいつも通りに近づき、1点差まで差を縮められたがそこの1点、そこからの失点で関東のスキルの高さ底力を感じた。(インカレで印象に残っているシーン)準々決勝・中央戦で根本が同点ゴールを決め、自分が逆転ゴールをしたこと。プレースタイルは違うがそれぞれのプレーでチームを支えようとしていた。6年ぶりのベスト4が懸かっている試合でお互い結果を残せてよかった。(大学4年間を振り返って)入学当初は新型コロナの影響で試合もなく、秋だけ関西リーグがあった。そこでは全然得点ができず狙っていた新人賞も逃したが、関大リンクでのフリーアイス(自主練)などで、GK佐藤希さん(22年度卒)や、現在横浜グリッツのGK石田龍之進さん(21年度卒)に得点力を上げるための知識を教えてもらった。2年生は最優秀選手賞、3年生はベスト6、4年生では最優秀選手賞とベスト6に選ばれ、関西での活動には満足している。2・3年時でのインカレ、練習試合などでは関東の4強といわれるチームに勝つことはなく、点数以上の差を感じるばかりだった。4年生で主将を務めさせていただき、関西の連覇を止めてはならない、関西で敗退してはいけないなどプレッシャーを感じながらプレーしていた。全日本選手権大会で1回戦を突破し、プロと戦い得点したというのは一生の思い出になると思う。インカレでは6年ぶりのベスト4ということで、関大アイスホッケー部にとって少し何かが変わるきっかけを作れたのではないかと思う。(後輩にメッセージ)来年はインカレベスト4のチームと言われることも、たまたま昨年はベスト4だったと厳しいことを言う人もいると思うけど、自分たちを信じてベスト4以上を目指してほしい。関大にはホームリンクがあるから、感謝の気持ちを忘れずたくさん練習して、引退の時に後悔するような練習の仕方はしないでほしい。関西で負けられない、ベスト4に入らなきゃいけないプレッシャーはあるだろうけどそれすらも楽しんでほしい」

▽DF佐藤翼(法4)
「(この試合を振り返って) たくさんのチャンスを相手にもらって決めきれなかった部分が課題だったが、反則を0で抑えることができたことはとてもよかった部分だと思う。(インカレで印象に残っているシーン)準々決勝・中央戦の同期のゴール。まずはベスト4に入ることを目標に戦っていたので、最初と最後の根本のゴールと勝ち越しの嶋野のゴールは泣きそうになった。(大学4年間を振り返って)活動が制限され思うように部活動ができなくて、苦しい時期もあったが、最後の最後、自分たちの代でベスト4に入れたことは1・2年目の苦しい時期が報われた結果であり、最高の思い出になった。(後輩にメッセージ) 今までありがとうございました!ベスト4という壁を突破したので、次のインカレはこの結果よりもさらに上に行けるようチーム一丸となって頑張ってください!応援しています!」

▽DF鈴木郁也(情4)
「(この試合を振り返って)何度か同点に追いついて、行けるという気持ちになった時に失点が続いてしまってもったいないシーンが多かった。(インカレで印象に残っているシーンは)準々決勝・中央戦の瑛心(=FW嶋野主将)の勝ち越しゴール(大学4年間を振り返って)新型コロナでまともに試合ができなかったことがほとんどだった。ホッケーができることが当たり前じゃないと言うことを改めて実感できた。1人の選手としても、1人の人間としても成長することができた4年間だった(後輩にメッセージ)どんな壁に当たっても新4回生を中心に乗り越えていってください。君たちなら乗り越えることができると信じています」

▽FW中植圭太(経4)
「(この試合を振り返って)関東の強豪校を倒し、勢いに乗った関大なら勝てると思っていたが、やはり少しのミスを見逃してはくれなかった。個人的には今まで毎試合あれだけあったキルプレーが1度もなく、危うく学生最後の試合で滞氷時間が0秒になるところだった。しかし最後には4年生を中心としたセットで出ることができ、最後の瞬間に氷上に立たせていただいて感謝しかない。(インカレで印象に残っているシーン)準々決勝・中央戦の第3P残り5分、2点リードした状況でのキルプレーで、チームのピンチを守り切った場面。試合中やピリオド間にも自分自身で相手のプレーを分析し、考えた作戦がドンピシャでハマったことがうれしく印象に残っている。(大学4年間を振り返って)入学当初はコロナ禍ということもあり満足に活動できない状態が長かったので、普段何事もなく部活動ができていたことのありがたみを改めて感じた。また自主練でずっと練習していた形のシュートで、学生最後の大会では1回戦で2得点挙げることができ、TODAY’S HEROに選ばれたこともうれしかった。自主練に付き合い、アドバイスをし続けてくれた同期のフォワード2人には感謝してもしきれない。(後輩にメッセージ)ずっと大阪でプレーしてきた身として、一度でいいから強いチームでプレーしてみたいと思い入部したこのチームで、インカレベスト4という景色まで連れて行ってくれてありがとう!まわりの選手に及ばず満足する結果が残せなくても自分に何ができるか、何ならチームの役に立てるかを考え、何より諦めないことが大事だと思います。ずっと応援してます!これからも頑張れ!」

▽FW根本
「(この試合を振り返って)勝ちきれないまま終わってしまったことには悔しさが残ってしまうが、それも含め今年のチームだったのかなと。ビハインドでも、しぶとく追い続けたことは来年へ向けてプラスになるんじゃないかと思う。(インカレで印象に残っているシーン)準々決勝・中央戦の同点ゴールと1点を防ぐブロックショット。同点に追いついたことと、相手の逆転を死守できたことが印象的。(大学4年間を振り返って)1・2年目は特に、ホッケーを満足に出来なかった。そのフラストレーションを3・4年で爆発させるべく施した練習やトレーニングで結果を残せたことは良かった。困った時、頼りになる同期がいた事は間違いなくこの結果につながる要因の1つだったと思う。出会った全ての人に感謝しかない。(後輩にメッセージ)僕らができる最低限のことは残せたかなと。チームの結果を直接的に背負うことも、間接的に背負うこともこれから経験を積みながら学ぶことでしょう。特に来年の4年生たちは結果が出なくても、やりたいことがうまくいかなくても焦らず、最後にピークを持ってこれるような準備をしたらいいと思います。それ以下の後輩たちもチームの方針についていけるように頑張ってください」

▽DF米津優風(人4)
「(この試合を振り返って)4強入りして、間違いなくチームとしても強かった。でも、もう少し常川を支えてあげたかったと思う。(インカレで印象に残っているシーン)準々決勝・中央戦。終始、全員が身体を張って最後に慎太郎(=FW根本)がダメ押しで決めてくれて、歴史を変えれたことが一番うれしかった。(大学4年間を振り返って)自分たちで考えることが多かった4年間。チームのおかげで最後は自分に自信を持つことができた。(後輩にメッセージ)どれだけ一人一人の方向性が違っても目的がはっきりしていれば必ず強くなれると思います。目先の結果じゃなく、先を見据えて努力を継続できる人間になってほしい!」

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